秋の風に揺られながら眠りたい。

段々と、涼しい風が吹き出す九月。

田舎のさらに山の中にあった実家は、冬じゃなければいつも窓を開けて寝ていたような気がする。

女子大生、いや男子大学生でも、結婚して家庭を持っても、そこそこの街に住めば、窓を開けて眠ることは許されない、というかちょっと危ない。

本当はカーテンも開けて、網戸から入ってくる風の中で眠りたい。この季節の風はなんて気持ちがいいんだろう。

春の風も好きだけれど、如何せん私は花粉症だし、昨今の夏の熱帯夜にクーラーなしで窓を開けて寝たら、それこそ天国への第一歩。冬は、語るまでもない。

秋の夜風が本当に好きだ。

日本の季語には「爽籟」、「金風」などの秋の風を表す言葉がある。私は、日本語や文学を専攻しているわけではないので、詳しくはないが、字面も音の響きもなんとも秋の香りがして素敵だ。

とにもかくにも、私は秋は夜風の中で眠りたい。

夏の残り香と冬への準備の空気を孕んだ秋の風。

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