見出し画像

Crazy Birthday!!

本日、4月26日は私がもっとも大好きなアーティスト、田淵智也という男の35歳の誕生日である。

毎年こんな風にブログを書いてお祝いするわけではないけれども34歳の田淵智也には色々と大きな感情をぶつけられすぎた。これはいかん。せっかくだから思いの丈全部綴っちゃえといったところだ。

そもそも田淵智也というかUNISON SQUARE GARDENと出会ったのは音楽が好きだから、バンドが好きだからというわけではなかった。

そのバンドの存在を知ったのは「Tiger&Bunny」というアニメからだった。

そのアニメの主題歌は「オリオンをなぞる」

ファン内外でとても高い人気を誇る楽曲で、私も例外なくハマった。ハマったけどもバンドを追いかけるまでに至っていなかった。

その後もリニアブルー、harmonized finale、桜のあとなどバカほど強い楽曲に出会ってもロックバンドが好きだ。音楽が趣味だ。と言えるような感じではなかった...と思う。

でもそんな私に深く深く衝撃を与えた曲があった。

「シュガーソングとビターステップ」

幅広く愛されているバンドの代表曲だ。

今ではもう慣れてしまった感覚だが、一聴すると気づいたら何回も何回もリピートしていた。この曲もきっかけはふとしたもので、おそらく友人に「血界戦線」を勧められていなければ出会っていなかっただろう。

ともあれその独特な語彙と楽しくなる旋律にやられてその年に出た記念アルバム「DUGOUT ACCIDENT」をポチり。

そこからようやくUNISON SQUARE GARDENというバンド自体に目を向け始めた。

とある日、ミュージックステーションにUNISON SQUARE GARDENが出演するという情報を得てテレビをつけて観てみることにした。すると異形のものが目に映った。ベーシスト田淵智也だ。

地上波にも関わらず、目をひん剥き、事あるごとに動きまわるその姿に驚きと言うべきかなんというか...ただただ興味を持った。言わずもながらその日のMステの感想をみると「ベース怖すぎワロタ」みたいな感想が散見された。

それからというものの田淵智也という男のインパクトから逃れられない。その姿も。その字面さえも。

当時、アニメを観るのが好きだった私は事あるごとに田淵智也という名前を目にすることになる。

戸松遥の「Q&Aリサイタル!」、内田真礼の「ギミー!レボリューション」

ふと気にいった曲の作曲者を見ると必ず田淵智也という文字列が目に入る。今にして思うと田淵智也という男自身がオタク気質ゆえにロックバンドとアニメや声優といった隔たりを先んじて壊しに行っていたのだろう。

いずれにせよ衝撃的だった。アニメの主題歌にロックバンド。声優の曲にロックバンドアーティスト。なんのことはないのだが自分の世界や視野はそんなごく当たり前なことに気づくほど広くはなかったのだ。

それから歳を越して2016年1月。今となっては大好きな武道館のDVDが発売され田淵のMCで再度衝撃を受けることになる。

基本的におちゃらけたMCだった中でアンコール中に田淵が放った言葉

「君の好きなロックバンドはたくさんの人に愛される曲や、世の中に受け入れられそうな曲を書いてこなかったし、これからも書くつもりもない。友達や親に勧めるとか、うれしいのだけれどだいたいの確率でロクなことにならないと思うので期待しないでほしい。僕が保証します。でも、君の好きなロックバンドは誰がなんと言おうと絶対にカッコいいから。自信持っていいよ。これも僕が保証します。」

このMCに至るまでシンプルかつ魅せる演奏を観て心底感動したあとだから尚のこと、この言葉が嘘偽りなく証明されているものだと実感した。何よりもこのバンド、この発言をした田淵智也という男にとことんまでに心酔した瞬間かもしれない。


2016年4月、ど田舎から上京した。

右も左もわからず、都会の雑居ビル群を下から眺め地元の景色と大きく異なる中でユニゾンの音楽を聴きながら精一杯、新社会人として仕事と向き合った。不慣れなことが多すぎてストレスで何度も地元に帰りたくなった。

そんな中でユニゾンが新しくアルバムを出すという。「Dr.Izzy」だった。大好きなシュガビタも収録されるこのアルバム。

リリースしたときにはおっかなびっくりと渋谷の馬鹿でかいタワーレコードに入って右も左もわからずアルバムを探したのを今でも覚えている。渋谷のタワレコではDr.Izzyのインストアライブイベントを予定していたため、ここで買うしかないと息巻いていたのだ。

どうしてもこの目で、武道館で見せたようなロックバンドのカッコよさをこの目で観たいと思った。

抽選結果...当選

望んでいた結果のはずなのに正直実感もなく信じられなかったし。後からふつふつと喜びと高揚感が込み上げてくる。

その時のライブの感想を綴ったものが残っているのだが、読み返すと私の文章力は今と昔でなんら変わってねえ。https://ch.nicovideo.jp/kasukasu/blomaga/ar1064715

ともあれ、人生で初めてライブハウス(当時はそこに着目はしていないが)でロックバンドのライブというものに触れることになる。

自分の期待値など軽く飛び越えるほどの熱量。大好きな曲をファン全体で盛り上がれることの喜び。気持ちがはやるのを抑えきれない感覚が堪らなくなった。

それからというもの私はロックバンドというものを追い始める。元々聴いていたBUMP OF CHICKENやflumpool、Galileo Galileiなどを掘り返し、新しく知ったTHE ORAL CIGARETTESや[Alexandros]などを聴いてはライブに参加した。

そうして音楽に没頭していく過程で音楽好きの大切な仲間たちと知り合った。バスターズ(the pillowsファン)、GGフレンズ(Galileo Galileiのファン)、 Crew(UVERworldのファン)、BUMPファン、同じくユニゾンを好きな仲間

好きな音楽を勧めてくれて、一緒にライブに誘ってくれる仲間がいる。

今の私の環境を作ってくれたUNISON SQUARE GARDENというバンドに対して感謝しつくせないものがあるし、私の中では揺るぎない一番の大好きな存在のロックバンドだ。

その中でも田淵智也という男の存在は私にとって特別だ。

まずはアニメコンテンツという場面からUNISON SQUARE GARDENと引き合わせてくれたこと。きっと出会っていなかったら音楽というものの魅力に気づかぬままだ。彼の与えてくれるインパクトはあらゆる人間を巻き込むほどの魅力がある。一見突飛と思われる言動の中にはいつも確かなコンテンツに対する愛を感じるのだ。

アニメに関して言えば夜桜四重奏だろうが、血界戦線だろうがFateだろうがTiger&Bunnyだろうがボールルームだろうがその作品のファンをも納得し舌を唸らせるほどの作詞作曲のセンス。

さらには作品を加味した上でアーティストに対しての敬意とコミュニケーションを怠らない。斎藤宏介にはこうあってほしい。LiSAにはこうあってほしい 。内田真礼にはこうあってほしい。自分のイメージと照らし合わせた上でささやかでも確実にコミュニケーションをとって一緒に作品を作り上げていく。

特に斎藤宏介とLiSAに対しては並々ならぬ情熱を感じる。それぞれのファンを差し置いて自分が1番のファンであると言わんばかりの熱だ。私みたいなオタクは同じものが好きな人間を目の当たりにすると共感性が著しく高まる性質ゆえになおさら好印象を持つ。

まるでオタクが自分の大好きなものを意気揚々とプレゼンするような心地の良い純粋な熱量を対談やインタビュー等でぶつけてくるのだ。

近年、「DIALOGUE+」という声優アーティストのプロデューサー業やQ-MHzといったプロデュース集団に身を置くなどあらゆる見知から貪欲に知識を得て楽曲に昇華させつつもアニメ、声優、ロックバンドなど本来あるはずがない垣根に対して勝手に我々が抱いている"別コンテンツ感"をぶち壊していつもワクワクさせてくれる。DIALOGUE+の「DREAMY-LOGUE」のクリエイター陣なんかを見ると特に顕著な気がする。

DIALOGUE+についてメンバーとの対談でこの活動についての向かう先がしっかりと連携できつつもポジションを考慮した立ち振る舞いが成されているものだから感動してしまった。

その度に最初は敬遠していたものも目から鱗が落ちたように世界が広がり始めるのだ。

とあるラジオで彼が語っていた。

「よくこの曲が苦手、嫌いっていう輩がいるけどもそれは好きになる程まだ聴き込んでいないだけでしょう。」

耳が痛かった。これは音楽の話題だからこそではあるが全ての物事において言えることだ。要するに食わず嫌いなのだ。本来好き嫌いというものはその事象を噛み砕いて噛み砕いて吟味した先でわかるはずだ。

要するに言葉が適切ではない。嫌いではない。向き合っていない。

とまあ、自分の興味ないコンテンツに対してわざわざ一つ一つ目を向けていては疲れるので上手い生き方しろよということにはなるが自分が仮にも好きとのたまっているコンテンツで(そもそも音楽ってコンテンツは膨大すぎてアバウトもいいとこだが)食わず嫌いをしていては勿体無い気がして。いかに自分から壁を作って世界を狭めていたかということをこれでもかというほどに思い知らされる。

ただ語彙が豊富で独特なのではない。本人曰く言葉の正誤にこだわりがあるわけではないらしいが、その裏でさりげなく吐く言葉、毒、文字には自分の浅はかさに気づかされることも多い。

そして人間らしく感情を乗せて発信してくれるからこそ心が動かされる。ときに矛盾を感じることもあるけれども。

今年から始動した田淵のライブハウス企画「CAP A ROCK」にて彼の持つロックバンドのライブにおける価値観や構想を存分に聞く機会があった。

あくまでファンではなく、一聴講者として参加させてもらった。もちろん全てを理解し、全てに納得したわけではない。それでも彼の持つ価値観には刺激を受けたし、自分にできることならやりたいとライブを形成する環境にも興味を持ちつつある。皮肉にもこのご時世ゆえに早くも色々と支援する機会もあった。

ライブにおいてアーティストとファンだけでは成り立ちようがないというもっともシンプルで当たり前の視野を深掘りさせてくれる良い機会になった。

そもアーティストからライブにおける価値観を聞く機会というものは一般人が普通に生活している中でそんなないだろう。それをあえて発信しつつも行動に移すところには彼のロックバンド、ライブハウスという場所に対する愛を感じることができた。


そしてなにより彼は自身のバンドであるUNISON SQUARE GARDENを愛している。

斎藤宏介を、鈴木貴雄を心底信頼している。(アーティストという観点において)

過去に何があったかなんぞ紙面上で見たきりなので実際に〜だったらしいよなんて責任感のない発言はできないが少なくとも現在、ライブにおける一挙一動、ラジオにおける発言からそこは疑いようがない。

一度生で観たら確信するはずだ。

去年、舞洲の15周年ライブで田淵はこう言ったのだ。

「UNISON SQUARE GARDENっちゅうのは...すげぇバンドだな!!」

すごく、すごく嬉しかった。

最初に綴ったようにUNISON SQUARE GARDENというバンドは私にとって趣味や環境を形成してくれた唯一無二の大切なロックバンドになっていたから。

一番大好きな人(家族は殿堂入りしてるからノーカン)が一番大好きなロックバンドを2万5000人の前で高らかにすげぇと言ってくれたのだ。

ものすごく幸せだった。


やりたいことを好きなように全力でやる。「THE KEBABS」の活動を見てもそのスタンスはよくわかるし別に誰を救いたいだとか誰の為にだとか大層なものを抱えて動いているわけでもない。

それでもその行動や言動によって救われた人間がここに一人います。本当にありがとうございます。

35歳の誕生日、おめでとうございます。これからも世界中を驚かせ続けてくれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?