待てば海路の日和ありーーーインコとの生活あれこれ その13
もっと早く書く予定だった、ズアカハネナガインコのハナのその後のご報告です。
5月12日に我が家に迎えて、早いもので、今月で3か月です。
5月5日にお店でお見合いした時には、一度は迎えるのをあきらめかけたほど、人を怖がる子でした。それが、天啓のようなひらめきがあって、我が家の子に。
相方に迎えに行ってもらい、我が家に着いた途端、ハナは、「あんた、ホントに、あの、ハナちゃん?!!」と、叫ぶしかないほどの甘えん坊ぶり。愛らしい声で、相方を呼び、そばにいてほしいと、甘えます。
私のことも覚えていたらしいのですが、何故か、私は苦手なようです。相方が仕事でいないときには、やむを得ないと思うのか、私に甘えてみるのですが、どうも勝手が違うようです。
お見合いした時、担当になってくれた店員さんに聴いた所では、「1か月もすれば、落ち着くでしょう」とのことでしたが、なんのなんの、相方がいれば、すっかり無敵! 10日も経ったころには、相方の手に乗って、ご機嫌で甘えるようになりました。
独占欲もなかなかのもので、並みいる先輩たちに負けず、ほとんどストーカーと化した彼女に、ピポナなどは苛立ちを隠しません。かごから出すと、自分の隣にいて、世話を待っているハナのかごに飛びついて、外から彼女を攻撃しようとするので、油断ができません。ピポナは、私を一番だと思っているにせよ、相方も大事な相手で、その人を奪おうとしているハナが、許せないようです。相方も、3か月前に急逝したモモイロインコのモモに充分なことができなかった、という思いもあって、自分を求めるハナを特別扱いすることもあるので、余計腹立たしいのでしょう。
嫉妬というのは、どういう命にも発生する感情のようですね。
ピポナが、腹が立っているのは、私がハナに対して、丁寧に接しているというところもあるかもしれません。私に対して、距離を置き、親愛の情をあまり見せないのに、かあさんは、ハナをかわいがってる! ほっとけばいいのに! そんな感じでしょうか。
人を怖がる態度のせいで、お店では、ハナはほとんどかまってもらえてなかったようです。ほかの甘え上手の仲間たちを、かごの中からうらやましく眺めていることが少なくなかったようです。
お見合いの時、担当の方は、ハナをエプロン越しに抱えて、しかも、彼女をひっくり返して、あまり動けないようにして、なでていました。その時の無抵抗な彼女の表情から、私には喜びなどは読み取れませんでした。
それが! 今、相方は素手でハナを抱っこしていますし、ハナも大喜びで、かごから出て、彼女の手に乗ります。「ぽきゅ、ぽきょ、ぽきゅ~」などと、かわいい声でご機嫌に甘えて、「さぁ、おうちに帰るよ」というと、「ギャッ!!」と叫んで、抵抗します。”嫌なの!!”と言っているんでしょう。
相方が家にいるのに、自分のそばにいないときは、呼び鳴きをしています(大好きな飼い主を、呼びつけているわけですな)。仕事からの帰りが遅い時は、イライラして、大きな声を出してみたりします。
実際、お店で彼女の人嫌いぶりを観ている私にすれば、信じられない状況です。ハナを迎えてから、お店には行ってないのですが、店員さんに今のハナを見せてあげたいくらいです。
ただ、彼女に敬遠されている私。ですけれども。担当さんが言ったとおり、1か月過ぎたあたりから、私の手にも乗ってくれるようになりました。相方が仕事などで不在の時、自分だけ出られないのはだんだん不満になってきた様子。或る時、彼女のご飯を作って、「ハナちゃん、ご飯できたよ~」と振り返ったら、かごの屋根にハナが乗っていて、得意そうに私を観ていたのを、いまでも覚えています。
「ハナちゃん、出られたのーーー!!! すごいね!」
そういって褒めたのが良かったようです。以来、”そうか、かあさん、あたしが出たら、喜ぶんだ!”と気が付いたらしく、ちょこちょこ出ては、私がご飯を作るのを待つようになりました。
若いころはともかく、今の私は、相性を理解できているので、自分に懐くことを期待する、あるいは、無理強いすることはしません。相方とのほうがハナにとっては、心地よいなら、それでいいのです(そりゃあ、寂しいですけれどね)。
ただ、相方が世話をできないことが多いですから、私が世話をするときに、ハナに抵抗なく世話を受け容れてもらう必要があるわけです。なので、「ハナちゃん、お世話するよ~」と、声をかけて、かごの掃除をするようにしています。何故か、ティッシュペーパーが苦手なのですが、それも声をかけて、掃除をしていくことで、慣れてきたようです(相方の時は、外に出ているので、問題ないわけですね)。
今では、かごの中で、自分からひっくり返って、こちらの関心を惹き、遊びをねだるようにもなりました。来年の1月5日で、2歳になる若い子なので、これからの成長が楽しみです。状況判断が的確なので、かなり楽でもあります。まぁ、頭のいい子は、それはそれで、なかなか大変な面もありますが、それもこれからの付き合いでの楽しみでもありますね。
「待てば海路の日和あり」。彼女を迎えたときの、こちらの覚悟でもあったのですが、実際には、私自身に必要な態度だったようです。