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逝く子と来る子。

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文中に、”は? あんた、頭おかしいの?”と思われるような記述が出てきます。わからない方には、説明のしようがありませんので、どうぞ、このままスルーしてくださいましm(__)m

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先週は、落胆と喜びの交錯したことが続いた。

3月29日の夜。さて、寝るかと布団に入ったものの、オカメインコの集団が妙に、騒がしい。

とはいえ、彼らが彼らなりの事情で騒ぐことは、我が家ではよくあることだ。地震の予告か? とも思ったが、どうも様子が違う。それで、珍しく様子を観に行ったのだった。

最初は「なに、騒いでるの、あんたたちは!」とか言って、異常には気が付かなかった。それでも、彼らが落ち着かないので、注意して中を見回した。

ある地点で、私の眼が止まった。17個あるかごのほぼ真ん中のかごの中で、身体の大きな白いオカメインコの女の子が、息絶えていたのだった。

世話の折には、異常がある素振りはなかった、はずだ。ご飯も食べていた。はずである。

けれど、かごの中を観ると、食事はほぼ手付かずの状態。しかも抱きあげると、もうすっかり冷たくなって、硬直もひどかった。

急死した子は、まちこと名付けていた。我が家で育ったのではなく、大人になってから迎えた里子だった。以前も少し書いたのだけれど、飼い主さんが病気で、世話ができないからと、手放したのだそうだ。知り合いのオカメインコの専門店の店主さんからお話があって、相方とも相談のうえ、うちの子になってもらった。

もとの飼い主さんは、彼女とパートナーの白いオカメインコを、”繁殖用”に迎えたのだという。だから、彼女も連れ合いも手乗りではない。迎えて1か月ほどは、私が世話をするたびにおびえて、暴れたものだった。

オカメインコ自体、繊細で怖がりな性格の子が少なくない。きわめて、事務的な世話をされていたらしいことは、彼らの神経質ぶりからも察しがついた。

それでも、同類が多い我が家の環境に、少しずつ慣れて行ってくれた。暑い時に霧吹きで水を掛けると、気持ちよさそうにしたものだった。

推定で7歳くらい。我が家の子たちと比べて観ても、あまりにも早すぎた。

ご飯をよく食べ、いささか鳩サブレのような体型になっていたので、気がかりではあった。ただ、手乗りではないので、体重が測れない。これが、彼女の異常に気づけなかった最大の要因かもしれない。

我が家では、1キログラムまでは計量できるキッチンスケールで、愛鳥たちの体重を測る。手乗りでもあまり喜ばない作業だから、手乗りではない彼らに強要するのは、危険だった。それこそ暴れて、けがをしたり、恐怖から急死することもある。

1羽だけ、手乗りでもないのに、条件を整えると、体重計に乗ってくれる長老がいる。だが、その彼も、最近では嫌がるようになっている。若いころは、気晴らしのイヴェントくらいに思っていたらしいが、25歳近い今となっては、おっくうらしい。

閑話休題。

まちこは、晩年、私が手乗りの子たちと遊ぶのをじっと見ていた。ご飯を一通り食べた後、止まり木にとまっては、無表情に眺めていたものだった。

「あのね。かあさんと遊んでいる人たちが、うらやましかったの。だから、私、うまれかわりたくなったのね。帰って来るから、いっぱい”いいこいいこ”してね!」

まちこを送って、数日して突然降りてきた言葉だった。それを聴いて、腑に落ちた私は、やっと泣けたのだった。あまりに急なことで、感情が凍り付いていたらしい。

まちこが逝った翌日は、新入りが来た。これは、彼女が天国に帰る前から決まっていたことだった。

ズアカハネナガインコの「まり」という。今月で1歳になる、とても若い女の子だ。

まりと同じ種族のハナを迎えたお店が、セールをしているという情報をキャッチした相方は、ハードなシフトの合間を縫って、出かけた。そこで出会ったのが、まりだった。

彼女の話によれば、行くと、「わたし、待ってたの!!!」と言わんばかりのアピールぶりだったのだそうな。「この子を迎えなかったら、100年は祟られる!!!」とすら感じたというから、相当なアタックだったらしい。

まりを迎えると決めて、実際に我が家に連れてくるまでに一週間はあった。これは、相方のシフトがかなりハードだったからだが、その間、不思議なことがあった。

この記事を書いているパソコンは、ラックに乗せてある。もちろん、椅子に座って書いているわけだけれど、ひじ掛けの部分にへんな感触があるのだ。鳥が止まっていて、上下に身体をゆすっている動作を感じる。加えて、その子が相方に向けて、言っている。

「まだかな、まだかな。お迎えまだかな」

これが、我が家に迎えるまでで、相方が家にいるときは、ほぼ毎日続いた。お店で会って、”あの人のおうちの子になる!”と、固く決めたらしい彼女は、少しでも早く我が家に来たくて、”念”=生霊を飛ばしていたらしいのだ。

しかも、これが私の気のせいではないらしいことは、ピポナたちが、騒ぐことからも察しがついた。誰もいない空間に向かって、さかんに「あっちいけ! 出ていけ!」と叫んでいたのだから。

さらには、我が家に来てからの様々な呑み込みの早さが、彼女がエネルギーを飛ばして、我が家を偵察に来ていたらしいことを証明している。

ほぼ1年前に我が家に来たハナと比べても、こちらの言葉への理解が恐ろしく速いのだ。ズアカハネナガインコが、素晴らしく頭がいいことは、ハナと暮らしてみてよくわかっていたつもりだったけれど、まりの順応の速さは、頭の良さだけでは説明できないレヴェルなんですわねぇ。

まりもハナ同様、相方大好きっこになりそうな気配ですが、ハナほど私を拒絶しないので、世話もしやすいです。我が家に来て、まだ一週間とは思えないほどの存在感です。まぁ、ハナも今では、彼女なりに妥協してくれて、世話がしやすくなってますが、ね。

ハナとの昨年のいきさつを書いてあります。よろしければどうぞ。

でも、来週末旅から帰ってきたら、私を忘れていたらどうしましょうーーーー!(T_T)

そんな先週でした。30日に桜をながめながら、まちこを思ったりしたものです。

このところの雨で、桜も終わりましたね。 

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