ユタと不思議な仲間たち

5月2日に浜松町にある自由劇場で観劇してきました。
今回の公演は去年の7月に亡くなられた浅利慶太の追悼公演だそうです。

このミュージカルは東京からの転校生ユタが、東北の田舎のガキんちょと馴染めずにいたところを、座敷わらしたちに励まされて鍛えてもらって最後はみんなと仲間になれました!! でも座敷わらしたちとはお別れなのです…

って感じです(ざっくり

僕は今まで見たミュージカルの中でユタが一番好きです

僕の思うユタの魅力

1 方言のあたたかみ
全編通してユタ以外の登場人物はほぼ南部弁を話します。
方言って、なんか面白いですよね。
関東の、しかも東京に近いところに住んでる人って、訛りがほとんどない(=アイデンティティーがない)から地方の言葉遣いを羨む気持ちがどこかあると思ってます。
子供ってこういう自分が普段使ってるものと違うもの、新しいもの好きじゃないですか。
語弊あるけどこういう変な音使い言葉遣いって耳に残るんですよね。
観劇してからしばらくはなんとなく真似して喋ったりしてました。

2 座敷わらしがおもしろい
このミュージカルに出てくる座敷わらし5人は独特の特徴があって可愛くてかっこよくてとても魅力的なのです。
ペドロ親分に哲学的なダンジャ、力持ちのゴンゾ、泣き虫のモンゼ、白粉の匂いが好きなヒノデロ。
みんな大好きです。

3 いのちのたいせつさ
お父さんが亡くなってしまったのでお母さんの田舎へ行くことになったが、地元の子供達にいじめられて死にたくなったと話すユタにペドロがバカヤローと怒鳴り命の大切さを説く場面があります。
座敷わらしは人間のなりそこないであり、生まれてからすぐ間引かれた子供達のおばけです。彼らは一度生きてみたかった。生きているということを許されなかった存在の彼らからすると、生きているということを許されているユタが自ら死のうとすることは許せなかったのでしょう。
生きているって素晴らしい。生きていられることを大事にしなくちゃいけないなと思わされました。


今回おそらく11年ぶりに観劇しました。
前回は大学生になってすぐくらいのころに川口リリアで見たような、そんな記憶がうっすらとあります。

今までユタを見て感動はすれど泣くことはなかったんですが、今回は序盤から懐かしさやら感動やらでほぼ泣きながら見てるような感じでした。
命の大切さを諭すペドロとか、ユタがペドロ達と体を鍛えるとことか。

(  ˃̣̣̥᷄⌓˂̣̣̥᷅ )

年取ると涙腺が緩むとか言うとまだ30にもなってないのになに言ってんだと言われますかね。
昔BS2で放送されたものを録画して、それこそ本当にテープが擦り切れるまで見るくらい大好きだったので、思い出補正もあるでしょうけどね。

笑えるシーンもたくさんあります。
2部序盤の授業の風景なんかは座敷わらしがいたずらして授業をめちゃくちゃにしたり、いじめっ子たちが可愛く喧嘩したりなどなど。


いつかまたきっと再演等あるでしょうから興味を持った人がいたら是非見に行ってみてください。僕はまた行きます。





さてここからはキャスト陣のお話です。


僕が昔よく見てたキャストは(敬称略)
ペドロ  光枝明彦、菊池正
ダンジャ 春原一恵、坂本里咲
ゴンゾ  芝清道、吉原光夫
モンゼ  高城信江
ヒノデロ 下村尊則(=下村青)、道口瑞之

って感じの人たちなのですが、特に光枝ペドロ、芝ゴンゾ、下村ヒノデロが好きだったんです(BS2のキャスト、そらそうだ、一番多く見てるんだもの)

光枝さんはすごく温かみのある、それでいてひょうきんな、かっこよいおじいちゃんペドロって感じでした。ユタを見守る友達というよりはおじいちゃんって感じ。

菊池さんのペドロは光枝さんとは違ってお父さんペドロって感じなんです。いや勝手な印象なんですけど。

今回再演にあたりペドロだれかなー、奇跡が起きて光枝さんにならないかなぁ…いやまぁ順当に菊池さんかなーとか思ってたらまさかの下村ペドロ!!

下村さんはライオンキングの悪役スカーをかっこよく演じたり、ヒノデロで繊細な所作を見せてくれる艶っぽい人って印象だったのでどんなペドロなのかなと期待してました。

実際に観劇してみると、どこか光枝さんの雰囲気が漂うような(光枝ペドロの時代に下村さんがよくヒノデロを演じてた)、でもやはり下村さんのペドロでした。
先に述べた2人のペドロより若いペドロだった気がします。
「俺たち友達でねえか」っていうんだけど、それが一番自然に見えた気がします。ペドロ兄貴!って感じでした。

カテコでもニコニコしてたり、ユタに手を引かれ小夜ちゃんと手を繋いではける時に頭掻いてたりと可愛いペドロでした。

他の方達も素晴らしかったです。ダンジャは昔坂本さんで見た時のそのまんまの綺麗な高音が出ていてさすがだなぁと思ったり、モンゼの人はなんとまだ大学生だとか…すごいですね。

長くまとまりのない文章になりましたが、ユタの観劇記録でした。またいつか公演があれば見に行きたいです。演者の皆さん、素敵な公演ありがとうございました。

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