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はじめに〜歌は万人に開かれている〜

「私、子どもの頃に家で鼻歌を歌っていたら、家族に『音痴な歌を歌うな』と言われて、それ以来ずっと何十年も歌うことを封印してきました」

「小学生の時、担任の先生に『音痴』と言われて、ピアノは好きだけど歌はずっと避けてきました」

「カラオケの時はいつも逃げています」

「自分の中で歌だけは無いです。歌に向いている声じゃないので」


今までこのようにおっしゃる方にたくさん出会ってきました。

小さい頃は皆さん、何も考えずに鼻歌や好きな歌を歌っていたことと思います。
ところが、ある日他者から一方的に「評価」され、傷ついた。
歌をはじめ踊りや身体を用いる活動は、他者に笑われたり良からぬ評価をされると、大変傷つきますよね。
そして、その時の悲しさ、恥ずかしさ、悔しさを胸に閉じこめて、歌うことを閉じてしまわれたのだと思います。


しかし、はっきり言えることがあります。

歌は万人のものです。
何か特別な存在だけのものではありません。
私たちには一人一人それぞれに、唯一無二の楽器である声と、それを響かせる肉体が備わっています。
出し方、奏で方にちょっとしたコツがあるだけなのです。

また、私は今まで色々な方の歌声に接してきましたが、音痴といえる方はそうそう存在しないと思っています。
隣で歌ってくれる人がいると音程が取れるのでしたら、あなたは音痴ではありません。

そして、「音程がズレる=歌が下手」かというと、それも少し違う気がします。
プロでも音程が上ずったりフラットになる方がいますが、皆さん素晴らしい歌手の方々です。
そうなると、正しい音程かどうかにこだわること自体、あまり意味がないと思えてきますよね。


私たちはみんな、世界で一つだけの声という楽器を与えられているのです。

この楽器は、リラックスしていたり楽しい気分だったり気楽にしている時ほど、素敵な音色を奏でます。
そして、
「みんなに合わせよう」
「頑張って大きな声を出そう」
「間違わないようにしよう」
とすればするほど、それは難しくなるのです。

あなたも、声という世界で一つだけの楽器を、楽しくラクに奏でてみませんか?
きっと今まで聞いたことのなかったご自分の歌声に出会えることと思います。

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