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生きてさえいれば

「おまえ全然悲しくねーだろ。同級生が死んだっつーのによ」

一緒に告別式へ参列した友だちに言われた。
おれは何も考えず、こう返す。

「いやいや、悲しいから(笑)」

二十歳を前に、中学の同級生が亡くなった。
卒業以来、一度も会っていない。

実際、全く悲しくなかった。
だから笑顔で言える。

死んだあいつのことは好きだった。
当時は仲良く、くだらないことで笑いあった。

でも、卒業したら一生会わないだろう。
そんなことを確信してた。

あいつはヤンキーで、おれとは違う。
卒業したら、全く接点がなくなるはずだ。
馬が合うが、それも今だけのこと。そう感じてた。

予想は的中し、死ぬまで会わなかった。
こんなに早く、結果がわかるとは思ってもなかったが。

その10年後。中学の同窓会があった。
楽しい。

30歳なって、全然変わらないやつもいれば、
びっくりするほど老けたやつもいる。

中学卒業時は、もう一生会わないだろうなと感じていたようなやつらと、たくさん会った。

ある一人を除いては。

10年前に死んだあいつと一緒につるんだ友人同士で盛り上がり、話し込んでるうちに号泣した。

もう大声で泣いた。
場所がくそやかましいクラブでよかった。

10年経って、やっと悲しんだ。

進む道がどんなに離れても、生きてさえいれば会える。
未熟なおれは、そんな当たり前のこともわからなかった。
実際にそんな場面へ出くわさなければ。

それからまた10年経って、また違う気持ちになっている。

生きてさえいれば、必ず会える。
でも死んだって、死んだとき会える。

会うために死ぬつもりなんて全くないが
そう思ってたほうが、なんかいいじゃない。

長く生きるほどに、どんどん気も長くなった。
また近いうちな、の結果が
1年先だったり、3年先だったりする。
だったら、50年先だって待てんじゃないか。

死んだあいつの、なにが好きだったか。
めちゃくちゃ自由なとこ。

周りのDCブランド服着るやつらより、
公設市場のパチモンTシャツでかっこいいとこ。

うんこ投げて遊んだり、
チキン投げて遊んだりするとこ。

そんな自由なあいつは、高校3年あたりから周囲と疎遠になった。
そりゃそうだ。普通の高校3年生は、就職や進学、自分のことで精一杯。
あいつのことが気になっても、どうすることもできない。

勝手な予想だが、究極に自由なあいつは、周りがどんなに変化しても、1mmだって自由を手放す気がなかったのではないか?

そして自由の最高潮にいるが故に、大人になって自由を少しでも奪われることが、怖くてしかたなかったのではないか?

そんな気持ちを理解してくれるやつなんていなくて、めちゃくちゃ孤独だったのではないか?

当時のおれらに、あいつにかけてやれる言葉なんてひとつもない。
自分だってめちゃくちゃ不安に押しつぶされそうなんだから。

でも、今なら言える。大丈夫、なんとかなると。
どうなったって、おまえはおまえなんだから。
どんな状況になったって、それだけでほんとにすごいことなんだから。

それをあいつに言ったって、変わることなんてないかもしれないけど。
ただおれが言いたいから、おれの出版二作目は、あいつの物語をつくることにする。

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