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SSTR2021 ~サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー~ 後編

【はじめに】
 今年9回目を迎える「SSTR」に参加してきました。ラリースト風間深志さんが考案し、実現したバイクのイベントです。今年が9回目。そのレポートの後編です。
 前編はこちら https://note.com/funkfujiyama/n/n194ff3a53373

【日本海東北自動車道・北陸自動車道 CP:黒埼・名立谷浜・流杉SA/PA】
 さて、このまま西に向かえば日本海東北自動車道の荒川胎内ICです。時間がなければその道ですが、予定より1時間ほど速いペースでした。なにせ、トイレとストレッチという最低限の休憩しかしていません。
 そこで高速に乗るのを遅らせ、「越後やまなみライン」の名がある国道290号で少し南下することにしました。これは時間があるときのオプションルートとして考えていたものです。
 これが大正解! 米どころ越後の農村を縫うように走る最高の道でした。ペースを抑え、穏やかな空と景色に同調するようにバイクを流していきます。こういう道との出会いをもとめて旅に出ているんだ、とあらためて感じる時間でした。

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 しかしのんびり走ってばかりもいられません。農村地帯を走り抜けると、聖籠新発田ICから再び高速道路へ。ここから石川県まで一気に距離を詰めていきます。といっても新潟は長い! 
 さらに富山県も越えて石川県の金沢森本ICまで走りますが、この区間は326kmもあります。流れに合わせて、ひたすら走ります。さすがに眠気が顔をのぞかせますね。途中休憩は黒埼・名立谷浜・流杉と3回(計3P)。名立谷浜では2回目の給油です。
 北陸道は日本海を右手にしてずっと走ります。関東ではあまりない、長大な海の眺望が退屈をまぎらわせてくれます。特に親不知・子不知は海に迫る飛騨山塊によって海に突き落とされるような迫力があります。

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 北陸道最後の休憩は流杉PA、3時前に着くことができました。SSTR参加者を見ることも増えてきました。天気は相変わらず良くて、ゴールでは美しい夕景が見られることを確信しました。
 ここでも予定より1時間早いです。時間の計算をしながら走っていると、意外と早いもの、黒埼から流杉までたっぷり3時間かかっているのですが、体力的にはまだ余裕があります。出発からはここまで580km走行しています。あと100キロを切り、いよいよゴールが見えてきました。

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【北陸自動車道・のと里山海道・千里浜なぎさドライブウェイ CP:道の駅高松】
 流杉で最後のルート確認。山越えも考えていましたが、やはり早めに到着してゆっくりと夕景を楽しみたいと考え直し、一番簡単な金沢森本から「のと里山海道」経由を選択しました。
 この道路、名前は素敵ですが金沢から津幡・かほくと続く市街地をつなぐバイパスになっていて、北陸道から入ってすぐはなんにも楽しいことはありません。淡々と北上します。しかし遠目に河北潟が見えたりすると、能登まで来たイメージが膨らんできて、心躍ります。
 白尾ICまで来ると目の前に日本海が開けます。ここからは左手に砂浜を見ながら海岸線を北上します。もう、ゴールは目の前!

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 最後の休憩は道の駅高松。日が傾いてきたのを眺められます。快晴の空はほんのりとオレンジがかってきて、砂浜がそれを映して艶やかに輝いています。ゴールのときは、どれほど美しいのか。ライダー憧れの、夕景の千里浜はもうすぐです。
 ポッポ焼き以来何も食べていないので、軽くなにか食べようと思ったのですが、夕方ともなるとめぼしいものはなく、結局そのままになりました。

 日没まで50分ほどを残して道の駅を出発。しばらくすると、ついに千里浜なぎさドライブウェイに入ります。もう興奮を抑えきれませんね。前に一度来ていますが、20年以上前、車で昼間に通ったのみです。バイクで夕景ともなると、全然違います。

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 日曜日の夕方ですから、車もバイクも少なめ。砂を踏みしめるタイヤの感触を味わいながら、のんびり走らせます。日曜参加のおかげでバイクは少なめで、若干寂しい気もしますが、前後の間隔を広くとって、悠然と走れるのはありがたかったです。ふと、波打ち際に人がいないスペースがあったので、バイクを止めてSSTRゴールの登録を済ませました。
 時刻は16:40でした。走行時間は約11時間、走行距離670km、獲得ポイントは16でした。まだ時間があったので、夕日をバックに写真を何枚か撮って、バイクの労をねぎらいました。長い距離をともにしたオクトパス君とも記念撮影。振り返ると、続々とゴールするバイクが走り抜けていきます。無事にゴールをしたライダー同士の連帯感、互いに大きく手を振って感動を分かち合います。

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 もっとも、手続き上はゴールしていても、まだ茫とした砂浜に佇んでいるだけです。再びバイクに跨り、本当のゴールに向けて動き出します。
 SSTRゴールポイントではゴールゲートと多くのスタッフさんがライダーを迎えてくれます。近づくに連れ、賑やかな雰囲気が感じられるようになりました。
 中には、ゴールしたあと、もう一度千里浜を走りに行くライダーもいます。彼らともすれ違いながら挨拶を交わします。夕日もだいぶ水平線に近づいてきました。バイク好きが集まって同じゴールを目指し、それを達成した幸福感が満ちたゴールゲートを、私も無事に通過しました。初のSSTR、完走です!

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 ゴールしたバイクが、海に向けて並んでいます。私もそこにバイクを止めて、やっと一息です。ゴールできるか不安になる行程でしたが、時間を詰めて走ってしっかり間に合わせることができました。西の空では、太陽が静かに日没の瞬間を迎えようとしています。朝、水平線から昇ってきた太陽は、今もまた雲に隠れることもなく水平線に近づいていきました。
 得難い瞬間です。この旅の終わりを祝福してくれるようでした。沈む太陽を最後まで見送り、私のSSTRが幕を閉じました。長い距離を走ってさすがに疲れがありましたが、すべてが報われた瞬間でした。
 ゴールゲート横のテントで、完走証ともなるピンバッジをいただきます。一緒に記念Tシャツも買ってしまいました。

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 千里浜をあとにするとき、主催の風間深志さんが見送ってくださっていました。楽しかったことや、達成感、幸福感、充実感、色々な思いを込めて手を振り返しました。数千台が参加する、しかも公道をメインとするオープンなイベントを2週間にわたって運営することは、想像以上に大変なことでしょう。私はルールを守り、感染対策をおこない、その上で精一杯楽しむことでそれに応えるだけです。また参加したい、という思いがお礼になるかな? 本当にありがとうございました。
 来年、スケジュールが確保できるかわかりませんが、出られるなら今度は別のところから下道だけでチャレンジとかしてみたいですね。
 最後に、運営委員会の言葉へのリンクを。
https://sstr.jp/2021/10/22/sstr2021%e7%b5%82%e5%b9%95/

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【追記 羽咋市】
 宿泊は、あまり遠くに行きたくないので羽咋市内のビジネスホテルホテルをエントリー後すぐに予約しました。ビジホながら和室が取れて、ゆっくりくつろげました。素泊まりなので、夕飯を食べに外出。
 ここで大きな味方になったのが、宿泊者がもらえる3000円の市内商品券です。せっかくなので、これが使えるお店を探すと、地元密着型の回らないお寿司屋さんを発見。宿のすぐ近くだったので、地物のお寿司を堪能してきました。タイトなスケジュールだったので、能登を満喫できないのが心残りです。


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