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開店まであと25日 何もかも憂鬱な夜に

※今日のnoteは全体的に陰鬱としているので、これから新生活が始まるというのに、暗い気持ちになりたくない方はここで読むのをやめてください。
それでも読まれる方は、エイプリールフールなので全て「嘘」の事を言っていると思って読んでください。







開店まであと25日だというのに、明日から京都へ行くというのに、桜は満開だというのに、枡野さんが出演されていたお笑いライブを観た後だというのに、仕事帰りの電車の中で涙が出てきて、止まるのにしばらく時間がかかった。

数カ月に一度、自分でも感情を抑制できなくなる憂鬱な夜が訪れる。
そんな時は「何もかも憂鬱な夜に」という自作のプレイリストを聴きながら、夜道をひたすら歩く。そのプレイリストの中には、ブルーハーツやカネコアヤノ、清志郎に坂本九など、今まで何度も救われてきた方達の曲が内包されている。

僕の中高時代を知っている知り合いに久々に会うと「明るくなったね」や「話しやすくなった」と言われるが、実際は何も変わっていない。
仮面の付け方を覚えただけだ。

ブルーハーツのチェインギャングという曲の歌詞に「仮面をつけて生きるのは息苦しくてしょうがない」という一節がある。
恐らく、数カ月に一度憂鬱な夜が訪れるのは、仮面をつけっぱなしにしたまま日々を過ごし、息苦しくなってしまっているからだろう。

社会の理不尽に磨耗され、何を言われても笑顔を貼り付ける毎日の中で、そんな自分に強い嫌悪感を覚え、次第に自己防衛のため仮面の自分と本来の自分の区別がつかなくなってしまっていく。

本来の目的を見失いかけていたけれど、僕が本屋を始めたい1番の要因は、同じような気持ちを抱えている人に「本」を通して、少しでもこの世界を生き延びてほしいからだ。

本を開けば、同じような悩みを持った主人公や、失敗や絶望を繰り返す登場人物が多々現れる。
事前に地雷を踏みまくっている先人たちから、ここは踏まないほうがいいと教えてもらえる。

「北風と太陽」という有名な童話があるけれど、本はそのどちらの役割も担ってくれると思う。

このままじゃ駄目だ、前に進もう、と追い風になってくれる「北風本」
このままでいいよ、自分のペースで、と優しく照らしてくれる「太陽本」
どちらが良いなんてその時々によって違うし、ビジネス書が熱苦しくなってきたら小説を読めばいい。1冊の小説すら読めないほど憂鬱な時は、詩歌をめくるだけでもいい。

精神を安定させる手段が他にあるのなら、本を読まなくても良いと思う。けれど、本は自分と対話をするツールとして最適だと思う。
「本を読まないと言うことは、その人は孤独ではないと言う証拠である」という太宰治の格言があるが、自己対峙は1人の時にしかできない。

こうやって今文章を綴っているのも、これを読んでいる「あなた」に届いて欲しい気持ちもあるけれど、普段漠然と思っている事を言語化して、これからの僕自身に向けても書いている。

世間は面白おかしい「嘘」でエイプリルフールを盛り上げているのに、僕だけこんなに暗い文章を書いてしまってとても申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
(そもそもエイプリルフールで嘘をついて良いのは午前中までらしいし、執筆時点で日付をまたいでしまった。)

人を笑わせるため、傷つけないための「嘘」はついても、見栄や去勢を張るための「嘘」はつかないようにしようと改めて誓った。
せっかく人一倍「恥」をかいてきたのだから。

ここまで書き終えて帰宅すると、明日捨てようとベランダに出しておいた「燃えるゴミ」が猫に食い荒らされていた。
一昨日の文章の最後の一文が「猫の手も借りたい」だったが、この猫の手は借りたくない。



※明日からは通常通り、本に関する発信を続けていきます。最後までお読みくださってありがとうございました。

毎日短歌 
今日はお題を2ついただいたのだけれど、僕が19歳の悶々とした日々を過ごしていた時に救われた枡野さんの短歌を掲載することにします。

「元気です」そう書いてみて無理してる自分が
いやでつけくわえた「か?」

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