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The many moods of kotaro

1992年にリリースされた私の1stソロアルバム
「The many moods of kotaro」が2021年レコードの日にアナログで再発された。制作当時27歳。30年後にこんな最高な事が起きるなんて考えてもみなかった。コロムビアの巨匠武沢さんが魂のカッティングをしてくれて現代に蘇った音は最高を超えた最高で聴くたびに涙が出そうである。せっかくの機会なので少し当時を思い出してみたい。

タイトルのThe many moods of kotaroは
小西康陽さんがつけてくれた。といっても正式にオファーしたわけではなくたまたまコロムビアの廊下でバッタリ会った時にタイトルをどうしようか悩んでいると話したところその場で即タイトルを決めてくれたのだ。とても好きなタイトルで内容にもあっているように思う。

ジャケット写真を撮影してくれたのは伊島薫さん。まだ建設途中だった伊島さんのスタジオで撮影した。ジャケット表はシャワールームだったと記憶している。まだ寒かったな〜。

「Get!Murder」
一応ギタリストのソロという事を意識してインストからスタートしたいなと思っていてプロデューサーの沖山優司さんに相談した。レジロスみたいな感じでサーフをやりたいと話してオケを作ってもらいリフを考えたんだけどなかなかうまくいったと思う。マルコシアスバンプの鈴木ユタカさんがゲストで入ってくれた。最初のソロはユタカさんだね。

「Nothing Or Something」
最初はもう少しおそいテンポの曲だったんだけどはやくしたらすごく良くなった。ミックスの時イントロのフレーズをバッキングのギターとまざりが良くなるようにあまり上げないようにお願いしたのを覚えている。篠原太郎さんが歌詞を書いてくれた。

「いつかきっと」
19歳の頃にMods関連に興味を持った。まだ何も分からなかったけど、なんとなくモータウンはアリでしょと書いた曲。今でも緊急ナイトなどでは必ず演奏するお気に入りのナンバー。歌詞を書いてくれたのはパンタさん。「そんな優しく俺をぶつなよ」という部分がとても好き。

「悲しいのは俺だけかい?」
加藤リーダーがThe Bikeの頃に演奏していた曲。この頃の曲はまさに加藤節だね。昨年の弾き語りツアーで久しぶりに演奏した。

「Everyday Everynight」
1984年3月1日。数年間暮らした岩手県北上市から東京に戻ってきた。戻ってきて最初に書いた曲。なんとなく音楽シーンがネオアコみたいなムードになってきてるのを感じて書いたんだと思う。高浪慶太郎さんにアレンジをお願いした。歌詞は大好きな雨あがりの初夏の夜をイメージした。

「涙はいつも遠くに光る」
元々シンガーの友達にプレゼントした曲なんだけどまったく活動していないようなので自分でやる事にした。ざっくりしたバンドサウンドのイメージだったんだけど沖山さんのアイデアで収録のアレンジになった。その時!!ポールウェラーの新譜がリリースされた。1曲似たようなイントロの曲があってびっくり。沖山さんが変えようかと言ったんだけど、ほんとにたまたまなんだからいいんじゃないかなという事になった。

「Fire」
自分のバンドでやっている時はちょっとロカビリーっぽく「セブンティーン」というタイトルでやっていた。サビをセブンティーンと歌っていたね。ガラリと変えようという事で歌詞を柴山俊之さんにお願いした。サウンドもハードに変更。この曲だけマーシャルを鳴らした記憶がある。

「Don't Cry」
メーカーのコロムビアから1曲デモを欲しいと言われてこの曲を録音した。その時はザバンドみたいな演奏だったんだけどレコーディングではムードを変えた。間奏はサックスだったんだけど沖山さんにギターでやった方がいいよと言われて差し替えた。この歌詞も柴山俊之さん。

「Oh!My Dear」
この曲を好きと言ってくれる人が多くてほんとに嬉しい。レコーディング前ギリギリにやっぱり1曲足りないかなという事になって書いた。自宅のソファーでラララ〜ン♪とやっていたのをはっきり覚えている。実家なのでつまりは今のDust&Rocksだね。ソファーがあったのは入口入ってすぐの真上くらいかな。2階。歌詞は泉水俊郎さん。仮歌のOh!My Dear〜♪をうまくいかしてくれた。

「木曜の夜」
レコーディングしてる頃ちょっといいかなとよく弾いていたコード進行をスタジオの中でつま弾いていたら録音されていた。せっかくだしとハミングのような感じのをかぶせて仕上げた。こういうのが間に入るといいかもねと採用。タイトルは多分録音した日が木曜日だったんだろうな。

「奇跡は二人の夜に」
もちろんソウルミュージックへの憧れがベースにあるんだけど、どちらかというと今でいう和モノをやりたかった。当時はそんな言葉もシーンもなかったから自分がやろうとしている事がはたして何なのか分からなかったな。堺正章さんの「さらば恋人」みたいな雰囲気を目指した。アレンジは慶太郎くんでサックスに憧れのジェイクH.コンセプションさんに来てもらった。最高のソロを決めてくれて今聴いてもレコーディングの風景が蘇る。圧倒的な存在感。歌詞は柴山さんで当時は少し照れくさかったけどとてもいい歌詞。とにかく優しく歌うように心がけた。

と、記憶の旅をしてきた。
楽しんでいただけたら嬉しいです。



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