マスク400枚作った
完全にマスク屋と化しております。深谷の古着屋でございます。色々と言われておりますが今は自分に出来ることをやるのみ。それ以上も以下もないです。飯食う時間以外マスク作りに励む日々。腱鞘炎になりかけています。しかしそろそろ次の一手を考え実行しないと生き残れない、そんな恐怖も背後から襲ってきています。
4月に入って店を閉め、オンラインストアを突貫工事で立ち上げて物撮りから着画に徐々に変えていき、そんな矢先にマスクを作ってみたら問い合わせが止まらなくなり今に至ります。マスクを作ってから自分の店の商品も追加出来ていないし、言ってしまえばマスク以外何も出来ていません。
うちは3歳と1歳の女の子が居て4月から下の子も保育園に行き始めた矢先のこの騒動で子供達も毎日家にいます。カオスでございます。仕事になりません。妻にも色々手伝ってもらっていて妻も思うように仕事が出来ずストレス、私も同じく、子供たちは遊びたいストレスで毎日この4ストレスの積み重ねでモクモク煙が出てきています。
そこはもうしょうがない。うまくバランスを取ってやるしかない。妻にはかなり辛い思いをさせているし思い通り動けなくて一番のストレスを抱えているのは間違いなく妻である事はわかっている。しかし今このマスクを一枚でも多く必要としている人に届けたい。もちろん困っている人の助けになれば嬉しいが実際そこが我が家の収入源であるわけでコケれば店も潰れる、大事な局面。
最初に問い合わせが殺到した為受注販売とし一回締め切ったがまだまだお問い合わせは止まらないので再販をした。そして今、またそのまた次の再販をする為用意をしていたところだ。明日のお昼に再再販をする。
正直な話、最初はお店の顧客様で必要な人がいればと20枚程度を予定して制作したが予想を遥かに超えて10倍以上の枚数を販売している。こんな事になるとは思ってもみなかった。マスクも材料集めが困難でどこに行っても必要なものが買えずそこに一番苦労した。
アパレル製造業上がりなのでモノには拘って、オリジナルの型紙を書きフィット感を重視した顔とのバランスで微修正を繰り返し大きく覆う形を採用した。
格段お洒落にする気は毛頭なくてどんな服にも合わせやすいシンプルなものにするというのは決めていた。普通で良い。そんな考えでデザイン、制作。
表と裏の二枚仕立てで構成し口に当たる部分にはダブルガーゼ、表地には綿か麻の生地を採用。洋服であったらコバステッチを走らせる必要がある箇所もデザインと見た目、着け心地を考えてステッチを排除し極力シンプルにまとめた。なのでアイロンがドチャクソ大変で多分アイロンしてる時間が一番長い。一枚縫うのにミシンは2分であるとすればアイロンで10分はかかっている。でもそれが私のこだわりであったので効率よくしてもそれが必要最低限だった。
そんなこんなで毎日作り続けていたら4月も月末。あっという間に支払いの月末。こうなる前に奥の手を使って現金は作っていたのでなんとか乗り越えられるが来月からが本気の勝負月となるだろう。果たしてマスクの先に何があるのかまだ降ってきていない。とにかく一旦自店のweb shopを更新しなくては。
明日の売れ行き次第ではまた作るけど多分流石に落ち着くだろうと思っている。前回や前々回のように即完売はもうないだろう。ある程度枚数揃えたし。そんな感じでマスク作りもこれにて終焉かな。毎日夜遅くまでやった甲斐もあり多くの人に励ましの言葉を頂き温かい毎日を過ごさせて頂きました。差し入れをくださった皆様も本当にありがとうございます。こんだけ頑張ってもいつものお店の売り上げほど稼ぐことは出来なかったけどそれ以上のものを得ることが出来ました。
最後に、洋服屋がマスク売ったら終わりだろ。って言う声が結構上がってきて聞くようになり、相手にもする必要がないとは思いつつも一応一言だけここに残しておく。山ほど言いたいことはあるが。
俺はマスクを売っているんじゃない。それに気づけない時点でそれまでだよ。
何もしていない人に言われる筋合いはない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?