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【現地ルポ】20240623 湯河原町長選

割引あり

扶桑町議会議員 山田あつきです。
2024年6月22日(土)、湯河原町長選最終日に現地入りしてきました。
今回はそのルポルタージュ記事です。

目次

・湯河原町とは
・町長選が行われた経緯
・2名の出馬者(ポスター順)

・選挙結果
・土屋由希子候補の応援に入って
・投票結果の分析
・湯河原町政の今後は

湯河原町とは

駅のホームから撮影
改札内の顔出しパネル

神奈川県西部に位置し、静岡県熱海市と隣接する温泉地です。
山も海もある、関東圏の別荘地としても有名。
現在東京都知事選が行われていますが、舛添知事(当時)が公用車で別荘通いをしていたことで脚光を浴びました(湯河原町が何かしたわけではありません)。
総人口22,156人(2024年5月1日時点)、面積40.97㎢。
人口は1995年頃(2.8万人超)をピークに減少傾向。神奈川県内で一番60歳以上の比率が高くなっています。

町長選が行われた経緯

投票率向上のための選管設置旗

2024年5月5日、5期目の冨田幸宏前町長が骨髄異形成症候群のため志半ば、66歳でご逝去されました。心よりご冥福をお祈りいたしますとともに、ご遺族の方へ哀悼の意を表します。
公職選挙法第34条の1により、任期中に首長が他界した場合は、職務代理者が逝去日から5日以内に自治体の選挙管理委員会に通知し、通知から50日以内に実施されることが決められています。
今回は6月23日(日)投開票と定められ、6月18日(火)~22日(土)までの5日間が選挙運動期間でした。

2名の出馬者(ポスター順)

湯河原駅前の選挙ポスター

1.土屋由希子さん(41)
2024年3月24日投開票の湯河原町議会議員選挙でトップ当選(2選)。
立候補日(6月18日)時点で、公職選挙法第89条により自動失職、議員の身分を失いました。
なお、公職選挙法第97条の2において、対象となる選挙の期日から3か月以内に議員の欠員が生じた場合には次点候補者が繰り上げ当選となるため、土屋さんの議員失職に伴う補欠選挙は行われません。
ご自身が代表を務める地域政党ゆがわらが推薦していました。

2.内藤喜文さん(64)
町役場に42年勤められた元職員でいらっしゃいます。
東京理科大卒業後、地域政策課長や政策グループ参事を歴任。
町議会の多数派や地元経済団体、自民党から共産党まで、幅広い政党の相乗り支援を受けていらっしゃいました。

選挙結果

投票率地域別投票数
開票結果

当日有権者数 20,493人
投票総数 11,373人
有効投票数 11,252人
内藤喜文候補 7,284票<当選>
土屋由希子候補 3,968票(9/22まで次点)
無効票数 121票
投票率 55.50%

投票日当日は雨が降っていたにもかかわらず、前回町長選を2.92%上回り、関心の高さがわかります。湯河原町民の民意を集められたのは内藤喜文さんでした。心よりお祝い申し上げます。

土屋由希子候補の応援に入って

ターポリン幕で作られた選挙カーの看板(側面)
ターポリン幕で作られた選挙カーの看板(背面)
マイク納めは町民の玄関口・湯河原駅前にて(右:山田)
沢山の聴衆が集まりましたが、残念ながら落選…

選挙戦最終日の6月22日(土)、土屋由希子候補の応援に入らせていただきました。
私にとって初めての首長選応援かつ、議員として初めての応援入り。我がこととして一生懸命声を枯らし、腕を振らせていただきました。

選挙カー看板は一般的な木製看板ではなく、ターポリン幕。
枠組みは水道管で使われる塩ビパイプのようなもの。
手作りの選挙戦で、組織票の根強い内藤候補に挑む構図。
2児の母ならではの戦い方は、内藤候補と全く違うものでした。
故に、互いに手応えが掴めなかったのではないかと思います(初めての首長選応援だから私が感じなかっただけかもしれませんが)。

投票結果の分析

泉房穂前明石市長が「7割の法則」というのを提唱しています(プレジデントオンライン 2024.02.16)。

この法則を簡単に解説します。
投票率が55%であったとすると(今回の湯河原町長選と投票率が近似)、
組織票を持つ候補が、3割の支持で9割の方が投票に行くとしたら得票率は27%。
一方、組織票を持たない候補が、7割の支持で4割の方が投票に行くとしたら得票率は28%。
したがって、組織票を持たない候補が一騎打ちの首長選に勝つためには7割以上の支持が必要であるというものです。

一方、今回の場合は組織票が非常に強固かつ一点集中していました。
また、弔い合戦と化した選挙戦では後継的な公約を掲げる候補に票が集まりやすい傾向にあります(1980年大平正芳首相の急逝時/2022年安倍晋三元首相の銃撃事件時、いずれも自民党が議席増)。
このような状況下、7割の支持を集めることが難しかったものと分析できます。
また、投票日は雨。組織票でない4割の方が投票に行く、という法則についても、非常に厳しい条件にあったものと分析できます。

これらの状況を総合的に勘案し、仮に7割ではなく5割の方が支持し、組織票でない4割でなく3割の方が投票に行った場合、大体今回と同じくらいの得票率になります。
(内藤候補の得票率は土屋候補の1.836倍、この仮定だと1.8倍となり傾向として一致)
したがって、土屋候補の訴えが全く支持されなかったわけではなく、一定の支持を集めたが環境面での不遇が重なった点は否めないといえます。

しかしながら、民主主義の世界では票数こそが多数決の民意でありますので、湯河原町民が最善と思う候補に票を入れた結果が今回の町長選であったものと、尊重したく思います。

湯河原町政の今後は

私は、今回の町長選において最も悔しかったのは土屋由希子さんであったと考えます。しかし、志半ばでご逝去された冨田幸宏前町長の無念は計り知れないものがあります。
今回の町長選は、そういった意味で「無かったに越したことはない」ものでした。
その中で無投票にせず、繰り上げ当選期間によって4年間退路を断たざるを得ない環境下で出馬され、選挙によって町民の選択肢を創出した土屋由希子さんに私は一政治家として心より敬意を表しまして、応援に入らせていただきました。

2つの選択肢がある選挙を終えた今、こればかりは仕方のないことですが、町民の声の分断が発生してしまっています。これは湯河原町政の今後にとって良いことではありません。

そこで、湯河原町を1つにするために、内藤喜文新町長が土屋由希子さんを、副町長をはじめとする町政の要職に登用し、湯河原町を分断しない人事を行っていただくことを期待しています。
一見突拍子もないことだとか、負け惜しみだとか思われそうな提案ですが、2008年にオバマ大統領が予備選挙で戦ったヒラリー・クリントン氏を国務長官に起用したり、2012年の第2次安倍内閣では谷垣禎一前総裁のほか、総裁選に立候補した石原伸晃氏や林芳正氏を大臣登用しています。決して夢物語ではありません。

町政には町民の声が反映されるべきです。選挙が終わった今こそ、垣根を越えて湯河原町が1つにまとまることが大切であると考えます。

町長選に携わらせていただいた一員として、湯河原町の今後の発展を願いこの記事を締めくくらせていただきます。

選挙運動については、有償で雇える範囲が限られていますので私も交通費全額実費での応援入りとなりました。もちろん、一政治家としてかかった金額より多くのものを得ることができ、今後首長選に携わらせていただく際の準備が少しできましたので、損得勘定一切無く、良い機会であったと思っております。

今後も多くの経験を積みたいと思っておりますので、この記事に読み応えを感じていただいた方は是非以下からご購入ください。
(これより下に文章はありませんが、今後の執筆活動・報告費として使わせていただきます)

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