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王子君、ついに外に出る権利を得る!

先日、ちょっと触れましたが、昨年の8月13日に我が家にやってきた、セネガルパロットの王子君が、外に出るようになりました。

彼は、手乗りインコではないので、普通に考えれば、かごの鳥さんです。人の手が怖いのですし、人と遊ぶという経験もない状態で、我が家に来ました。
相方が聴いた所では、お店では、彼に手からひまわりの種をあげて、慣らすというトレーニングを始めたところだったそうです。人慣れした子なら、お迎えもされやすいですからね。

相方は、自分がアフリカンのズアカハネナガインコたちに好かれていることに気を良くして、同じアフリカンの王子に興味を持ったようです。根気よく慣らせば、案外いい子になるように思っていたんでしょう。

ただ、どうも最近の相方には根気が足らないところもあって、手乗りでないことは重々わかって迎えたのに、王子が自分を怖がることに苛立つようになりました。
スタートの段階で、人の手に対する恐怖心があるかどうかは、とても重要です。人の手で育ててもらってない王子にとって、人の手は、自分を捕まえては、怖いことをする存在なのです。

私は、縁があって我が家に来た王子が、安心して暮らしてくれればいいので、ともかく名前を呼んで、怖がらせないように世話をすることを心掛けていました。それは、今も続いていますが、ね。
手乗りではない分、世話の時間も、短くて済みます。それは、後に続くピポナたちにとって、自分たちの遊ぶ時間が増えることを意味します。だから、王子の存在は、それほど目障りでもなかったのです。

そのうち、私が名前を呼ぶと、王子が返事をするようになりました。話しかけると、応えたりもします。相方は怖いようで、そういうコミュニケーションはないらしいのですが。だんだん、「王子、おはよう!」とか声をかけると、「ピヤッ!!」と、かわいい声を出すようになりました。そうなると、かわいいので、あれこれ話しかけるようになりました。それにも、反応するので、「あんた、頭いいねぇ💖」なんて、褒めたりしていたのです。

やがて、彼を世話していると、王子がかごの中でそわそわして、私の顔を観て、何か訴えるような雰囲気を出すようになりました。世話が終わっても、悲し気に不満そうに私を観て、時には叫んでみたりします。

もしかしたらとは、思っていました。

我が家の子たちは、7割くらいは手乗りインコで、必ず毎日外に出て遊ぶ時間があります。中型インコは、王子以外はみんな手乗りですから、先輩たちは一日3回は最低でも外で遊ぶんです。
我が家に来た初めのころは、環境も激変しましたし、王子にも事情が分からなかったことでしょう。でも、だんだん時がたち、先輩たちは時間の長短はあるにせよ(世話をするのが誰かによって、変わるんですね。慣れ方とか好き嫌いがあるので)、必ずかごの外に出て好きなことができている。それを観ているうちに、「僕だって、この家の子だから、外に出ていいはずだ!」と考えるようになったようです。

心底人が怖い子なら、こうはなりません。ですが、王子が来て、しばらく見ていた私は、彼がとても好奇心が旺盛なうえ、仲間を欲しがる子だと気づきました。

「こりゃあ、いずれ、”外に出る!”って、言うな」

私は、そう予測していたのですが、我が家の子になって半年前後で、その予測が見事に当たったのです。

一度、世話の最中に何かのはずみに、王子がかごの外に出たことがあります。鋭く”ぴゃああ!”と叫んで。「やったぁーーー!」という感じかもしれませんね、翻訳すると。

ただ、その時は私たち(相方もその時は家にいました)も、出すつもりがなかったので、ちょっと慌てました。何しろ、手乗りではないので、ピポナたちのように彼を手で抱っこする方法は使えません。しかも、初めて外に出て、勝手がわからない王子は、あちこち飛び回った挙句、押し入れの奥に籠城してしまいました。
確かあの時は、飲まず食わずで半日押し入れにこもっていましたから、強情でもあるのでしょうが、体質もかなり強いのでしょうね。
なんとか、かごに戻した時、彼がかなりホッとしているように見えたので、”これに懲りて、もう出るなんて、言わないかな”と思ったのです。

けれど、やはり、日々ピポナたちが外に出て遊んでいるのを観ていて、王子は、自分の権利を主張するようになりました。
別に、私たちと遊ぼうとか、そういう望みがあるわけではないのでしょう。ただ、自分も外に出る資格があること、それを認めてもらうことで、この家の子なのだと自分なりにアピールしたいのでしょう。

相方は、かごに入れるときの騒動を考えて、良い顔はしませんでした。なので、すぐに、彼の願いが叶わなかったのですが、私が一人で世話をしているときに彼を出して、何か方法はないかと、模索するようになったのです。

あれこれやってみて、私が見つけたのは、彼を”王子三トンでくるむ”という方法でした。
王子三トンというのは、別にあの手袋のようなものではなく、使い古しのバスタオルをそう私が名付けただけのことです。

これは、もともとピポナの遊び道具でした。ピポナは、どういうものかタオルとか布団とかが大好きで、そこに潜り込んでご機嫌になる子なんですね。今ほど中型インコが多くなかった頃は、相方が休みの時など、ピポナをかごから出して、私の布団に彼女を放り込んで、私を起こすなんてこともやっていたのです。
このピポナが、グリーンのバスタオルが気にいって、「これ、あたしの!!」と主張するようになったんです。あまりに執着するので、やむなく人用のバスタオルを新調して、彼女に進呈しました。
その後、もう1枚グリーンのバスタオルを入手して、やはり、ピポナが気にいったので、洗い替えにも、と、これまた彼女に進呈したのでした。

この2枚のバスタオルのうち、古いほうを王子用にしたんですね。

あまりにも王子を追いかけまわしていれば、結局は恐怖心を植え付けるだけのことです。それは決していいことではない。それで、彼にバスタオルをかけて、それごと彼を包んで、かごの入り口まで送って、タオルを外して彼をかごに入れるという方法を採ったのでした。

そこまでして、外に出す必要があるの? そうお感じになる方もいらっしゃると思います。私としても、彼が望まないのなら、出さないほうがいいと思っています。けれど、彼はこの方法で外に出られるとわかってから、私が世話をするときは、ワクワクした顔をして、戸口で待つようになったのですね。彼が望むのなら、しかも、こちらに対処できる方法があるのなら、やはり、それくらいのことはしてあげようと思うんですよ。

しかも、外に出られるようになってから、運動量が増えたためもあるのか、彼の食欲がぐんと上がりました。生活に張り合いができたのかもしれませんね。身体も一回り大きくなった気もします。

問題があるとすれば、ピポナたちの機嫌が悪くなっていることと、王子の頭が想像以上に良いことです。
王子は、私が世話を終えて立ち上がると、「まだ、帰りたくないよ~!」とばかりに、部屋を飛び回ります。また、王子三トンも覚えたらしく、私がバスタオルを持つと、「や~だぁ~!!」と逃げ回ります。飛ぶのも随分上手になったしなかなか早いので、少し時間がかかることもあります。
それが、後続のピポナたちを苛立たせるわけで、最近では王子を出すと、猛抗議の嵐です。

少しでも早く外に出て遊びたいピポナたちの気持ちもわかりますが、嬉しそうな王子の様子を観ていると、私は今のところ、彼の外遊びを取り上げるつもりはないです。
実は、このところ、王子の外出を夕方1回増やしたんです。慣れてきた彼は、自分だけ外に出るのが少ないと不満を言いはじめましてね。回数が増えたことで、王子も無茶をしなくなって、かごに戻すのもわりに楽になりました。まぁ、相方は眉をひそめてますがねぇ。私が留守の時のことを思って、困っているんでしょう。

今後どうなるかはわかりません。ただ、事故が起きないように、充分に注意して、彼も含めての生活を楽しめたら良いなぁ、と、思っています。自分の願いが叶うとわかって、彼の態度も友好的になってきました。手からひまわりは食べませんけれどね(^^;

今日は夏日でした。しかも、明日もだそうです。本日の1日の寒暖差、なんと20度!!! 本当にこの春は、なんなんでしょうかねぇ??? 皆様、くれぐれもご自愛くださいませm(__)m💕💛

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