日雇い生活を大きく変えるかもしれない出会いが新宿歌舞伎町でありました

皆さんこんにちは。前回は2日目の日雇いに行った記事を書きましたが、今回は昨日この僕の日雇い生活に大きく変化をもたらす可能性のある出来事がありましたのでそれに関する記事を書きました。場合によっては冷凍チキンや冷蔵ポーク達とは今生の別れとなるかもしれない、そんな出会いがありました。

それは昨日の夜の事です。僕は普段芸人をやっているのですが、その夜は新宿であるイベントにコンビで出演する予定がありました。

そのイベントの集合時間前に新宿に相方と集まってネタの練習をすることになりました。歌舞伎町にある大久保公園で練習するつもりだったのですが、激辛料理か何かのイベントが開催されていたため中には入れず、公園の外の人通りの邪魔にならない場所を探してそこでネタの練習をしていました。

すると、1人の背の高い若い男性が僕達の方に近づいてきました。そして、ネタの練習をしている僕達に話しかけて来たのです。

「すいません!芸人さんですか?!吉本の人ですか?!」とその男性は話しかけてきました。

僕も相方も突然の事で驚きましたが、そういう、一風変わった人は世の中に沢山いますし、その人もその1人だろうと判断し「いや、芸人ですけど吉本ではないです!」といった当たり障りのない返答をしました。

どのような目的で話しかけて来たかはわかりませんが、その人のセンサーに何かしらの形で引っ掛かってしまったのでしょう。深く絡まれるとどんどん無為に練習時間が削られていくという共通認識が僕らの間にはあったと思います。当たり障りなく返事をしつつなるべく早めにどこかに行ってほしいという雰囲気を極力自然に漂わせました。

その人は僕らにお構い無しでどんどんと話を進めていきました。自分はホストクラブの人事をやっていると言っていました。確かに言われてみれば見た目ははっきりホストとわかるほど派手ではありませんでしたが甘いマスクをしていました。ホストクラブの人事の人が僕達に何の用なのだろう。少し興味が出てきました。

さらに続けて、今そのホストクラブではキッチンの人手が足りてなくて皿洗いのバイトを探していて、こうやって芸人などバイト探してそうな人に話しかけているんです、3時間8000円です、と言いました。

3時間8000円...?!相方はわかりませんが僕はその頃にはもう漂わせていたなるべく早くどこかに行ってほしいという雰囲気を完全に消し去り、当たり障りの無い返事をやめ、その人の言葉を一言一句聞き漏らすまいと真剣な表情で話に耳を傾けました。

それは歌舞伎町のホストクラブで、とにかくキッチンの皿洗いの人手が足りていない。主に洗うのはグラスと灰皿。21:00~0:00か22:00~1:00のどちらかの時間帯の3時間のシフトで入ってほしい。基本的に今毎日人手は足りていないからいつ入ってもいいし、給料は8000円日払い手渡しとの事でした。

それらの言葉を全て信じるとしたら、これほどに好条件のバイトは他に無いように僕には思えました。激アツでした。真偽はともかくとして今の僕にこの話に乗らないという選択肢はありません。僕は「是非やりたいです!」と言いました。

何ならこれからどうですかと言われたのですがイベントがあったのでその日は残念ながら行けず、名刺をもらい、ラインを交換しました。来れる日があれば連絡して下さい、お邪魔しましたと言ってその人は去って行きました。僕は「よろしくお願いします!」と90度の深々としたお辞儀でその背中を見送りました。

相方はそんな僕を見てさすがに笑っていました。彼は実家がセブンイレブンでその実家で今もバイトしており、実家暮らしできちんと貯金もしているようなのでこの話は断っていましたが、僕の困窮している現状を大きく変えるかもしれないこの話には他人事として好奇心を刺激されたらしく「いいんじゃない?」と笑いながら言っていました。

練習を再開したもののしばらくはその話が頭から離れませんでした。このように困窮して日雇い生活を始めた僕にそのようなありがたい話が飛び込んで来たのは神の思し召しのようにも思えました。

しかし次第に、本当に3時間皿洗いをするだけで8000円がもらえるのだろうか。そんな美味しい話はないはずだ。何かこういった美味しい話で騙されて損したり危険な目に遭ったりするのではないか。だとしたらやめておいたほうが...という疑念も生まれました。

しかし、本当に3時間8000円の皿洗いのバイトにつけるのだとしたらこの話を見送るのは僕にとって大きな損失になります。この話を知ってしまった今、その話が丸きり嘘だったとしても、1度そのホストクラブの人事の方に連絡して、ホストクラブに行って、真偽を確かめなくてはいけません。

公に経営されているホストクラブで皿洗いのバイトをする事自体は問題ないとは思いましたが、一応事務所のマネージャーさんに連絡をして許可も取れたので、次に夜空いてる日が来たらこのホストクラブに行ってみようと思いました。

もちろんもし話が嘘で、危険な夜の世界に少しでも足を踏み入れるような案件だったらすぐに逃げ出して来るつもりです。

もしかしたらこの手口が歌舞伎町では横行していて、ネットで「歌舞伎町、ホスト、皿洗い、8000円」等で調べたら、騙されたという人達の体験談が出てくるかもしれません。

しかし、行く前から危なそうだからやめるという選択肢は今の僕には取れません。本当に皿洗い8000円のバイトがあるかどうか確かめに行かなくてはいけません。行くと決めた以上真偽の定かでないネットの情報で不必要な恐怖を自分に植え付けたくなかったのでネットで調べる事もしていません。

倉庫での日雇いに関して言えば、もしこのホストクラブでの皿洗いのバイトにつけるようなら行く必要がほぼ無くなる可能性は高いです。

倉庫での日雇いで僕は強くなれるかもしれないという気持ちは今も変わりませんが、倉庫と同じ日払いで倉庫より遥かに条件の良いバイトが現れてしまった今、当然こちらのバイトを優先することになります。

実際、倉庫は日払いであるという点と前日に連絡すればいいという気軽さがメリットではありましたが、拘束時間が長く、芸人の仕事や子どもプールとの兼ね合いでそんなに毎日ポンポン入れないという不便さを感じていました。しかし、ホストクラブでの皿洗いはその点も軽くクリアする、凄まじいポテンシャルのバイトです。

とはいえ、丸一日休みの日などは倉庫で日勤の日雇いをして、夜ホストクラブの皿洗いをするという形はとれるので、まずは皿洗いのバイトを最優先で考え、そこから倉庫の日雇いとの両立の形を模索していく事になるかと思います。

そういう訳で、本日は僕の日雇い生活を大きく変えるかもしれない出来事に関して書きました。このnoteがどういう形になっていくかはわかりませんが、皆さんに楽しんでもらえるように続けていきたいと思っています。とりあえずは追って経過をご報告したいと思います。本日の教訓はこちらになります。

「歌舞伎町には様々な出会いがあり、日雇いに関する出会いもある」

お付き合いありがとうございました。次回も是非お楽しみ下さい。

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