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読んだ観た聴いたもの感想ざっくり書く 2021年3月29日~4月4日

▼マンガ
・『健康で文化的な最低限度の生活 10』(柏木ハルコ/小学館/スピリッツ)
島耕作の罹患が大ニュースになっていたけれど、「ある」現実を描いているマンガは、触れられていないだけで、私が想像しているよりたくさんあるのかもしれない。貧困ビジネス編に受給者の軽度知的障害の可能性の話、そして給付金の話も絡んでの「ある」世界での物語。この作品の舞台がどこまでも「リアル」と地続きであることの表明であるなと思った。石橋~~~!

・『MANGA Day to Day 下』(講談社/ヤンマガKC)
安野モヨコさん(万年青)、コナリミサトさん(まゆげ)、窪田航さん(祖母のお葬式)、こざき亜衣さん(インハイなくなったなぎなた部)、晴智さん(旦那スペシャルの甘いコーヒー)、大町テラスさん(子宮体がん0期)矢部太郎さん(ひとりの4コマ)、北道正幸さん(書生くんシリーズ)。作品を愛読している作家さんが下巻のほうが多かったかな。試し読み集としても良い企画だったんだなと思った。

・『くる日もくる日もコロナのマンガ』(しりあがり寿/KADOKAWA/ビームコミックス)
『あの日からのマンガ』的な、『地球防衛家のヒトビト』からの抜粋といくつかの短編をまとめて編まれた「その」題材の1冊。巻末のインタビューでも語られていることであるけど、どう扱っていいのかが日々ゆらぎ続けていくテーマであるだけに、読後感もすっきりとはしない。けれど、ひとつの記録として重要な作品にはなるだろうと思う。『島耕作』『健康で~』もそうだけれど、マンガを含む、エンタメが同時代にこの事象をどう描写していたのかは、何十年も経ってから振り返ると興味深いものが見えてきそう。

▼小説
・『英子の森』(松田青子/河出文庫)
『スタッキング可能』からまんまとハマっていて、2冊目を読了。「英語を使った仕事」という呪縛に取りつかれ、なんとか脱出口を探る人々のしょっぱい日々をユーモラスにファンタジックに描く表題作はもちろん、この作品と同様に米文学を下敷きにしているらしい「わたしはお医者さま?」も、間に挟まるトリッキーな枠組みが愉快な短編群もとても面白くて好み。わりと筒井康隆さんとかの感じも連想してしまう。現在3冊目の『おばちゃんたちのいるところ』を読み始めています。

▼雑誌
・「フリースタイル 47号」(フリースタイル)
特集対談記事「私、「なろう小説」の味方です。」が気になって購入。「このマンガを読め!」の号以外を買ったの初めてかも。記事はたいへん興味深かった。「現象」として面白がっているだけではいけないのだけど、立場的に。ファンタジーアレルギーを克服せねばなあ…。

▼テレビ
・「ロンドンハーツ」
・「さんまのお笑い向上委員会」

前者は人気番組であることは知っていたけどいままで一度も見たことがなかった。後者はこの数ヵ月で初めて認知してわりと毎週楽しく見ている。しかしこういうトークバラエティの面白さってすげ~メタいな…と思ってしまう。というのはそれこそニューヨークがYouTubeで言っていたことでもあるけれど。おいしくイジられてるのうれしいけど(特に前者、隆さんにもスポットが当たったうえにふたりの関係性の話にもなっていてよかった)、いやほんとに、大変だろうなあ。

▼展示
・「増村十七原画展 バクちゃん展」
惜しくも全2巻で完結した『バクちゃん』。このあとも何か展開があるようで期待です。水彩の淡い優しさが満ちたカラー原画がとてもきれいだった。制作ノートも面白く拝見し、ひとりの「作家」が「作品」を「商品」化することの難しさをヒリヒリと実感した。

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休日の仕事の連絡にどの程度応じるべきかを迷っている。

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