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9日目 平和島の冷蔵倉庫 僕と猫とパン

皆さんこんにちは。前回は久々に行った日勤で地獄を見て自信が粉々に砕けたという記事を書きました。今回は夜勤に行ってきたのでその事を書きたいと思います。

日勤で地獄を見たのは先週火曜日の事でした。翌日の水曜日は夜にお笑いライブがあったので、日雇いには入りませんでした。凄まじい筋肉痛に襲われていたのでお笑いライブ関係なく日雇いには入っていなかったと思います。主に上腕二頭筋、首の裏から肩にかけての筋肉、腰が特に痛みました。トラウマがべったりと貼り付いた呪縛のような筋肉痛でした。

その翌日の木曜日は丸一日空いていました。丸一日空くとわかったのが水曜日の夜の事で、日勤の応募にはもう間に合わないだろうと思ったので夜勤に応募する事にしました。

しかし、前の記事に書いたように僕は日勤に対して完全なトラウマを持ってしまったので、応募に間に合ったとしても、夜勤に逃げ込んでいた可能性は非常に高いです。

木曜日の夜勤の仕事にはありつく事が出来ました。この日はいつものように事務所から交通費をもらって自分で電車で行くパターンではなく、事務所から出る車で連れていってもらう形でした。どのような理由で電車の日と車の日に別れるのかはわかりませんが、車に乗せられて行く方が楽ではあるので良かったと思っていました。

事務所に行き受付を済ませて地下の待合室に行きました。この日の日雇いは4人でした。1人は1度一緒になったことのある人でした。ほとんど話した事がないので向こうが覚えているかはわかりません。レギュラーの人の運転するハイエースに乗って倉庫に向かいました。

いつもの夜勤の平和島の冷蔵倉庫に到着しました。ロッカールームで着替え、倉庫内に入りました。その時点で19:00少し過ぎたところだったと思います。いつもより作業開始時刻が早いです。

倉庫内は以前より段ボールの積まれたパレットが多く、作業もそこかしこで絶え間なく行われており、忙しい感じが漂っていました。日雇いを車に乗せたのは、いち早く人員を投入したかったからかもしれません。僕に最初に与えられた作業はコンテナの流しでした。1日目の図を貼っておきます。

僕はげんなりとしてしまいました。ここ最近の夜勤ではコンテナをしていなかったので、この日もコンテナをせずに済むかと思っていました。もうコンテナはしばらく勘弁だと思っていたのですが、倉庫で作業をする以上そんな訳にもいかないのかもしれません。

一緒に流すのはレギュラーの、僕と同年代くらいの170㎝ほどの眼鏡をかけて少しふっくらした体型の男性でした。「ゆっくりでいいから」と言ってくれたのでそこまでプレッシャー無く始める事が出来ました。

積み荷の内容はそれほど確認していなかったのですが、恐らく18㎏前後の冷蔵ポークと12㎏前後の冷蔵ポークの混載だったように思います。

開始してからすぐに腕の筋肉に異常が出始めました。ジンジンと痛み始めました。というのも2日経ってマシにはなってはいましたが未だに筋肉痛がはっきりと残っていたのです。

筋肉痛がはっきりと残っている状態に被せて新たな筋肉痛を生み出す行為を行っている訳です。僕は少なくとも大人になってからそのような行為をした事が無かったので、それがどんな結果をもたらすかわかりませんでした。いつものコンテナのしんどさに加え、筋肉痛に筋肉痛を重ねる痛みが合わさり、いつも以上の過酷さでした。

それでも何とかコンテナを空にしました。今までの傾向から言えば、次にコンテナがあった場合、今コンテナをやった人間はラップ作業の方に回されます。そしてそのコンテナも終わればコンテナ作業は終わりなので、悪夢からは一先ず逃げ切れたはずです。

案の定休憩を挟んだ後僕はラップ作業に回されました。ラップ作業の図を貼っておきます。

しかし、その時には僕はほとんど腕に力を入れる事が出来なくなっていました。今まで感じた事の無い感覚でした。腕が鉛のように鈍く重い物体と化してしまいました。ラップ作業も満足に行えませんでした。

何とかラップ作業を終えて、一旦休憩となりました。日勤の手伝い分のコンテナは終わったようでした。

休憩を挟み、腕の感覚はほんの少しずつ戻り始めてはいるようでした。戻らなければ作業を行う事自体厳しいので、何とかなりそうで良かったです。

しかし、上腕二頭筋全体を支配する鈍い痛みは消える気配を見せませんでした。この痛みとは少なくともこの夜は共にしなければならないようでした。そして1日経てばそれは筋肉痛になって襲ってきます。

休憩が終わり、夜勤の作業として積み替え作業が与えられました。いつもと同じくフォークリフトの人が運んでくるパレットに載った段ボールを空のパレットに移していく作業です。

この日はやはり忙しいのか、いつもより多い延量のパレットが延々と運ばれて来ました。僕達は黙々と積み替え作業を続けました。

腕の状態は厳しいものの、感覚は戻ってきたので作業を行う事は出来ました。積み替え作業はやはりコンテナに比べきつくありませんでした。コンテナも「流し」と前回の日勤でやった「手下ろし」の2種類ありますが、経験してきた作業の中では僕はコンテナの流しが最もきついと思っています。

流しはベルトコンベアに載せていくだけなので、段ボールを自分で積んでいく積み替えや手下ろしと比べて作業としてはシンプルです。しかしその分スピードが要求されます。ほとんどインターバルを挟まず作業が続いていきます。

有酸素運動の要素が多分に含まれているため、息が切れて来ます。筋力のみならずスタミナも要求されるハイブリッドなきつさは他の追随を許しません。

なのでやはり夜勤でほぼ積み替え作業と細々とした作業だけの日々を過ごしていただけの僕が本気のコンテナを前に太刀打ち出来るはずなかったのです。

延々と続いていた積み替え作業は2時間弱ほど続いた後11:00少し前に終わりました。15分程の休憩を挟み、倉庫に戻ると僕だけ別の作業を指示されました。

それは積み込みという初めての作業でした。積み込みはコンテナの荷下ろしの真逆の作業で、倉庫から空のコンテナへ積み荷を積んでいくという作業です。初めての作業でした。この作業はトラックの運転手の方と一緒に行われました。

一緒に作業するトラックの運転手の方は175㎝程のスキンヘッドで眼鏡をかけた男性でした。プロレスラーのようながっちりとした体型をしていました。丁寧にやり方を教えてくれて、積み替えの応用版のような作業だったので特に問題はありませんでした。

積み荷は鶏、牛、豚の三種類でブランドや重さもそれぞれ異なりました。それらの積み荷を空のコンテナに奥から一杯につめていくのは時間もかかるし、疲れる作業でしたが、それでもやはりコンテナの流しよりきつくはありませんでした。

終わった頃には2:00近くなっていました。2時間半以上積み込みをやっていたことになります。プロレスラーのような運転手の方が100円玉を僕にくれました。お礼を言って休憩に入りました。

1時間の休憩を指示されたので夜食を食べる事にしました。この日は車に乗せられて倉庫に行く形で平和島で食事をする機会がないので事前にスーパーでパンを2つ買っていました。

パンと、先ほどもらった100円玉で購入したカップコーヒーを持って休憩スペースに向かいました。他の日雇いやレギュラーの人達は既に1時間近く前から休憩に入っていたようで、僕が休憩を始めてすぐに倉庫内に戻って行きました。

休憩スペースには僕と離れたところに1人レギュラーの人が座っているだけになりました。1人で携帯をいじりながらパンを食べていると、すぐ近くに気配を感じました。猫でした。以前このnoteにも書いた三毛猫が、パンを食べている僕の傍に寄ってきたのです。

noteに書いた日以来その猫の姿はトラックの下で1度見かけた事がありましたがこのように休憩スペースに来た姿を見たのは2度目です。食べ物の匂いを感じて来たのでしょうか。パンを食べる僕をすぐ近くでじっと見ています。

僕は葛藤しました。noteに書いた時は別の日雇いの人が僕の立場でした。僕は、エサをあげたら怒られるかもしれないし、パンはネコの体に悪いかもしれないから僕だったらパンをあげないと書きました。

しかし僕はパンを与えてしまいました。2欠片与えてしまいました。離れた所にいるレギュラーの人は僕より若く見えましたし携帯のゲームに夢中だったので怒られる事もないと判断しました。

パンはピザパンとピーナッツクリームのコッペパンを食べていたのですが、具の部分はネコの体に良くない可能性があると判断し、ピザパンの底の、ただのパン部分から2欠片むしって与えました。

パンを食べている猫です。顔は撮れませんでした。むしゃむしゃと猫は美味しそうにパンを食べ、食べ終えて伸びをして、少し横になった後どこかへ消えて行きました。ここでパンを食べていればまた猫に出会えるかもしれません。またここでパンを食べてもいいかもしれないと思いました。

しかし、後から調べてわかったのですがパン自体もすごく体に悪いという訳では無いけれど与えない方が無難の食べ物だったようです。もう猫には何も与えない事にしました。

休憩を終えて倉庫内に戻るとゴミ集めを指示されました。この日初めてという日雇いの方を連れて教えながらゴミを集めて回りました。他の日雇い2人は外清掃という僕のしたことのない作業を指示されていました。

それらが終わり、4:00ちょうどぐらいに終業となりました。給料を頂いて、着替えて帰りました。

この日は開始時間が早かったので勤務時間も長く、また作業も夜勤にしてはきつい方だったとは思うのですがそれでもやはり日勤に比べると楽だと実感しました。最初のコンテナで腕の感覚の無くなる一幕がありましたが、それも日勤の筋肉痛を引きずって起きてしまった事なのです。

僕の生活上日雇いであれば夜勤に入る機会の方が多いので、夜勤は引き続き入っていこうと思います。ウーバーイーツも始める準備が整ったのでその記事も書けたらと思います。本日の教訓はこちらになります。

「筋肉痛が残った状態でコンテナをすると腕の感覚が一時的に無くなる」

お付き合いありがとうございました。次回も是非お楽しみ下さい。

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