環境の違いが、性格にも出るんだなぁ、という話

今の私の相棒のコミドリコンゴウインコのピポナは、ともかく私の注意を惹きたがって、騒ぐことが多いです。

最近では、本格的な世話の前に”掃除のお手伝い”と称して、誰よりも先に出る、ということがないので不満たらたらなんですね。夜の間かけてある毛布などを取ると（毛布はもちろんもっと暖かくなれば、別の薄い大きな布に変わりますが）、ピポナたちが退屈だったり好きではないご飯を見つけて掻き出したものがかごの外に散らばっています。

我が家の朝は、これを掃き出して、きれいにすることから始まることが多いです。その際、ピポナを出す、という習慣ができているんですね。最近では寒かったり、こちらが朝ゆっくりして、ご飯が先ということになって、出しそびれることが増えていたりします。ピポナにはそれが不満なわけです。

ピポナが我が家に来た頃、我が家の大きなインコは、アケボノモドキインコという種族が1羽いただけでした。しかも、この子・アキハルは、片足をお店にいた頃自分より大きなインコに食いちぎられるということがあって、手乗りだけど、ほぼ”おうちの子”でした。なので、外に自由に出られる大きなインコは、ピポナだけだったんですね。

人懐っこくて、甘えん坊のピポナを溺愛した相方は、少しでも一緒に遊びたがりました。それにも関わらず、ピポナは私にべったりになってしまったんですね。相方はそれが悔しいのと、中型インコの魅力に取りつかれて、自分にべったりの子を探すようになりました（ピポナは、相方もそれなりに愛していますけれどね）。その結果、現在我が家には6羽の中型インコがいるわけです。

今では、相方にべったりの子もいますので、人間としては問題はありません。が！　ピポナにとっては、そうじゃない。自分だけが飼い主の愛情を独占していたのに、どんどん目障りな後輩がやってきて、自分の”特権”を侵害してゆく。イライラが募って、自分の身体を傷つける”毛引き症”になってしまいました。

そうした彼女を観ていて、私は不思議に思うのです。

私のかつての相棒のオカメインコのルンは、鳥さんがどんなに増えても、決して毛引きをしなかった。そりゃあ、”また、連れてきたんかい”という顔はしていたけれど、ピポナほどの嫉妬はしなかった。この違いは、なんだろうか？　

ルンはピポナが来た頃、随分気にかけている様子で、彼女のかごに来ていました。ピポナは何故か自分のことをオカメインコだと勘違いしていて（それは、今も修正されていません）、かまってくれるボスのルンが大好きだったようです。

ルンは感情表現が豊かな子ではなかったのですが、でも肝心なところは外さない相棒でした。私が落ち込んでいたり泣いていたりすると、歌を歌ってくれたり、肩に乗って、そばにいてくれたり「撫でれ！」と甘えてきたりしたものです。
これは同族に対してもそうだったようです。後から来たオカメインコはもちろんですが、先に紹介したアキハルもルンには一目置いて、慕っていたように、私には見えました。
12年前の東日本大震災の折に、オカメさんたちの被害が最小限に済んだのは、ルンがいたからです。彼が恐怖に耐えてくれたことで、ほかの子たちもそれを見習って我慢してくれた結果なのです。

私自身、ルンは特別な存在でした。それはほかの子たちにもわかるようで、私がルンを大切にすることだけは、ピポナですら、許してくれたものです。

毛引きがひどくなり、やきもちもひどいピポナに途方に暮れることがありました。ピポナは、鳥さんといるより私や相方と一緒が好きです。できる限り、ピポナを優遇するのですが、彼女の嫉妬はなかなか収まりません。そんな時、もう天国に帰ってしまったルンの声がしました。

「ピポナは、かわいそうなんだよ。私は、かあさんと1対1で、ずっと一緒だっただろ？　だから、私はかあさんの愛情を疑う必要がなかった。でも、ピポナが来た時は、もうたくさん鳥がいるから、母さんだって、あいつだけにかかわれない。それがピポナにはかなしいんだよ。難しいけれど、少しあいつをたくさん、かまってやるといいよ」

ルンは同族にすら女の子に間違われることがあったほど、寡黙でしたが、ポイントは外しません。困っている私に、アドヴァイスを贈ってくれたのでした。

ピポナは在籍していたお店でも、随分大事にされていたようです。そうした育ち方が、他者への寛容さを狭くしているのかもしれないなぁ、と思います。ルンは孤独な時間が長かった分、同族がいることが安心につながっていたのかもしれません。

ルンのアドヴァイス通りに、気を付けているものの、ピポナの毛引きは収まりません(>_<)いくらかマシにはなったんですけれどね。頭もよく、愛情も深い子は、こじれると厄介ですねぇ。

今日は日中、暖かい陽気だったのに、夕方雨が降ってから、一気に冷え込みました。明日は寒いとやら。皆様、くれぐれもご自愛くださいませm(__)m💕💛