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無職から農業をはじめよう。vol.3 ただいま職業訓練中

、職業訓練中の生活

はれて職業訓練生となった私は5月から11月まで茨城にある鯉渕学園(鯉渕学園農業栄養専門学校)に通うことになった。といっても埼玉から通うわけで基本朝4時半起床、5時には最寄り駅である北浦和駅から日暮里、日暮里から茨城県にある友部の駅まで電車で通い、そこからバスに乗り換え学園につく。学園につく頃には8時過ぎになる。もう少し遅くても間に合うのだが電車の乗り換えが1回から4回に増える。座ることもできないのでほぼ毎朝このパターンで少し早く学園についていた。さながら長野から新幹線で通うサラリーマンの感じである。おかげで、結構電車の中で本を読むことができたり、youtubeを見まくったりと有意義?な時間を過ごすことができた。よく人に話すと大変ですねと言われるのだが職業訓練中はあまり苦痛に感じたことがなかった。帰りも同じで学園は15時15分に終わり、家に着くころには20時を回っている。

鯉渕学園

学園内では午前中収穫して、調整(袋詰めなど)午後は播種、肥料、畝つくりなど、一通りやらさせてもらうことができる。基本、露地野菜で品目もナス、ネギ、サツマイモ、とうもろこし、ホウレンソウ、たまねぎ、人参、白菜、レタス、ブロッコリー、スナップエンドウ、きゅうりなど多品種にわたり、大きさも一町(10反)くらいのところを10人で作業をおこなう。トラクターに乗ったり、草刈、農薬を散布する機械にも触れることができる。
実習だけでなく座学もあり、加工品についてもサラッとではあるがいろいろやらせてもらうことができる。畜産も数日あり乳牛の実習もあった。先生方はいろいろ経験豊富でかなり個性的な先生が多く、学校の中に家がある先生、草刈り機から送迎バス、トラクターにコンバイン、たぶん居たら馬まで乗って登場しそうな何でも乗りこなす先生、近くの罠にかかったと裏でイノシシを解体する先生、趣味ですよね?と聞きたくなるような先生が多かったのだが、ある意味農業のような試行錯誤を繰り返すには必要なことかもしれないと思ったりもした。こちらとしては知識0からある程度専門的なことまで教えてもらうことができるので良かったと思う。ちなみに訓練生も10代から60代までなかなか幅が広い、男女比もあまり意識してとってはないと思うが男性6人、女性4人だった。

ときには幼稚園生と一緒に芋掘り体験、お手伝いも行う
採れた野菜は近くのスーパーの直売コーナーへ
トラクターの免許は取れないが小型建機は希望者は取得可能
初めての乗ったけど難しいですね
種まき中

訓練中におこなったこと。

といってもここで卒業して農家になれるわけでないので、ここを卒業してからのことを考えながら情報収集をしようと思っていた。最初はカミさんの親戚に、さいたま市内で農家をしている人がいるのでそちらのところに何日か行きながらコネをつけて土地を貸してもらおうかと思っていたので、何かしら片手間で稼ぐ方法はないかと、シェアキッチン、ビン詰め加工、キッチンカーなど野菜をつかって低予算でできないかと考えた。ある程度の情報が集まったが、加工場として許可を取るのがなかなかハードルが高い。もしこのまま卒業して農業が軌道に乗ったら始めようと思いながら、親戚の力を借りずに就農できないか?と地元のさいたま市農政課にアポをとって訪ねて行ったりもした。

明日の農業担い手塾

どうやら昨今、農家離れや不耕起地が増えてる状況で自治体が行っている制度を教えてくれた。自治体が間に入って地主さんから土地を借りてくれて、研修農家さんの指導のもと、数年耕作してある程度できることがわかったら自治体が抜けて農家となれる制度は担い手塾である。これなら農業大学校に通って、研修農家で数年タダ働きしなくても細々であるが収入を確保しながらできるもので、これを何とか利用できないかと考えて話を聞いてみた。
基本、さいたま市は埼玉県内の学校で1年、県外で2年学ぶのが入塾の条件らしく、土地もあいだにはいってくれるが探さないといけない。職業訓練の7カ月ではダメということで、そうなると今やってることが無駄になってしまう。そこで、さいたま市以外の周辺地域の農政課に話を聞きに行ったら、川島町と宮代町は7カ月でもそれまでに家庭菜園や千葉で農園を手伝った経験も併せていけるかもしれないということで何度か話を聞きに行った。川島町の農政課はイチゴとイチジクの農家がこれから高齢化でやめるのでそのあとそこでやってみたらどうですか?という話だった。実際イチジクをやられている農家の方まで話を聞きに行ったが、家族総出でかなり手間のかかる作物のようでコメの合間に数反やってる感じの人がほとんどだという。これで生計を立てようというのではなく補填的なところでイチジクをやってる人が多い。農政課の反応もとりあえず県から言われてやってます。といった感じだったのでお断りさせてもらった。

宮代町

埼玉にいない人は、なかなか馴染がないと思うが、東武動物公園があるところといえば何となくわかるのかもしれない。宮代町は新規就農に力をいれているらしくこの担い手制度が始まる前から同じようなことをやられているみたいで話が最初から具体的だった。3年、2反から始めて最後の年には200万の売り上げを目標にして、行っているらしく、町の直売所もつかっていい。資材に関しても年間20万円前後は援助してもらえると、なかなか好条件で7か月の勉強期間に関してもあまり問題視していないようで話を進めてもらった。それでも中には不安視する人もいるかもしれないと思って、訓練に行きながら集めた情報で2反で3年後200万円売り上げる目標の作付け計画表も提出したりした。おかげで農政課の人には、もし入塾したらここをやってもらうことになるだろうという土地まで案内してもらった。ただし、住民票を移してもらうことが条件だった。どちらにしても作業場の場所はいつかは確保しないといけないことなので初期資金はかかってしまうが2拠点はむしろ好条件かもしれないとポジティブに考えていた。2~3回面接を行い、最後は地域の農業委員の人たちとの面接があった。6対1でなかなか厳しいことばかり質問してくる。そして結果は今回は不合格ということだった。個人的な見解だが自分の前に入塾した人が私と同じような2拠点住居ということもあり不合格になり、それでもやりたいということで1年その町の農家さんで研修を行い、のちに入塾したらしく、はっきり言ってしまえばその人と同条件で私が入塾するとその人はなぜ俺は落としてあいつは受かるのだと思いかねないかなとも考えたりもした。まあ私の実力不足かもしれないが。。。
あまり参考にならないかもしれないが当時提出した作付け表を載せておきます。数字の信ぴょう性は参考にならないかもしれませんが、これを知識ゼロから半年くらいで書けるくらい頑張っていた職業訓練って感じですね。

ふりだし

ということでふりだしに戻ってしまった。親戚の農家さんはやはり経済的に厳しいということで今年で農家はやめるらしい。さいたま市で研修が始まると土地の確保が必要になってくるので何反かは確保してくれるというのでお願いしておいた。
宮代町で、その人と同じように1年その町の農家さんで研修してもいいのだが、それならばさいたま市でも同じような入塾前研修(さいたま市は入門研修と実践研修という名がついている)が行われているのでそちらの方に参加しようと今申し込んでいる。うまく入門研修に行けるといいのだが結局は職業訓練をおこなって、すんなりとはいかなくなったが、もう一年考える時間ができたとポジティブに考えることにしよう。

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