デジ庁の要請って、J-LISの認証業務に関する法律が根拠法なの?

Twitterで、デジ庁の富士通ジャパンに対する要請の根拠法がJ-LISの認証業務に関する法律じゃないかという見解を出す方がいて、なんか違うんじゃないかと思ってリプしたら、リプ返してくれて、詳しく聞こうと思ったら、「適切」で法律条文検索したら出てくると言われたので、調べた。。。
Twitterの元になったリプライはこちら
https://twitter.com/kis/status/1659162436673613825?s=61&t=RVwbC_lyfBiV7NW1IOaRjQ

以下が調べた結果

岸田さんのアドバイスに従い、岸田さんが参照した二つの法律について「適切」で検索し、各条文を本件の根拠法となるか確認した。
「本件」は「コンビニ交付関連の不具合でデジ庁が富士通Japanに対して出した要請」のことで。

ー------デジ庁設置法ー------
「適切」の検索結果なし

ー------電子署名等に係るJ-LISの認証業務に関する法律ー------
検索結果、「適切」は14か所で、8個の条文で発見。条文ごとに条文本文と、本件にかかわるかどうかの私のコメントを記載。
結論的には本件はこの法律の範囲外。
以下詳細な内容
ー-----その1ー-----
ー--条文ー---
(個人番号カード用署名用電子証明書に係る署名利用者符号の適切な管理)
第四条 個人番号カード用署名用電子証明書の発行を受けた署名利用者は、主務省令で定めるところにより、当該個人番号カード用署名用電子証明書に係る署名利用者符号の漏えい、滅失及び毀損の防止その他当該署名利用者符号の適切な管理を行わなければならない。
ー--コメントー--
マイナカードの持ち主の義務なので、本件と関係なし

ー-----その2ー-----
ー--条文ー---
(移動端末設備用署名用電子証明書に係る署名利用者符号の適切な管理)
第十六条の三 移動端末設備用署名用電子証明書の発行を受けた署名利用者は、主務省令で定めるところにより、当該移動端末設備用署名用電子証明書に係る署名利用者符号の漏えい、滅失及び毀損の防止その他当該署名利用者符号の適切な管理を行わなければならない。
ー--コメントー--
マイナンバーカードを用いてスマホに電子証明書をいったん登録した人の義務なので、本件と関係なし

ー-----その3ー-----
ー--条文ー---
(個人番号カード用利用者証明用電子証明書に係る利用者証明利用者符号の適切な管理)
第二十三条 個人番号カード用利用者証明用電子証明書の発行を受けた利用者証明利用者は、主務省令で定めるところにより、当該個人番号カード用利用者証明用電子証明書に係る利用者証明利用者符号の漏えい、滅失及び毀損の防止その他当該利用者証明利用者符号の適切な管理を行わなければならない。
ー--コメントー--
マイナカードの持ち主の義務なので、本件と関係なし

ー-----その4ー-----
ー--条文ー---
(移動端末設備用利用者証明用電子証明書に係る利用者証明利用者符号の適切な管理)
第三十五条の三 移動端末設備用利用者証明用電子証明書の発行を受けた利用者証明利用者は、主務省令で定めるところにより、当該利用者証明利用者の移動端末設備用利用者証明用電子証明書に係る利用者証明利用者符号の漏えい、滅失及び毀損の防止その他当該利用者証明利用者符号の適切な管理を行わなければならない。
ー--コメントー--
マイナンバーカードを用いてスマホに電子証明書をいったん登録した人の義務なので、本件と関係なし

ー-----その5ー-----
ー--条文ー---
(認証業務情報の安全確保)
第四十四条 機構が署名用電子証明書発行記録(個人番号カード用署名用電子証明書発行記録及び移動端末設備用署名用電子証明書発行記録をいう。次条において同じ。)、個人番号カード用署名用電子証明書失効情報、個人番号カード用署名用電子証明書失効情報ファイル、移動端末設備用署名用電子証明書失効情報及び移動端末設備用署名用電子証明書失効情報ファイル並びに利用者証明用電子証明書発行記録(個人番号カード用利用者証明用電子証明書発行記録及び移動端末設備用利用者証明用電子証明書発行記録をいう。次条において同じ。)、個人番号カード用利用者証明用電子証明書失効情報、個人番号カード用利用者証明用電子証明書失効情報ファイル、移動端末設備用利用者証明用電子証明書失効情報及び移動端末設備用利用者証明用電子証明書失効情報ファイル並びに特定利用者証明検証者証明符号(以下「認証業務情報」という。)の電子計算機処理等を行うに当たっては、機構は、当該認証業務情報の漏えい、滅失及び毀損の防止その他の当該認証業務情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
2 前項の規定は、機構から認証業務情報の電子計算機処理等の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。
ー--コメントー--
ー-義務の内容に関するコメント
「その他の当該認証業務情報の適切な管理のために必要な措置」が今回の件に合致するか?
ここで規定しているのは、”署名用電子証明書”と”利用者証明用電子証明書”に対する
発行、失効関連の情報の管理と証明書を使った認証業務について
漏えい、滅失及び毀損の防止と、当該認証業務情報の適切な管理
について規定している。

簡単に言うと、認証までを規定しているので、認証後の処理である本件は対象外

ー-義務を負う人に関する記述に対するコメント
機構から認証業務情報の電子計算機処理等の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者の義務で、今回は自治体からの委託で構築したシステムという事を考えると違う。

ー-----その6ー-----
ー--条文ー---
(署名検証者等による受領した署名用電子証明書失効情報等の安全確保等)
第五十条 第十八条第一項から第五項までの規定により保存期間に係る署名用電子証明書失効情報、保存期間に係る署名用電子証明書失効情報ファイル、特定署名用電子証明書記録情報、対応署名用電子証明書の発行の番号又は対応証明書の発行の番号の提供を受けた署名検証者等がこれらの規定により提供を受けた保存期間に係る署名用電子証明書失効情報、保存期間に係る署名用電子証明書失効情報ファイル、特定署名用電子証明書記録情報、対応署名用電子証明書の発行の番号又は対応証明書の発行の番号(以下「受領した署名用電子証明書失効情報等」という。)の電子計算機処理等を行うに当たっては、当該署名検証者等は、受領した署名用電子証明書失効情報等の漏えいの防止その他の当該受領した署名用電子証明書失効情報等の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
2 前項の規定は、署名検証者等から受領した署名用電子証明書失効情報等の電子計算機処理等の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。
3 第二十条第一項の規定による回答又は同条第五項の規定による特定署名用電子証明書記録情報の提供を受けた署名確認者が同条第一項の規定により受けた回答又は同条第五項の規定により提供を受けた特定署名用電子証明書記録情報(以下「受領した回答等」という。)の電子計算機処理等を行うに当たっては、当該署名確認者は、受領した回答等の漏えいの防止その他の当該受領した回答等の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
4 前項の規定は、署名確認者から受領した回答等の電子計算機処理等の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。
ー--コメントー--
失効情報に関する記載なので、本件とは関係なし

ー-----その7ー-----
ー--条文ー---
(利用者証明検証者等による受領した利用者証明用電子証明書失効情報等の安全確保等)
第五十一条 第三十七条第一項から第三項までの規定により保存期間に係る利用者証明用電子証明書失効情報、保存期間に係る利用者証明用電子証明書失効情報ファイル又は対応利用者証明用電子証明書の発行の番号の提供を受けた利用者証明検証者がこれらの規定により提供を受けた保存期間に係る利用者証明用電子証明書失効情報、保存期間に係る利用者証明用電子証明書失効情報ファイル又は対応利用者証明用電子証明書の発行の番号(以下「受領した利用者証明用電子証明書失効情報等」という。)の電子計算機処理等を行うに当たっては、当該利用者証明検証者は、受領した利用者証明用電子証明書失効情報等の漏えいの防止その他の当該受領した利用者証明用電子証明書失効情報等の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
2 前項の規定は、利用者証明検証者から受領した利用者証明用電子証明書失効情報等の電子計算機処理等の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。
3 特定利用者証明検証者が特定利用者証明検証者証明符号の電子計算機処理等を行うに当たっては、当該特定利用者証明検証者は、当該特定利用者証明検証者証明符号の漏えい、滅失及び毀損の防止その他の当該特定利用者証明検証者証明符号の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
4 前項の規定は、特定利用者証明検証者から特定利用者証明検証者証明符号の電子計算機処理等の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。
ー--コメントー--
失効情報に関する記載なので、本件とは関係なし

ー-----その8ー-----
ー--条文ー---
(苦情処理)
第六十二条 機構及び市町村長は、この法律の規定により機構及び市町村が処理する事務の実施に関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。
ー--コメントー--
J-LISと市区町村長の義務なので、本件と関係なし

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