なぜ草龍戦を開催するのか

皆さんお疲れ様です。草龍戦の大会長です。

先日、「第0回草龍戦」の次回大会である「草龍戦 2nd」の開催を発表しました。特に実績もなかった僕が2度に渡り競技クイズの大会を開催することができたのは、ひとえに皆さんのおかげです。ありがとうございます。
今回は2回の草龍戦を開催する上で大切にしていることを、大会長のこれまでのクイズ歴を踏まえて話したいと思います。

※まとまった文章ではありません。また、有識者目線だとかなり的外れなことを言っているかもしれません。お手柔らかにお願いします。

そもそも僕が競技クイズの大会を開こうと思ったきっかけは、大学4年生の冬頃に作ったabc対策の問題がMutius内で評価されたことです。大学4年の終盤にして、自分の作る問題に需要があることが分かったのです。しかし大学を卒業すると大学時代の同期・後輩たちのために企画をするのは難しくなってしまう。だったらいっそ大会を開いてしまおう。そうして生まれたのが草龍戦です。
そのときはどのような大会にするかは考えていませんでしたが、そこから参加人数を少なくする代わりに2日間開催し紙落ちを無くした大会という構想が徐々に出来上がってきました。

ここ数年、競技クイズはレベルがどんどん上がっていることを感じます。紙抜けするために要求されるレベルも高くなり、そのレベルに到達するために多くのプレイヤーが相当な努力を重ねる。その努力量が高い人たちが48枠に入ることができる。今では48枠に入るためのボーダーがかなり高くなっています。

実力がある人や多くの努力を重ねた人こそ報われるべき、という考え方はクイズに限らず多くの競技における真理だと思います。
ではその48枠にすら入れなかった人は努力不足なのでしょうか。

僕は「紙抜けできない人」=「努力不足の人」とはどうしても見なしたくないのです。
少し僕の大学時代の話をします。
僕がクイズを始めた2020年は新型コロナウイルスの流行がちょうど開始した時期。他大生だった僕は長らくサークルの対面活動に参加することができなかったのです。活動に参加することで得られたであろうテクニック、知識、座学のモチベなどを得られないまま学生生活が終わりました。最後のabcでは4択落ちで終了です。

サークルに行けないという状況で貴重な学生クイズ時代を送ってきましたが、僕は奇跡的に今もクイズを続けています。今でも続けられた理由はクイズをする中でたくさんの素敵な出会いがあったから、そしてクイズがあまりにも楽しかったからです。
こんな珍しいクイズ人生を送ってきた僕だからこそできることは、環境や実力に関係なくできるだけ多くの人がクイズを楽しめる場を作ることではないかと思いました。

「紙抜けできない人」には様々な人がいます。コロナの影響で活動や大会に行けなかった人。自分の大学にクイズサークルがなく活動に参加する機会が少なかった人。学業やバイトが忙しくクイズに割く時間が作れない人。社会人からクイズを始めたことでレベルの高い大会にしか参加できない人。そもそも紙抜けを目指しておらず、フリバなどをゆるく楽しみたい人。
僕はこれまでのクイズ人生ですべて実際に目にしてきました。

僕は紙落ちのある大会が好きです。レベルの高い真剣勝負をみんなで観戦したり、これまで紙抜けできなかった人がペーパーを通過しみんなで喜んだり、客席から拍手や声援を送ったり。普段一緒にクイズをしている人たちのかっこいいところが見られます。
しかし競技クイズのレベルが高くなっている今だからこそ、「普段は紙抜けできない人」たちもボタンにつける大会がもっとあってもいいのではないか。観客からの拍手を受けながら壇上でクイズをする体験を、もっと気軽にできる大会があってもいいのではないか。こうした気持ちから生まれたのが紙落ちのない草龍戦です。

僕は草龍戦を通じて、かつての僕のように恵まれない環境で頑張ってきた人に「やっぱりクイズは楽しい」と思ってもらいたい。いつか紙抜けできるように努力している人の背中を押したい。そしてこれまでの戦績や実力に関係なく、それぞれのプレイヤーにとってのかっこいい瞬間を作りたい。
そのために紙落ちがない草龍戦を今後もシリーズ化していく予定ですし、一問一問しっかりと作問をしたいと思います。僕の作った問題が誰かのクイズ観に良い影響を与えることができたのなら、こんなに幸せなことはございません。

長くなりましたが「草龍戦 2nd」、是非お楽しみに。


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