【マッチレビュー】SoftBank CUP 2023 東京大会 8/15 日本 vs アンゴラ GAME1

スターター

ホーム:日本

アウェイ:アンゴラ

0.SG エドゥアルド・フランシスコ
3.SG ジェルソン・ゴンサルベス
5.PG チルドゥ・ドゥンダウン
8.PF ジルソン・バンゴ
20.C ブルーノ・フェルナンド

試合展開とポイント

1Q

スターティングは本戦を見据えたメンバーで臨んだ日本。得点期待値の高いオフェンスセレクションはそのままに、3ptとペイントからのアタックを徹底する。

日本のオフェンスは4outが基本。ハーフコートマンツーマンを敷くアンゴラに対し、1inのホーキンソンが高い位置からのシールとピック&ポップを仕掛けることで5out気味に幅を取る。機動力を生かした日本は、富永、渡邊を中心に得点を積み上げることに。

一方のアンゴラのオフェンスは、0°近くまで深さを取りながら展開。序盤はシュートが今一つ決まらなかったものの、日本と同様にリムアタックとウイングからの3ptを決めていく。

日本のオールメンバーチェンジ後、オールコートでのマンツーマンでプレッシャーをかけたアンゴラはカウンターでのコキラのファストブレークが決まると、ハーフコートディフェンスにおいてはウイングの位置でのダブルチームを仕掛ける。アンゴラの激しいディフェンスが功を奏し、ここから一気に形勢はアンゴラへ。

14-16のアンゴラ2点リードで1Qを終える。

2Q

1Qよりもワイドなエリアでの深さをとらず90°から45°の間でピック&ロールを増やしつつ、エンドライン沿いではペイント近くのローポストプレーを併用するなど、メリハリをつけたオフェンスを展開したアンゴラが引き続きリズムを作り、リードを広げる。

クォーター序盤こそアンゴラにリードを許した日本ではあったが、ホーキンソン、渡邊をコートに戻すと、オフェンスでは二人のペイントプレーをあえて限定しながら5outの形をキープ。粘り強くアテンプトを増やすと、アウトサイドから富永が3ptを決めれば、ディフェンスが広がった隙をついてホーキンソンがボスハンドダンクを決めるなど、5outをスタートの形とするオフェンスが機能した日本が盛り返す。

オフェンスからリズムを取り戻した日本はディフェンスとリバウンドの強度が上がりながらも、アンゴラはフェルナンドのリムアタック、ダンダオのウイングでの3ptなど、日本のお株を奪うかのようなメリハリのあるオフェンスで応戦し、逆転は許さない。

終盤、日本は富樫の3ptを皮切りに、井上、吉井が続けて3ptを決め、残り1分20秒で32-33の1点差まで追い上げる。アンゴラも臆さずバンゴがバスケットカウントで決め返し、32-36。アンゴラ4点リードで後半へ。

3Q

フェルナンド、バンゴがペイントエリア内から得点。後半開始からインサイドでアドバンテージを取ったアンゴラが主導権を握る。一方の日本は、アテンプトを増やし続ける富永の3ptと、河村のトリッキーなボール出しからの得点で食らいつく。

ディフェンスでは2-3ゾーンを敷く日本に対し、アンゴラは一貫してローポストを起点にオフェンスを展開するも、川真田を中心としてインサイドでのディフェンス強度を高めていく日本は、ボックスアウトからディフェンスリバウンドを押さえる。

激しいディフェンスとボックスアウトという基本に立ち返った日本は、アンゴラの得点を止めつつ、河村、川真田のフリースロー、川真田のリバースレイアップ、井上のフリースローで泥臭く加点。ディフェンスでは川真田が1on1でソウザのトラベリングを誘発しガッツポーズが飛び出すなど、完全にペースは日本へ。

残り0.2秒の場面で馬場のフリースローが決まり、51-49と逆転した日本が2点をリードして最終クォーターへ。

4Q

ショットクロックぎりぎりで富永がディープスリーを沈め、4Qは日本が先制し、3Qの勢いはそのままに主導権は日本が握り渡さない。富永が右コーナーのマイナスの位置からタイトな3ptを決めれば、河村もウイングからの3ptを決めるなど、積極的なアウトサイドからのオフェンスが抜群に機能した日本がリードを広げていく。

対するアンゴラも、フェルナンドとバンゴを中心にペイントエリアでのリムアタックで2ptを着実に積み上げ、残り4分の場面で1点差まで詰め寄ることに。本戦へ向けて内容に加えて結果も出したい日本は、馬場のリムアタックからのフリースローで67-61とすると、ディフェンスではオールコートで2-2-1のゾーンプレスを敷き、積極的なダブルチームを仕掛けて勝負をかけにいく。

激しいディフェンスから主導権を再び引き寄せた日本。チームファールが5となったアンゴラに対し、吉井がフリースローを連続で決めると、ファストブレークから馬場のステップインが決まり日本が73-61。と残り1分半で12点をリードすることに成功。

反撃するアンゴラは、フェルナンドがワンハンドでスラムダンク。さらには速い展開からドーがリバースレイアップを決めるも、残り時間は日本が落ち着いて試合をクローズ。

本戦を10日後に控え白熱した強化試合は、日本が75-65で10点差で勝利した。

ボックススコア

総評、雑感

試合の序盤ではアンゴラにペースは握られながらも、この試合アテンプト14本中6本の3ptを沈め20得点を叩き出した富永を筆頭に、3ptのアテンプトを臆さず増やし続けた日本が勝利を掴むことに。

3ptFGは

日本…11/41(26.8%)
アンゴラ…6/30(20%)

とアテンプト、成功数、成功率のいずれも日本が上回ることに。シュートタッチがどうであれ、オープンな形を作り、アテンプトを増やし、得点期待値の高いオフェンスセレクションを徹底出来た賜物と言えるのではないだろうか。

ターンオーバーにおいても

日本…12
アンゴラ…19

と、こちらも日本がリード。共に組織的なディフェンスを展開したゲームにおいても、日本のチームディフェンスはここぞという場面で良く機能した印象。

リバウンドのスタッツについては、チームトータルで日本が38本、アンゴラが45本と、こちらはアンゴラがリードすることに。本戦を見据え、リバウンドにおけるディスアドバンテージを如何に減らすか、ということを考えた時、率直に言ってこの数字はまだまだ物足りないかもしれない。本戦までのわずかな時間にも修正を期待したいところだ。

強化試合は残り2試合。このゲームで足を負傷したエース渡邊の軽傷と早期復帰を祈りつつ、次ゲームでの更なる連携の成熟に期待したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?