ちび酒
明け方。スヤスヤ寝てたら、チビコがよじ登って起こしてきて「ママ、ママ。ブンバル丸が来ちゃってるよ！」とか言って大層ご立腹。
夜ハエがブンブンいってたのは知ってたから、（ブンバル丸ってア゙イツだな。。）とすぐわかったし、ちょっとウケたけど眠いから
「ママもヤダけど今は共存しとくか〜」
って、かなり適当に言ってもう一回寝る。
だがチビは！一人で早起きしちゃってハイなような、心細いようなで、ママに笑ってほしいし起きてほしい〜！ってな訳で。
変顔で踊るわ、オナラの音を口でうるさくやって自分でウケ過ぎて涙が出たとか言うわで根負け。
「起きた！おならがうるさすぎて」
と立ち上がったら、チビコがギャハギャハ笑ってから
「まま〜！すき！100万点大好き！」
って、いっぱいチューされる。私は（おうよっ）と男らしく思った。
4時半か〜。山の上の方が真っ白くぼやけてる朝の霧がキレイ。洗面所へ行っていたら
「ママ〜。ブンバル丸捕まえた〜」
とドアの向こうから言ってきたので凄く驚く。ハエを捕まえた？！手で？！凄い！偉い！ありがとう！といっぱい言う。
「どうしたらいい？」
と言うので、慌てて一緒に外に出て、手から飛び去るハエを見送った。
チビコは
「ハエの弱点はあみど。」
と言ってニヤリと私に笑いかけたから、私はあっと息を呑んだ。
…実は昨夜ご飯を食べながら私は夫くんに喋ったのだ。
「ハエが入っちゃってるから網戸にとまった時は捕まえて。網戸だけがハエの弱点だよね〜。」
と。私はあの時横にいたチビコを眼中にも入れてなかったのに、チビコはちゃんと聞いていたんだ。そしてちゃんと心に留めておいて解決してくれたのだ。。
そういう事って結構ある。
チビコがバアバと２人でスーパーに行って、何気なく「大人用の歯磨き粉」を買ってきてくれた事とか何回もある。朝私と夫くんが「あ～歯磨き粉買うの忘れた〜」と言ってたのをちゃんと聞いて、スーパーで思い出して、バアバにねだってくれて（笑）
チビコは大人が想像するよりもずっと、仲間としてみんなの為を思ってくれているんだろう。
ところで最近のチビコは、ジュースアイススイカアイス！って感じで糖分取りまくり。
「ハエを取りし勇者に、世界一冷たい魔法の水をしんぜよう」
とか言って氷をパンパンに入れた冷水を魔法瓶に入れてあげたら超気に入って、「ちび酒」と名付けてお酌してくれるようになった（笑）君が飲んでくれ…！
「ちび酒」はチビコの優しさと機智を称えつつ、夏の糖分から家族を守っている。
