お三時居酒屋のママ
最近のチビコは幼稚園バスで帰ってきたら必ず、おんぶしてもらいながら靴とか水筒とかバックとか全ての備品をデロデロ落とす。
おい〜！チビさん〜落ちましたよ〜！と言うと、ニヤニヤうれしそうにする。窮屈でちょっと重かった荷物からの解放感や、甘えてママとフザケたい心や、帰ってきてホッとした気持ちなどがひしひし伝わる、迷惑表現だ（笑）
くっついてひと喋りして、2階に着くなり「お腹空いた〜。Youtube見てい〜い？」と言う。
「いいよー」と言ってチビの水筒だの給食セットだのを洗い桶に開け放ったら、チビコの晩酌、もといお三時居酒屋タイムスタートだ。
暑かったら氷ぶどうやジュースをちっちゃく凍らせたやつを手始めに。
チビコはヒンヤリしたものをちらっと見て明るく「ありがとっ！」と言い、言い終わるとすぐいっぱしの顔でYoutube界に戻る。
「もっとお腹すいてる、しょっぱい系出してくださーい」
と言い出したら、端っこを油で揚げたような目玉焼きとかウィンナーの串、一本塩きゅうりなどの一品ツマミ。
「まだまだお腹すいてます！
！」
「オッケ〜」
チビコのムードは興奮ぎみで、渋いツマミで落ち着きたいか。暇ダル系で意外性がほしい？頭で理解するより速い、勘の速さに乗っかってピュンッと作る。
冷奴、時差でたらこバターおにぎり。いや、焼き椎茸からカッパ巻きの感じ。
ちくわキューとオリーブに串をつけたら嬉しかろう。
トマトのカプレーゼと細切りとろけるチーズトーストからの、パンの耳を揚げて砂糖まぶす系までいっちゃう？…etc…！
私はチビの為にこういうツマミをちびちび出し続けるのがどうやら何よりも好きなのです！おふくろの味じゃなくて（笑）
オチビはのんびり海外おもちゃの開封動画とかコジコジとか見つつ、甘いものや塩っぱいものをつまむうちに、纏ってる空気が平和に落ち着いてくる。
私がいまだ何より恋しい「実家の思い出」は、母とソファーに寝そべって名探偵ポワロとかCSIとかグレイズ・アナトミーとかを見ながら、ポテチを回し食べしてた時間なんだ（笑）だから、こうしたゆる～い時間がこの子を支える日もいつか来るかもしれない。ま、チビコはさっぱり系だから、あんまり振り返らなそうだけど！
いつもおしゃべりなチビコが無言で、（お、今日は枝豆かっ、嬉）って感じで、誰に見せるわけでもない天使みたいな顔を、私の作ったツマミに向ける。その横顔をチラリと覗き見るというのは、かけがえのない瞬間だ。
（おつかれさま。ここでは楽しく気楽に休みたまえ。美味しかったなら良かったよ。）、、、なんてカウンター席のちっちゃい背中見て思うんだから、やっぱり居酒屋のママだ。
暇な店の！
