メイクって楽しい~!!!!―推しのために資生堂パーソナルビューティセッションに行ってきた話
恋をすると人は変わる
かわいくなりたい。
綺麗になりたい。
私がそういうことを強く意識するようになったのは、新たな「推し」が出現したためであった。
坂本昌行さんである。
これまでにも推しはいたが、去年、瞬く間に落ちた。びっくりするほど早かった。圧倒的運命の出会いだった。
正直それまでは「うたばんで吉田照美さんに似てるっていじられてた人」っていう認識しかなかった。V6についてもHONEY BEATとかWAになっておどろうくらいしか知ってる楽曲はなかったし、「学校へ行こう!」が彼らの冠番組だということすら分かっていなかった。
そんな人間がどのようにして沼に落ちたかというと、ツイッターでフォローしている方がV6のファンで、特に坂本さんについて話しているのを見かけたのがそもそものきっかけだった。
その方の坂本さんに対する「好き」であふれた言葉を目にして、なんとなく彼について調べてみた。
ジャニーズを退所し一般企業に就職した経験があり、V6としてデビューしたのが24歳(当時としては遅いデビュー)という苦労人。抜群の歌唱力を持ち、ディズニー映画「ターザン」の日本語版主題歌・劇中歌の担当を務め、ミュージカル俳優としても活躍している…
えっこの人サラリーマンだった経歴持ってるの?てことは電話とったり名刺交換したり残業した経験を持つジャニーズってこと?えっターザンの曲って「ストレンジャーズ・ライク・ミー」?You Tubeで歌のシーンだけ見たことあるけどあれ歌ってんの?うますぎない?いやプロにうますぎるとか失礼だけど。いやでもマジであんな綺麗で余計なものが一切なくてターザンが新しい世界・自分を知り始めるドキドキした気持ちとか喜びの気持ちを歌で表現してるのヤバいな?「You'll Be in My Heart」も聴いたけどなにあの優しい歌声?君のそばに僕がいる?いてくれ。ふたりの愛が運命さえも変えてく魂だと信じよう?信じてぇ~~~~!!!!!!!
こんな感じでどんどんどんどん彼に対する「好き」という気持ちが大きくなり、そして「Can't Get Enough」のMVを見てとどめを刺されたのである。即AmazonでポチったしFCにも入ったよね。どれほどの破壊力だったのかはぜひYou Tubeで確かめてほしい。「あっ(察し)」ってなるはず。なんで歌だけじゃなくダンスもヤバい(語彙力)の?色気が服を着て踊ってるよ…というかV6めっちゃ踊るな……歌もめちゃめちゃ良いな……かっこよ……ん~~~~~好き~~~~~!!
そうして見事に坂本昌行とV6の沼にはまった。
いや、これはもう恋じゃないか?
そうだ。恋だ。恋をするなら坂本昌行ってTVガイドpersonさんが言ってたし。はい決定。
オシャレをすることの意味とは
さて、恋をした人間がどうなるかというと、当然「相手に良く思われたい(好かれたい)」という気持ちが生まれる。
と言ってもアイドルとファンという関係でしかないから、そもそもこちらを個人として認識してもらうのはまず無理である。
だがそんな中でも推しの視界に自分が入るかもしれないという淡い期待を抱いてしまうときがある。
そう、「現場に行ったとき」である。
私が自分の容姿を整えることに気を遣うようになったのは、社会人になりお金と時間を自分で作って自分で使えるようになったことで、「現場に行くチャンス・実際に行く回数が増えた」ことが一番影響していると思う。
正確には学生時代も3回ほど推しの現場に行くことができたのだが、チケット代や交通費、グッズ代を捻出することばかりに頭がいきがちだった。
自分が働くことで稼いだお金、しかも今まで手にしたことのない金額だから、基本的な費用(チケ代とか)だけだったらそこまで悩まないようになった(それより「推しの姿をこの目に焼き付けたい」「推しと同じ空気を吸いたい」という気持ちの方が圧倒的に勝ってるし)。
費用面にちょっと余裕ができ、次に意識が向いたのが「自分の見た目」に対してだった。それまであまり考えていなかった「他人に自分はどう見えているのか」ということを考えられるようになったのである。大人である。
好きな人に会う時、相手の喜ぶ顔、照れる顔、「かわいい」と褒めてくれる時の笑顔を想像しながら、めいっぱいオシャレしてメイクをする。不安と期待でドキドキしながら…そんな恋する乙女の気持ちを、私はやっと理解できるようになった。
大学でお世話になった先生が授業中してくれた話だが、学生時代、自分を好きだという人にデートに誘われ、当日しっかりオシャレをして待っていると、着古したジャージ姿の相手が来たのを見て、「私は自分に好意を寄せてくれている人に対して失礼のないよう身だしなみを整えたのに、この人はそういうことを考えずに私に会いに来たのかと思い、がっかりした」という。
どんなにメイクや服をばっちり決めてきたとしても、それらが相手からすると好みでないことはある。でも、大切なのは「相手の好みに合わせること」じゃなくて、自分の容姿を整えることは相手に対する礼儀であり、「この人は私に会うためにオシャレをしてきてくれたんだ」と喜んでもらえることなのかなと、その話を聴いて思った。
自分の好きな人がいる現場に足を運ぶ以上、失礼のないように常識やルールの範囲内でオシャレをする。そしてそれは好きな人に対する愛でもある。
そんなわけで、ちゃんとしたスキンケアや小顔マッサージ、HIIT(短時間に高負荷の運動を繰り返すことで脂肪がめっちゃ燃焼されるというアレ)を毎晩やるようにし、ネットや雑誌でメイクやファッションの情報を収集したり、化粧品を考えてから買うようになった(それまではもっぱらパケ買い。今でも時々するけど)。
そして極め付けが、今回お話する「資生堂パーソナルビューティセッション」の受講である。
(前置き長い)
レッスン受講に至るまで
私がこのレッスンを知ったのは、ブログなどネットに上がっているさまざまな体験レポートを読んだことがきっかけだった。
自分の顔を機械で細かく分析し、顔のどのパーツを、どのくらいメイクで変えればもっと魅力的になるのか。そのためにはどんなメイクを施せばよいのか、本や動画では知るのに限界がある「自分に合ったメイク」を教えてもらえる。
お値段は多少張るが、一番知っておきたいメイク方法を身に付けたい…というかそもそもメイクは自己流でまじで迷走しながら毎日やっちゃってるのでそんな日常からいい加減抜け出したい…毎回毎回眉毛とかアイメイクうまくできなくてキレるのやめたい…
そう思って予約フォームに初めてアクセスしたのが、去年の10月だった。誕生月が11月なので、自分への誕生日プレゼントにいいかなと思い、1か月前から予約可能ということでやってみようと思ったのである。
が、このメイクレッスンは多くの方がご存知のように、めちゃくちゃ予約がとれない。
11時ジャストに予約日時の選択をし、ユーザー情報の入力画面へと進んだ。入力を終え、確認画面に進むボタンをクリックした瞬間、私は「よし、これで予約完了できた」と思ってしまった。
大間違いだった。
すでに枠が埋まったことと、キャンセル待ちへの案内が表示されたときの驚きと絶望と恐怖が混じったあの感情を今でも忘れることはできない。なんで予約開始時間から20秒くらいしかたたないうちに入力終わらせたのに空きがなくなってるの?予約できた人は時間を止めたの?私は一体何をしていたの?え????
そんな恐怖体験をあと3回ほどしたところで、私はwebからの予約をあきらめ、電話予約に賭けてみることにした。
電話でも2回失敗(いずれもかけるタイミングが早すぎて営業時間外のアナウンスが流れて切れてしまった)し、3度目の正直でようやく予約にこぎつけた。1月の初旬のことである。
今回受けたのは「ゴールデンバランス&パーソナルカラーメイクアップレッスン」。自分のパーソナルカラー問題に決着をつけるべく、そして推しのメンバーカラーを使ったメイクが可能かどうか知りたくて、このコースにした。
当日を迎える
レッスンの場であるSHISEIDO THE STOREの4階は、ちょっと分かりづらかった(同じ店内でも4階に行けないエレベーターがある)。
まずグーグルマップがTHE STOREじゃなくてその隣の資生堂パーラーに案内しやがったのがそもそもの間違いだったのだけど。なんでTHE STOREで検索したのにパーラーが出るんだよ。確認しろよ自分。案内してくださった店員さんは神。
ただでさえ銀座という街を怯えながら彷徨っていたのに、2分ほど遅れてしまって申し訳なさでメンターの方の顔もまともに見れなかった。
緊張と罪悪感でいっぱいになりつつ、クローゼットのドアに手をぶつけながら荷物をしまい、手の消毒を済ませたところで、いよいよレッスンが始まった。
➀カウンセリングとスキンケア
まずはカウンセリングシートへの記入。ここでメイクに関する要望や知りたいことを書くのだが、私が実際に書いたのは以下の通りである。
・ベースメイクでファンデーションやコンシーラーを使うべきか迷っている。使うとしたらその方法を知りたい。
・目の印象を強くするメイクを知りたい。
・顔の余白を目立たないようにしたい。
・品がある色気のある顔にしたい。
ベースメイクについては、初めて化粧品を買いに行った大学1年のとき、BAさんに「下地とフェイスパウダーで十分ですね」という言葉でこれまで突っ走ってきたのだが、最近ニキビ跡や赤みが目立つようになり、それを隠すためにはやはりベースメイクを見直さなければならない。でもあれこれ顔に塗ったりすることでニキビが悪化したり、毛穴の詰まりがひどくなるのではないか…あとファンデの厚塗り感がどうしても苦手だから使うの気が引ける…という思いから書いてみた。
アイメイクはメイクの中で一番迷走していて、アイシャドウやアイライン、ビューラー、マスカラを駆使しても、イマイチぱっとしないというか、目がぼや~~っとした感じで、バチっと決まった試しがない。
顔の余白も、面長だからおでこは前髪でなんとかなるものの、目が小さいから目から下がとにかく広く見える。のっぺりしてる。塗り壁顔。やだそんな顔。
で、最後の「品がある色気のある顔」。これ書くのかなり恥ずかしかった。書くのすごい迷った。でも色気は欲しいので書いた。イイ女風の顔になりたい。
メンターの方に「色気のある顔にしましょう!」と力強く言われたので、「この人と一緒に私はイイ女になるんだ…!!」という思いを込め、私も力強く頷き返した。戦友を得た気持ちってこんな感じなのだろうか。
すっぴんの状態で顔分析をするため、まず化粧落としとスキンケアをしてもらったのだが、その間もメンターさんはアドバイスをしてくれる。
「むきたまごみたい…お肌綺麗ですね」「これならファンデいらないって言われますね」とめちゃくちゃ褒めて私の自己肯定感をぶち上げてくれるだけでなく、
「でもちょっと赤みが強いですね。皮膚の毛細血管がダメージを受けてるんですよ」「寒い所から急にあったかい所に入るとか、そういうことですぐ切れてしまうんです。糸よりももろいので…」と気になっていた肌の赤みについて教えてくれた。
そんで赤みに効く敏感肌用の化粧水と乳液を使って超気持ちいいスキンケアをしてくれた。まじうっとりする(ひどい感想)。
②顔分析
そしていよいよ自分の顔を分析するときがきたわけだが、まず自分のすっぴんを直視しなければならないという拷問に堪えなければならない。目が思いっきり死んでるんだけどこの人生きてる??この顔ちゃんとまともになりますかね???
言葉で説明するのが難しいので、印刷してもらった顔分析のシートを載せておく。
私は「眉」「鼻」「口」の位置が顔全体から見て良い位置にあるらしい。思った通り面長だったし、離れ目だった。数値化するとすごく分かりやすくなる。
あと、位置は問題なくても、眉は眉山の位置が高いため、目の位置が低いのと合わさって眉と目の間が広すぎること(それで余計に目が小さく見えてしまう)、唇の幅が狭く下唇が薄いこと、下唇の左半分が右半分より狭まっているので、形を整える必要があると指摘された。
肌色分析は案の定、赤みよりの肌色…というより首の肌色と色味が違いすぎて笑った。やっぱり顔の肌がダメージを受けてしまってるとのことで、ファンデやコンシーラーでカバーする必要があると言われた。
「今まで肌に良くないと思ってファンデとかやってこなかったんですけど…」と言うと、
「今のお客様の肌は裸の状態。裸のまま外に出たらだめですよね。ファンデやコンシーラーは服の役割を果たすので、服を着てお肌を守る必要があります。大事なのはちゃんと服を脱ぐこと=化粧落としをしっかりすることです」
とめっっっっちゃ分かりやすくて納得のいくたとえで説明してくれた。私今までほぼ裸を晒してたのか。ド変態じゃねえか…
ファンデで肌を外気などから守ってあげること、そしてしっかりクレンジングと保湿をすることが重要だとようやく理解できた。というか、さすがに学生時代よりも肌の質が落ちているんだから、ちゃんとメイクも変えていかないとダメだった。
③パーソナルカラー診断
メイクの方向が決まってきたら、次はパーソナルカラー診断。
少し前に簡易診断を無料で受けさせてもらえる機会があり、その時はブルベ夏と言われたのだが、それをメンターさんに伝えると
「あ…そうなんですか…??」
と腑に落ちない様子。
まずは手の指の腹を押さえ、指先の色の変わり方を見られた。
私は赤っぽいピンクになったが、それを見て「あ~やっぱりイエベですよ」とメンターさん。
は?私、イエベなの?????全然夏じゃないじゃん?????
「私はブルベなんですけど、指先の色がちょっと紫になるんですよ。でもお客様は赤くなってるので、多分イエベです」
そう言ってご自身の指を押さえて見せてくれたのだが、たしかに紫っぽくなっている…
あと頭皮の色(大半の女性は赤ちゃんの時以外髪の毛をすごく短くしないので、生まれたままの肌の色を見ることができるらしい)も見てもらって、やっぱりイエベだと判明。
簡易診断を受けてからサマータイプにあう色のアイシャドウやリップ、服を選んできた(加えて自分の好きな色がサマータイプの色に多かった)ので、かなりの衝撃を受けた。
まあ正直、本当は自分はイエベな気がする…と思うときがないわけではなかった(シルバーよりゴールドのアクセサリーがしっくりくる、血管の色が緑がかってる、くすみピンクやグレーのものを身に付けてもパッとしないなど)ので、ちゃんと自分のパーソナルカラーがわかって安心した。
色の布を顔の下にあてていくやつもやってもらったのだが、その色がパーソナルカラーかそうでないか、一目瞭然なのが「目の下のクマ」だった。
まずウィンターとオータムタイプの色をあててみると、ウィンターは明らかに色に負け、オータムは顔色がどんより、具合悪そうに見えた。この二つは自分に合っていないことが分かりやすく表れた。
残りはスプリングとサマー。どちらも明るめの色系統だが、サマーはやわらかいパステルカラーが合うタイプで、スプリングはビタミンカラーが合う、サマーよりも彩度が高い色味。
二つのタイプの布をあてると、どちらもウィンター・オータムほどはっきり顔色の違いが出るわけではなかったが、サマーの布をあてた方が、クマが強く出て見えたのである。
私は童顔で、それを克服したくて「色気のある顔」「大人っぽく見える容姿」を目指しているのだが、スプリングタイプの特徴・強みである「若々しく明るい色が似合う」ことが分かり、「顔立ちが子供っぽいとネガティブに捉えるのではなく、色を使ってフレッシュな印象に持っていけばいい」という考え方もあるんだ、とハッとさせられた。
あとオレンジメイクができることが分かったのもめちゃくちゃ嬉しかった。テラコッタメイクとかピーチメイクとかすごい気になってたし…
パーソナルカラーも判明したところで、それに沿ったリップやシャドウなどの色をメンターさんと選び、いよいよメイクを実践することになる。
④メイクを実践
ベースメイクでは、下地のいらないクッションファンデを使ってもらった。簡単にベースメイクの済むファンデを選んでもらったのは、「ちょっとめんどくさがり?」というメンターさんの質問に対し、「ちょっと…」とヘラヘラしながら答えたからなんだけど、ちょっとどころじゃねえだろお前ぶりっこすんな。
ファンデには付属のパフがあるのだが、それではなく「HANATSUBAKI HAKE」という資生堂が販売しているブラシを使って塗った。
このブラシ、見た目が変わってて、椿をモチーフにしているのだが「肉球(byメンターさん)」にも見える。
これにほんの少しファンデをつけ、両頬・額・顎に一回ずつトン、と置いていく。そしてクルクル~っとブラシで円を描きながら伸ばし、赤みの強い部分にはトントンする。これでベースメイク完成。
早い。朝は1秒でも長く寝ていたいタイプの人間にうってつけである。そしてそこまで厚塗りじゃないのにちゃんと赤みをカバーしてくれて、肌を綺麗に見せてくれた。この時点でもう感動していた。
ささっとベースができたところで、お次は眉。
眉山の位置を低くして、眉全体も3㎜ほど低くして目に近づけるのと、あと私がしていた眉メイクは「眉頭の方が細くて眉尻が太くなってる」ので、男眉になっていた。女性的な眉は、眉頭を太くして、眉尻にいくにしたがって細くなるのだという。
なんか眉がしっくりこない、チグハグな気がしていたのは「思いっきりフェミニンなメイクしてるのに眉だけ男」だったからか…そんな顔で銀座の街を歩いてたの…?なにしてんの…??
いつもの癖で眉を上の方に描いてしまいそうになるのをメンターさんに直されながら、なんとか描ききることができた(ほぼメンターさんにやってもらったようなもんだけど)。
使った道具はこちら。
アイメイクは、アイラインに関しては「目を開けた時ラインがちょこっと見える程度にまで引く」「黒目の上~目頭にかけて太めにする」「目尻は指でこめかみあたりを引っ張り、その指の方向にラインを抜くと綺麗に決まる」ことを教わった。思った以上にがっつりラインを太めに引くことで、ぱっちりな目に近づいた。
さらにビューラーをうっすらできている二重線のところに食い込ませ、まぶたに覆い隠されていたまつげを押し出し、根元をしつこくしつこくギュギュっとする。この時の顔が多分一番他人に見せたくない顔。
ビューラーを入れたことで少し強くなった二重線をアイラインでなぞり、より目をくっきりさせることができた。あれ私二重だったっけ?ってなる。
アイシャドウはまず一番色の暗い、いわゆる締め色でアイラインの上をなぞるように塗り、アイシャドウとその上の何も塗っていないところの境目に明るい色を塗る。さらにその上の境目にもっと明るい色を塗り、上まぶたは完成。
下まぶたは締め色の次に暗い色を眉尻の根元から黒目の外側あたりまで塗り、残りの部分に一番明るい、ラメがザクザク入ったシャドウを塗る。
私はチップで塗る際、シャドウをチップの先端にちょんちょんつけてから塗っていたのだが、「もっとがっつりシャドウを取ってください」と、メンターさんがチップでシャドウの上をビーーーーッと削り取って、それから下まぶたにビャーーーッ塗っていくとめっちゃ色のりがよかった(当たり前だけど)。私に足りないのは勢いと覚悟だった。あと下まぶたにラメがしっかりのるとテンションあがる。すごいうるうるになる。
チークは、赤みが強い以外にもともと血色のいい顔なので特に必要ないとのことだった。
というわけで最後にリップ。リップペンシルで唇の形を変え、ここでもチップにたっぷりとグロスをつけて思いっきり唇にのせる。自分で言うのもあれだけど、それだけでエロい唇になったのはびっくりした。赤リップがちゃんと馴染む顔だと分かったのも嬉しかった(逆にヌーディ―なやつやベビーピンクとかは顔がパッとしなくなった)。給料入ったら赤リップ買おう…
⑤メイク後の顔比較
全てのメイクが終了し、改めて顔を撮影。最初に撮った自己流メイクの顔と比較するのだが…
劇的ビフォーアフターすぎた。
顔写真は載せられないが、本当に、本当に別人かってくらい顔が違う。ちゃんと色気がある…!
まず目の大きさが全然違う。眉と目の間隔を狭めたことと、アイライン・シャドウをがっつり施し、まつげをグイグイ上げたことで、眠たそうだった目がはっきりと、なおかつ不自然に大きすぎない、元々その目の大きさであるかのように顔にくっついていた。
そして唇。とにかくつやぷる。綺麗。なんかイキイキした唇になった。形を整えたことで口角も上がって見えて、むすっとした顔が改善されてる気がした。
いや~~~~~これはイイ女だわ。これで「私は坂本昌行の女です」ってちゃんと言えるわ(言うな)。メンターさんも「色気出てますね!イイ女になりましたね」って言ってくれたし?
もうイイ女ってことでいいね??(メンターさんありがとうございます)
メイクって、楽しい
とてつもない満足感とすごい変身っぷりに気持ちが高揚し、「うお~~~」とか「はぁ~~~~すごいな~~~」しか発声できない私を見て、メンターさんがこんなことを言った。
「メイクって、楽しいでしょう?」
そう言ったメンターさんは、顔の半分はマスクに隠されていたけれど、すごく素敵で、美しかった。
美のプロである彼女が「メイクは楽しいものなんだよ」と教えてくれたことは、私にとってなによりも大きな学びとなった。
私はメイクで顔を変えることを「詐欺」と呼ぶのが苦手だ。
詐欺は、悪意をもって他人に害を与えるものであって、メイクをするという行為には本来当てはまらない言葉のはずである。
すっぴんとあまりにも違う顔で、メイク前の顔を他人に見せたとき「全然違うじゃん!」と驚く(露骨にがっかりする人もいる)から、と「詐欺」という言葉を使うのは、なんとなく分かる。あと、この場合で使う「詐欺」は、そこまでネガティブな感情は含まれていないだろう。
ただ、やっぱり「自分をもっと魅力的に見せたい」「かわいくなりたい」という思いでするメイクと、その努力で完成された自分の顔を「詐欺」だと言うのは、私は悲しくなる。
そもそも、自分の顔をすっぴんと違うものにすることってそんなに悪いことなのだろうか。
自分で欠点だと思っているものをチャームポイントとして捉え、あえて隠さずにいる、っていう考え方は素敵だ。でもそれと同じく、自分の中で欠点としている部分をカバーして、素顔とはまた違った顔にすることだって素敵なことだ。そして、「すっぴんと違う顔」であっても、私は私であることに変わりはない。
「自分はこういう顔(印象)にもなれるんだ」って分かるの、めちゃくちゃ楽しいし、どんどん自分のことを好きになれるんだと、私はこのレッスンで強く感じた。
「メイクって楽しい」。この言葉を胸に、これからも私はメイクを楽しみたいと思う。
推しのために。そして自分自身のために。
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