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古着屋が行う染色体験ツアー終演

昨日、一周年特別企画である染色体験ツアーを無事終える事ができました。参加者の方に楽しんでいただけたようでホッとしています。今回の企画に賛同して頂き、ご協力頂いた染色工場「きぬのいえ」様。ご参加いただいたお客様に感謝を。本当にありがとうございました。

今回の企画はお客様自ら自分でやる事に意味があると思い体験という形で黒染めを選びました。お客様のクローゼットに眠る洋服を染め直すという企画です。世間では洋服の廃棄が問題になっていますが多くは売れ残りの新品です。そこは自分ではどうしようもできないので自分の身近で何か出来る事はないのか。という視点でこのような企画を立案した次第です。そこにプラスα、自分でやる事での愛着を付け加えました。

染めてみると面白いのは洋服の本来持つクオリティーが丸裸になる事です。ポリエステルの糸は染まらないので縫製が如実に現れ、良いもの、良くないものが分かります。オーガニックコットンを謳っている洋服も縫製糸はポリエステルだったりして残念な思いになる事も。逆に自分が思っていた以上に贅沢に作られている事もあります。糸も真っ黒に染まり、綿糸で縫われていたんだ!と驚く場面もありました。良い服はこだわりが詰まっていました。

染色し、洗って乾かしている間に寄居町の名店「今井屋」さんへ。行列です。カツ丼の有名店。予約をしていたので少し待ってすぐ入れました。良かった。独特の出汁の効いた甘いタレ。という表現が合っているのかわかりませんがそんな昔ながらの美味しいカツ丼を皆で頂きいろんな話をして工場に戻りました。

皆同じ染料で染めているのに生地の違い、混率の違いでそれぞれの黒に染め上がりました。またこれを機に袖を通してもらえるようになると一番嬉しいですね。

職人の井澤さんの話を皆が興味深く聞いているのが印象的でした。私も染色工場時代のお話をさせて頂きましたがそんな話が皆楽しそうで嬉しかったです。今回ご協力頂いた工場様と自分が働いていた工場は結構違う設備や染めなのでその辺の話だったり、同じ品番なのに色の違いがある理由などを染色工場の観点から話たりもしました。

今回この企画をやるにあたって募集した人数は10人。参加者は4人という結果。仕事で行けない方、やりたいけど染めたい服がない方なども居ましたが正直なところ4人しか集められなかった自分に残念な気持ちでいっぱいで、猛烈に反省中です。経営をされている方なら一目瞭然ですが参加費¥5,000昼食付きで工場様と私の取り分を出さないと行けないとなると確実に無理ゲーの大赤字企画だったわけですが一周年特別企画という事でまずはやってみた次第です。

工場さんには休みの日にわざわざ出勤頂き、染料や助剤、光熱費、指導を頂き(お茶やお菓子もご用意して下さった。泣)対価を渡せなかった事、私の責任であります。それなのにまた続けていきましょう、最初はこれくらいがちょうど良いですよ。と背中を押してくれる優しさ。本当にありがとうございました。

しっかりと恩返しさせて頂く為に私もこれからより一層頑張らなくてはいけません。その為にもこのお店を通してたくさんの方に洋服を愛してもらい楽しさを分かち合える仲間を更に増やしていく必要があります。こんな畑の中でお洒落だと言われるような古着を並べて生き残っていけるわけがない自分のお店をどうにか生き残らせないといけません。それもこれもどう転ぶかは自分次第。簡単に言えば頑張るしかないです。猛烈に頑張ります。

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