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それ無駄ですよ。デザイン学生の皆さんへ。

インテリアデザイン事務所代表の前田と申します。いま、学生の皆さんは夏休みが終わり、後期が始まっているところでしょうか。 今回は、タイトルにあるように、【無駄】をあげてみました。私の会社には、専門学校を卒業して、新卒で入ったスタッフがいます。現在2年目。とても優秀で図面もサクサク。イメージパースなんかもどんどん描き進めてくれている、とても頼もしい存在です。そんな彼女を見ていて、

『えーっ!まだそんな事やってるのー?!』

と思うところがあったので、その中で【無駄と思うTOP3】 というかたちでまとめてみました。Youtubeにもアップしているので、ぜひご覧下さい。

【無駄と思うTOP3】

を、ご紹介する前に。
私自身もインテリアデザインの専門学校を卒業しました。もう17年前の話しですね。いまではOBとして、講演によんで頂くこともありますが、私自身、当時は優秀な学生でもなく、全く普通の学生でした。 (むしろ、できない方。。。) クラスメイトが非常に優秀な人達で、互いに刺激し合いながらデザインという部分に触れていた気がします。

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↑2020年の卒業生に向けての講演

インテリアデザインを学んでいる訳ですから、基本的にはこの分野はデザイン会社に進むことが、本来の存在意義な学科だと思います。が、実際はその分野へ進む人はほとんどいません。そして、さらに卒業して数年後には、ほぼ全員が別の道へ進み、デザイン業務を学生のうちから継続して行っている人は、ひとつまみ。です。では、なぜそうなるのでしょうか?? 職場で活かせることを、学校が教えてくれているんじゃないのー?と思うと思います。 何が言いたいかと言いますと、

学校で習ったこととのギャップが大きい。

と、いうことです。その結果、会社に入ると余計にしんどい思いをし、辞めてしまう結末となります。 2年間で大金を払ったのに。。。 もちろん、役立つこともありますが、そこをもっと深堀しておくことでより価値ある学生生活になると思いますので、そのような視点で見て頂けると嬉しいです。

では、早速。

第3位 カラーチャート

B5くらいのサイズで、ちょっと分厚い色紙みたいなヤツです。 あれ、高いくせに授業でも一回しか使うことないんですよね。さらに、仕事しだすと、1回も出番はなく、そしてさらに、色などを決める時は、別のものを使います。せっかくお金だして買うので、その後も使えるやつを勧めるべきですよね。 実際使うものは

a : 日塗工業(日本塗料工業)
↑業界では略して、''にっとうこう''と呼びます。 日本の塗料全体の60-70%くらいはこの日塗工から選ばれているような気がします。(感覚の数字です)

DIC ''でぃっく''
↑a: 日塗工業に比べて、より細かい色設定がされており、【日本の伝統色】【フランスの伝統色】など、テーマに分かれているのも特徴。 色の一つ一つに品番だけでなく、説明も書かれているのが非常にポイント!

パントーン
↑ 世界で最もの有名なカラーチャート。しかし、インテリア業界(空間)においては、あまり使うことは少ないですが、ファッションやグラフィックデザインではよく使われます。 

インテリアデザインの業界において、色味を決める時は塗装の色番号を決める時です。なので、この教材のようなカラーチャートは使うことがないので、学生の段階から上記のようなものを使って授業することによって、実践ですぐに役立ちます。

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第2位 製図(手書き)

『誰がいまどき、会社で手描きで図面を書くんですかー!』 と言いたい。もちろん、基礎が大事なのはわかるのですが、1枚仕上げるのに、授業時間、結構かかっているはずです。そして、製図の対象物件は私が学生の時からアップデートされていない、安藤忠雄さんの『住吉の長屋』w 。結局、新入社員を入れる立場からすると、なるべく早く即戦力になってくれる存在が一番有難いので、手書き製図に時間を費やすなら、CADをもっと学校で教えてほしい。と感じています。

一方で、手書きのスキルを磨くなら、イメージパースなどのスケッチを描ける方が何倍も役に立ちます。個人的にはホテルなどに泊まった時に、全体のレイアウトなどを平面図のようにスケッチしていますが、SNSなどでよく好評価を頂いております。笑 なので、手書きというよりスケッチを伸ばした方が役に立ちます。

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↑ニューヨークで泊まったエースホテル。

第1位 Vectorworks 3D

コレには声を大にして言いたい! かなり無駄です!!! 今すぐやめて、Sketchupをはじめてください!そこまで言うとVectorworksを否定するように聞こえてしまいますが、そうではなく、Vectorworksの良い点は別にあり、3Dは別のソフトを教えるべきなんですよね。なぜならば、

めっちゃ遅い。(操作が)

Vectorworks とすれば、アップデートされているようですが、それはどちらかというと、BIMという少し別の考え方が主のようです。そもそも、世界でVectorworksを使っている国は日本くらいです。笑 それ以外の国は、AutoCADです。日本て結構、なんでもガラパゴス化されていて(島国だから?) 独自の文化なんですよね。(※Vectorworksの開発国はアメリカ) 実際に、私がニューヨークで働いていた時は、使っているCADを尋ねられると、ベクターワークスと答えると、『はっ?何それ?』くらいな感じで驚かれるくらい。 ただ、2Dの図面は色が付けやすく、プレゼンテーションしやすい。これは、AutoCADよりも非常に優れている点だと思います。 しかし問題なのは、実際に仕事で使っている操作を学校で教えてもらっていない!!!特に、


  a : シートレイヤーの操作 

  b : 平面(2D)の家具などに対する、色表現

  c : ハッチング設定


あとは、そもそもの【家具の構造】など。←コレを知らないと図面はかけない。。とにかく、ベクターワークスの3Dは無駄すぎてやばい。 いますぐやめて、Sketchupを勉強しましょう!実際に、私たちがどうのようにVectorworksを使っているのかを操作画面を見せながら説明しておりますので参考にしてください

↑ 弊社デザインしたカフェのCADデータを画面収録で説明しています。

【まとめ。】 改めて、なんでそれを学んでいるのか?

好きなことを学ぶのは当たり前ですが、その先には、そのスキルで働く。ということ。= (イコール)お金を稼ぐ。(給料を貰う)に繋がります。 となると重要なのは、

会社に求められる存在でなければならない。

会社からすると、即戦力であることに越したことありません。ようは、【教える時間が少ない方が有難い】と言うこと。上司や先輩は、新人の人達よりも、もっと重要な仕事をしています。教える時間が長くかかってしまうと、より手間も増えてしまい自分への負担が大きくなってしまうのです。なので、学生のうちから【意味ある知識】を持つことが非常に重要となります。

そのために必要なこと。

実際のデザイン会社に話を聞くのが一番です。さらに募集をしていたら、インターンをさせて貰うのが手っ取り早い。 その中で、『ソフトは何を使っているんですか?』 『学生のウチにやっておいた方が良いことは何ですか?』などの質問をしてみることです。 早くそれが実行できればより、価値ある学生生活がおくれると思います。会社に聞く時は、礼儀を忘れず、相手の立場になって問い合わせしてみてくださいね。 基本的には忙しくしているので、すぐに対応は難しい場合が多いと思います。私自身は自分の経験から、誰かの役に立てることがあるのであれば、そんない嬉しいことはない。と考えていますので、ぜひ、この記事やYouTubeなどを見てくれた学生の方々、何か将来的のことに対して疑問点や悩みなどあれば、気軽に問い合わせしてください。このYouTubeコメント欄に質問など自由に送ってくださいね! 皆さんの有意義な学生生活を祈っています!


↑今回の内容を説明しています。ぜひ、ご覧ください!



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FURTHER Inc. - 会社紹介 -

私達は、空間デザインを軸にグラフィックやプロダクト、ブランディングまで幅広いデザイン関わっています。社名である「FURTHER」は「その先」を意味し、これまでの経験を元に「さらに先を考えるチーム」という想いを込めて設立しました。海外デザイナーとのIDEA EXCHANGEを積極的に行い、異なる文化や思考から《NEW》を生み出しています。国内と海外の障壁をコミュニケーション力とデザイン力で解決し、より価値のある空間を提供できるように奮闘しております! これから、少しづつ日頃の活動などをUPしていきますのでぜひご覧ください!

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