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失敗できない結婚式ビデオ制作#03

大学を卒業して携帯電話の基地局に入るシステムの開発を6年やったけど
残業しないと稼げないまま、ジリ貧で転職はつねに考えていた。

子供の頃から絵が好き、くらいのしょぼい理由で
父のパソコンで絵を描いたり色々作ったりして
大学で就職を考え始める頃からは、WEBサイトを勉強をして
大学の研究室とか就職先の会社内用の
簡単なサイトを担当したり
ペンタブなど環境を整え始めたりして
友達の結婚式の似顔絵を描いたり、
ビデオを撮影して編集したりしてた。

その延長でデザインの仕事に転職したくなって
伝手で広告写真のレタッチの話を聞いたり
ポートフォリオを作って色んなデザイン会社を受けたりした。
けど分野の違う転職はほとんどうまくいかず
結果として結婚式を主に扱うデザイン会社で働くことになるが
その直前で良い経験であり冷や汗した経験になったのが
友達の結婚式の二次会ムービー制作だった。

新郎が大学の友達で、新婦が服飾デザインを
やっていたこともあって
色々と派手なことをやりたい、そこに協力する形で
ウェルカムボードと二次会幹事、オープニングムービーと
途中のおめでとうVみたいのとエンドロール
二次会の映像系を全部担当した。

こういう映像系はいっぱいあると
当日ただ映像みてるだけというか
本当は新郎新婦と友人といろんな話をするのがいいんであって、
ただ映像みてるだけならなぁ、との思いもある

が、前記事のヤンキー結婚式もしかり
やっぱり派手なことをやりたい=目立ちたい=すごい場作り
今回は服飾デザインの発表の場でファッションショーをやると
新婦はモデルのメイクをしつつ、
自分もドレスで出演するファッションショー
エンターテイメントにしたい、というようなことだった

ファッションショーをやるにあたって
新婦知り合いのプロデューサーみたいな人に会いにいった
新しく出店したというクラブに招かれた
サーファーみたいな人だ、プロデューサーファーだ

この辺から、いよいよ大きな話になってくる

結婚式は表参道の裏手、近くで
ファッションショーができるような
舞台と幕とキャットウォークできそうな場所を探す

何ヶ所か見に行き、そのプロデューサーファーも連れていって
アタリを撮ったりする

結婚式は自分も参列して
披露宴の終了後から、カメラを回して新郎新婦を追いかけて
二次会会場に到着するカット
ファッションショーに向けメイクするカット
その後ダイジェストを挟んで、
新婦とモデルの登場スタンバイカット
幕が開くまでのカット
と同時にショーがスタート、実際に幕が開いてスタート、
という流れが決まる

事前に、衣装を借り、場所を借りて
直前の、スタンバイして幕を開くカットを撮影しておく

当日は、会場に着き、メイクシーンまでを撮影し
その内容を繋いで、撮影済の幕が開くカットへ
繋げて完成となる。

会場到着から二次会開始まで二時間弱
その頃は大した経験もないため大体で、
ギリギリかな、くらいの見積
かなりドキドキ
ライブペイントをするような、時間に追われながらの制作

これとは別に、似顔絵ウェルカムボードを作る
二次会の進行を決める、司会と打ち合わせする
おめでとうV撮影、つくる
エンドロール作る

ほんとこれを費用に換算なんて出来ない
どう考えてもペイしない
こーゆーのは仕事じゃない
気持ちであり協力でありコラボレーションだ

前日

機材を持ちこんでおく
当時MacBookProがなく、車でiMacを持ち込む

当日

式からの参加
はじめて壇上で署名をする
今日は二時間が本番のため
披露宴ではお酒は飲まず
写真とかビデオとか撮りながら過ごす

披露宴が終わる

新郎新婦退場の少し後についていき
ビデオ撮影
列席者見送りとかをやって息つく暇もなく
荷物持って会場を後にする
新郎新婦を、
ものすごい数の会場スタッフが整列して見送ってくれる

がその後ろを撮影しながら追い掛ける自分
一緒にタクシーに乗り込む自分
車に乗ってからも見送られる新郎新婦プラス自分
風船とか飛んでる

タクシー社内からの風景
新郎新婦にコメントもらいつつ
外は表参道のきらきらした街並み
そこから原宿青山方面の細い道へ

意外とこの辺は、車だとせまいくらいに細い道が多い
ロケハン時は自分が、ギリで切り抜けた道も
タクシーの運ちゃんは行ってくれない
遠回りして道を探す

時間が過ぎてゆく

二次会開始まで二時間を切ってる

会場到着

まずは自分がおりて、新郎新婦の降りるカットを撮影
会場外観、ウェルカムボードをなめる
半地下におりるように建物へはいる

と、ここまで撮影し、自分はこれまでの撮影素材を
パソコンへ取り込み編集を始める
短カットで撮ったつもりだが、素材は30分近く
記録用に撮った式や披露宴の様子もある
どうせならダイジェストを作って入れたい

なかなか大変だなー思いながら編集を始める
記録用のカットは長いのでバサバサ切る
まずは主要シーンだけにするのと
列席者のリアクションカットをいくつか残す
披露宴後からの移動は、会場スタッフの見送りとかすごくて
みんなテンションめちゃくちゃ高くて
いい絵になってる

残り1時間をきる

参加者が受付を始める

メイク道具、キラキラした照明
口紅、ほほを筆がなぞる、
羽根が顔を出す奇抜なヘアメイク
メイクする手元、それは新婦
派手な衣装、高いヒール

を撮影した素材を取り込む

はずだった

カメラのバッテリー切れ
式とか披露宴とか、調子に乗って撮影しすぎたかな
まあ充電して取り込めばよい

が充電ケーブルがない

カメラは新郎新婦が用意していたが
バッテリー切れは想定してなかったらしく
持ってきてない

残り30分

会場に入り込むところまでと、事前に撮影した
ファッションショースタートのカットをつなぐ
だいぶ荒いけどもう時間がない

ひと通り準備が終わったら司会との最終打ち合わせ
裏ではプロデューサーファーがショーの打ち合わせ
モデルは全員集まるのは初めてで
立ち位置とか順番とか
細かい指示を出すプロデューサーファー

かっこいいプロデューサーファー

そしていよいよ照明を落とす

ムービー上映開始

パソコンはプロジェクターと直接つないでる
書き出したムービーをプロジェクターへドラッグして再生、
この辺もっと考えておけばよかった

GW、梅雨前の鮮やかな青空から表参道の式場が映る
ダークウッドを基調としたおしゃれな式場
会場スタッフのアーチをくぐる
風船が上がる
二次会会場へ到着し、式や披露宴のフラッシュバック

そして暗くなる

幕に映し出されるシルエット
孔雀のような頭とウルフカット、ドレスの二人
歓声とともに幕が開く

同時にスクリーン後ろで開く幕

ショータイム

絶対失敗できない結婚式ビデオ制作

結果的に、二次会はそれはそれは盛り上がった
ここもお金の管理とかもあるから
お酒を飲まず、終始いろいろ、ビンゴとかの対応

二次会が無事幕を閉じると、やっと自由に慣れた

三次会は多分泣いた

そして飲み過ぎた

記憶がない


これを経験したから、
その後の当日エンドロールの仕事ができたと思う

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