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デットとエクイティへの投資に対する理解

こんにちは。
本日は、デット(負債)とエクイティ(資本)それぞれの投資に対する考えというか個人的に理解について書いてみたいと思います。

投資をするというのは何かしら資金を投入する行為を指すと思いますが、大別するとデットでの資金投入とエクイティでのそれにできるかと思います。

一番大きな違いとして、世間一般的に言われていることは、デットには返済義務があり、エクイティには返済義務がないということです。エクイティは返済義務がない代わりに、投資家に会社で最も重要である株式を保有してもらうということで、それが大きな違いです。
当然ですが、株式を保有されると会社の意思決定に関わることができます。一方で、デットの場合は、負債を有していても会社の意思決定を携わることはできません。

それでは、それぞれについて考察していきます。

デット(負債)での投資(調達)について

とても基本的なことですが、会社側からすると負債での資金調達を行うと、決められた利息を払う必要があります(元本を少しずつ返済するケースもあり)。投資する側からすると、一定の金額を負債の形で投資すると利息を受け取ることができるということになります。

先ほど記載したように、デットには返済義務があり、エクイティにはないとすると資金調達する側からすると、エクイティの方がいいという考え方が生まれそうですが、実際にはエクイティの場合の投資家の要求利回りはデットのそれよりも高いことが多く、一長一短です。

では、デットでの資金調達(投資家側からすると投資)を検討するにはどういったことが必要でしょうか?
一義的には、レバレッジがきちんと効くかということになります。

例えば、経営者が100万円の投資で設備を整備し、毎年10%の利益を生むビジネスを見つけたとします。しかも安定的にそれが達成できるとします。
すると経営者は、毎年10万円の利益を獲得できます。
その場合、1,000万円をデットで資金調達し、設備投資を行なった場合、1,100万円かけた設備で、毎年110万円の利益が生まれます。
1,000万円のデットの利率が5%の場合、支払う利息は50万円になりますので、65万円が利益となり、当初の10万円よりも大きな利益を上げることができるようになります(設備投資等に伴う各種コストは一旦無視!)。

経営者側からすると、規模の拡大が利益の拡大につながります。
投資家側からすると、ただ国債(これもデットですが・・)に預けるくらいなら、安定しているビジネスにデットで投資をすると、毎年5%稼げるということになります。

つまり、投資する側からすると、そのビジネスの蓋然性、再現性、それに伴う返済能力が非常に重要な投資検討項目になります。銀行などの金融機関はそれだけでは物足りず、担保を要求することもしばしばです。

エクイティ(資本)での投資(調達)について

一方のエクイティでは、返済義務がないものの、調達する資金と引き換えに株式を放出する形となります。
一定の株式比率を保有すると、会社法上で定められた権利を投資家が有することになるので、株式比率を維持するということが会社側からすると非常に重要になります。

会社側からすると返済義務のない資金を投資するということで、エクイティに投資するのは非常にリスキーです。
その代わりに、会社が大きな利益を上げた際には、大きなリターン(配当であったり、株価の上昇であったりします)を投資家は手にすることができます。

ということで、エクイティでの投資に関して最も検討されるポイントは、そのビジネスが大きく成長する可能性があるかどうかです。
デットに比べると、リスクもリターンもより大きくなりますので、投資した資金を回収できないというリスクを許容できるリターンを常に考える必要があります。

デットとエクイティという違いを適切に理解しないと自分がどんなリスクを取るのかわからない

見てきたように、デットとエクイティは同じように資金を投入するにしても大きな、大きな違いがあります。
事業を判断し、会社の状況を整理し、投資検討をするという一連のプロセスは似通っているので、勘違いしやすいですが、全くの別物です。

エクイティ投資の中でも、それが新興企業のものであるならば、判断はより難しいものになります。
特に、これから何かを生み出していく企業の場合、そのビジネスは顧客に受け入れられるのか、市場の拡大は本当に起こるのか、マネジメントチームはその体制を構築することができるのかなど、未確定事項が多すぎて判断を下すのも一苦労だと察します。

一方で、検討事項が多すぎる故にか、検討するべきポイントを誤る投資家が多いのも事実です。
先ほど記載した安定的なビジネスのようなそのビジネスの安定性やフィージビリティを延々を検討したりする方もいます。つまり、デット投資を考える際に必要な項目をエクイティ投資で検討し、結果としてエクイティ投資を検討する上に必要な項目の検討を怠るということが起きがちです。
投資検討は非常に骨の折れる作業であることは理解できますが、一方で、自分の取るべきリスクは何かを理解しなれば、良い投資家になれないのも事実です。
新興企業の新規ビジネスに対して、デットの観点での投資検討を行うと、おそらく投資イップスになり、一度も投資できないでしょう。
リスクはリスクではありますが、エクイティの場合、その分より高い要求利回りを求めます。
つまり、そのリターンに合致するリスクは何なのかを明確にする必要があると思います。

まとめ

物事の判断には、構造的に物事を捉え、仕組みを理解し、その上で判断することが重要です。
今回は、デットとエクイティでの投資について書きましたが、コレクタブル投資においても同じことが言えます。
自分の取っているリスクとそれに見合うリターンは何なのかを正確に把握しないまでも、大枠を適切に理解し、ポートフォリオを管理する必要があります。
Altable(https://altable.jp/)では、そうしたコレクタブルアセット投資に関わるリスクとリターン、投資判断に役立つ情報を発信していきますので、今後もどうぞよろしくお願いいたします!

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