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ビッグウェーブなリサイタル、聴いて来ました♬

先週の土曜の午後、千葉県の流山市にある、スターツおおたかの森ホールで、「石田泰尚ヴァイオリンリサイタル」を聴いて来ました。

石田さんは、現在神奈川フィルハーモニー管弦楽団と、京都市交響楽団でコンサートマスターを務めてらっしゃる、超人気ヴァイオリニスト。
加えて、ご自分で「石田組」という弦楽アンサンブルを作ってらっしゃいます。ご自身を”組長”と位置づけ、メンバーは全員”組員”です。

今年この「石田組」が、結成から10年だそうで、精力的に全国を回ってらっしゃる。と同時に、石田さんご自身もソロ活動を活発に行っていらっしゃって、私が聴いてきたこのリサイタルも、そのツアーの一つでした。

私が石田さんの音色に初めて触れたのは、数年前の京都市交響楽団の演奏ででした。川崎市で毎年夏に開催されるクラシックのお祭り「サマーミューザ」。ミューザ川崎というホールが舞台でもあるので、”サマーミューザ”なんですが、ここが地方からプロのオーケストラを呼ぶんですね。以前、仙台フィルハーモニー管弦楽団を呼んだときに、私は初めて行きました。アクセスも良いですし、ホールもとても響きの良い上質な場所です。

この仙台フィルを聴きに行ったときから3年後くらいに、今度は京都市交響楽団を呼んだんです。指揮は広上淳一さんでしたし、かつて記事にもしましたが、楽団コントラバス奏者のJuvichan(ジュビちゃん)がご出演ということでしたので、行きました。

コンサート自体素晴らしかったのですが、中でも私の耳目を引いたのが、コンサートマスターの石田さんだったんです。一度聴いたら忘れられない鋭い切れ味を持ち、圧倒的な力量でオーケストラを牽引してらっしゃる姿に、「これは、一度ソロとして聴いてみたいなぁ!」と思ったんですね。昨年の京都市響の東京公演でも、見事なコンサートマスターぶりで、ますます興味がわいたのでした。

前置きが長くなりましたが、ここから本題です。

石田さんのソロリサイタルも初めてなら、ホールも初めての場所でした。最近ではこういうことはあまりなかったので、ちと緊張気味でした。

しかも、開場時間が近づいてきて、ホールのロビーで待っていると、どうもいつもと雰囲気が違うんですよね。クラシックのコンサートというより、なんだか人気アイドルのそれに近いものを感じたんです。年配の方が多かったけれど、女性が圧倒的多数。しかもそうした方々の表情が実に初々しいんですわ。

「アタシの一押しの石田君を、堪能するわ💖💖💕」

勿論、私にしても、山下一史やアテフ・ハリムやそのほかの大好きな方々のコンサートには、楽しみの気持ちが大きいですし、おそらくは幸せそうな顔をしていると思うんです。ただ、私が行くクラシック音楽のコンサートで、あんなに集まっている人たちがウキウキしていて、華やかな雰囲気に包まれている、という記憶がないんです。強いて言うなら、5月に聴いた、サクソフォン奏者の須川展也さんのデビュー40周年記念リサイタルが、近いかもしれません。でも、あの時お客さんの目は、💖💖💕マークにはなってなかったなぁ、やっぱり。

演奏自体は、さすがでした。私が京都市響のコンサートで魅かれた、強くて切れ味鋭い音色が、たっぷり堪能できました。ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第2番から始まったんですが、酷暑でくたびれている私の心身に喝を入れてくださるほどのエネルギーとパワーがありました。

伴奏のピアニストは中島剛さん。この方はお名前くらいしか存じ上げない方ですが、石田さんとの呼吸もよくて、コンビネーションも見事でした。

プログラムを見渡すと、全体として迫力があって、石田さんのヴァイオリンの音色を生かす曲目が並んでいたようです。ただ、後半はオールフランスだったんですが、フォーレの「シシリエンヌ」とドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」は、彼の演奏スタイルには向いてない気がしてなりませんでした。音色に湿度とやわらかさがないんですわね。感傷的になるのがいや、という方には良いかもしれませんが、私はもう少ししっとり聞かせてほしかったなぁ、と、思ったことでした。

この後はサン=サーンスの「死の舞踏」と、フランクのヴァイオリンソナタが続きましたが、サン=サーンスが一番よかったですね。フランクの作品は、アテフ・ハリムさんの十八番でもあり、私も大好きな作品ですが、やはりやわらかさが足らないんですよね。ちょっと鋭角的すぎるなぁ、というのが、私の印象でした。

この後アンコールタイムだったんですが、どうやらファンの方はこれを待っていたようです。客席の反応を観ながら、アンコールの曲数も決めている感じがしましたが、いやはや! なかなかジャンルレス!! 映画音楽あり、ジャズの名曲アリ、で、私はむしろアンコールタイムのほうが楽しかったほどです。

ことにリサイタルを締めくくる、チック・コリアの「スペイン」は、秀逸でした。手拍子が起きても不思議ではないほどのノリの良さで、私の手はうずうずしていたのですけれどね(5月の須川さんの時は、自然発生的に手拍子起こってましたし)。

終わりよければすべてよし! というわけでもありませんが、「スペイン」があまりに良かったので、気分良く帰途に着けました。ただ、本当に演奏への私の感性とか好みとか、随分揺さぶられた2時間でした。タイトルに”ビッグウェーブ”なんてつけたのは、それ故です。

それで、次聴きに行くのかって? ファンになったのかって? 難しいところです。私の体調とか気分とか次第ですから。山下さんやアテフさんとは、やはり私には違う存在かなぁ? 京都市響のコンサートで聴ければ、良いのかもしれません(何時だ、それは???)。

夕べの雷雨で、少しマシになった気もしますが、やはり酷暑が続いています。皆様、くれぐれもご自愛くださいませm(__)m💕💛

ここまでお付き合いくださったあなたに、心から感謝いたしますm(__)m💕💛

ありがとうございますm(__)m💕💛

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