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読んだ観た聴いたもの感想ざっくり書く 2021年8月30日~9月12日

▼マンガ
・『転がる姉弟 2』(森つぶみ/ヒーローズ/ヒーローズコミックス)
昨年あたりからの(具体的には『ダブル』からの)なんかヒーローズ最近すごいな…?攻勢の中の1作。両親の再婚により姉弟になった女子高生と男子小学生の日々の生活。祖父に会ったり、事情を抱えるクラスメイトの家に遊びに行ったり、そういういろいろからちょっとずつ何かを吸収して成長していく。1巻時点では『よつばと!』的に捉えたけど、注がれる視線がけっこう違うな。

・『海が走るエンドロール 1』(たらちねジョン/秋田書店/ボニータコミックス)
Twitterでのバズがきっかけで知った作品。最近の秋田のレディースの強さはすごいな。マンガ読みに完全に照準を絞っているようで、電子のライト層もきちんと視野に入れている。この攻め方ができるのがうらやましい…。
『傘寿まり子』『メタモルフォーゼの縁側』の系譜にあり、比較されることは避けられない(読者層も確実に重なっている)。肉体的な生々しさやほのぼのとした感動ではなく、思い切りファンタジーに振ってる感じではあり(今のところ)、鼻白む人もいそうだとは思う。ただ、描写の詩情はさすが。

・『ルックバック』(藤本タツキ/集英社/ジャンプコミックス)
実は、騒動後の修正版のまま収録されるのなら単行本は買わないつもりだった。作品の意図を捻じ曲げる自主規制が大嫌いなので。結果、表現したかったことは反映された形に落ち着いたという情報を得て購入し、そして買って帰ってすぐ一気に読んで、クソ~~~~~~~~~やっぱり面白えな~~~~~~~!!!!!!と唸った。
作家の描きたいことを優先して作品づくりができることが、うらやましくてしかたがない。間違いなく今年を振り返った時にタイトルが挙がる傑作。

・『猫奥 3』(山村東/講談社/モーニング KC)

肉球吸いたい…。
いま一番「何も考えずに浸れる」作品かもしれない。

・『東京ヒゴロ 1』(松本大洋/小学館/ビッグコミックススペシャル)
アートに振られすぎている感じが馴染めなくて、松本氏の作品を実はほとんど読んだことがない。のに今回は手に取ってしまったのは、やっぱり、漫画家漫画だからなんだよなあ…。そしてここでも、雑誌をつぶした責任を感じて退職するとはいえ、大手出版社と、そこに居た人間であるからこそできる仕事がうらやましくて溜息が出る。ここで描かれる「マンガ」は、自分が関わっている「マンガ」とは別のメディアだ。それを実感するごとにさみしくなる。

・『リトルローズハウスへようこそ』(幸田みう/大洋図書/H&C Comics)
ほとんどジャケ買い。最近気づいたけど、気になるBL作品は海外が舞台のものが多い。私がBLを読む時は「別世界に浸る」ことを目的にしていることが多いのかもしれない。本作に関しては、思っていたよりだいぶ読後感が軽くて、そこはちょっとだけ残念だったかな。

▼映画
・『ドライブ・マイ・カー』

春樹先生は若い頃からずーっと敬遠している作家なので原作は知らない。映画としての本作の前評判の高さと、面白い作り方がされた作品らしいという記事などがきっかけでの鑑賞。演劇やりたくなるなあ~という感想。面白かったけど、春樹先生的世界が好きな人が特に好きな作品だろうし、国際的な評価の高さもそういうところなのかなと思った。

・『OLD オールド』

監督のファンなわけでもないのだけど(何なら他の作品を観たことがない。『シックス・センス』すら観ていない)わかりやすくエンタメな洋画が観たくて鑑賞。目的が達成できたので満足、という感じで作品自体に特に言及したいことはないのだが、上映前の監督からの「劇場へおかえりなさい」というメッセージと、エンドロールにあった「covid compliance PA」というクレジットが強く印象に残った。

・『ファンタジア』

立川シネマシティでの極音上映、国内最終の煽りにまんまとつられて行ってきた。いやー、こんなものが1940年に作られていたのか……。恐ろしい。若き日の手塚先生が『バンビ』やコレを観て熱狂してしまったとしたら、それは無理のないことであるなと思った。キャラクターの居ないパートはどうしても集中力が切れてしまうところもあったけど、その分ミッキー登場時の「待ってました!」感も良かったな。「田園」のケンタウロスのシークエンスがめちゃちゃエロく見えたのは我々が手塚作品を経ているせいなのか、そうではなくもともと本能に訴えかけてくるものなのか。

▼展示
・「没後20年 まるごと馬場のぼる展 描いた つくった 楽しんだ ニャゴ!」@練馬区立美術館

見たいなあ、と思っていたやつ。駆け込んできた。天気が悪かったのでそんなに混んでないことを期待したのだけど全然混んでた。予約制じゃないし、そもそもが親子連れターゲットの展示であることもあり、それはもうワイワイしていたので、怖くなってしまって30分くらいでささっと退散してしまった。ショップも長~い待機列でなんだかなあ…という感じでした。一番見たかった他の作家さんのトリビュート作品とかはしっかり見られたのでよかった。あと、美術館がある公園もおもしろそうなところだった。時勢が好転したときにまた、来る機会があるといいな。

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また、体調に不安が出てきている。検索すると不安になる結果ばかりサジェストされて良くないな。

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