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外からはとても髪を切るだけに見えない町の理容室たち あまりにも多い条件に辟易し空に放った…
人工の顔が君臨しつづける十二丁目の錆びたゲーセン 目覚ましの音を遠くに聞きながら瞼の裏に…
洗われた皿に埃が墜落しただひたすらに間延びする午後 チャンネルはそのままでという死語がま…
風鈴の音がやたらに響くからきっと家には僕しかいない 斜めから君を見た夜満月はウサギの影を…
騒めきだけが、耳鳴りを掻き消して 胸の締め付きも、気がつけば幻のような。 弾きながら 泣き…
※文芸ユニット【午前0時】のいちごつみ短歌です。昼行灯(♣︎)→紅井りんご(♧)の順で詠みま…
幸せなカップルよりも幸せに海を眺める死ぬ前の父 地下鉄のホームに滑り込んできた車両の窓に天気雨の跡 痛いから履かなくなった靴たちをまとめて捨てた絶景の朝
縮尺の乱れた地図で辿り着く主のいない平屋のお城 この夜もまたおそらくは初級だろうだるまひ…
レゴの城みっつ竣工してもなおやはり鳴らない内定通知 予想より大きくなったシャボン玉きっと…
たけのこの里しか故郷がない僕はまた公園で一粒噛る 川水が海に向かって流れてる選択肢など不…
ひたすらに洗い物しかしない夜決断からは遠いこの夜 風邪引いて喉の機能の正常を真に解する迂…
嘘をつくときに髪掻くその癖が僕らの終わりを決定づける その全て寒くなるから目に留まる燕の…
大の字を君と二人で書くときにきっと今しか息ができない 詠めないと思う気持ちも歌としてうな…
野ざらしにされた怒涛をいさめつつある晴れた日に天使を落とす 神経を研ぎ澄ましても聞こえない鳴らないピアノをあの子は弾いてる 間髪のなかに偶然入り込み僕を笑わす毛虫の赤ちゃん