あんたがたの導線ってなんだろう

この記事はさやちぃ。さんの「Twitterのあんたがたに Advent Calendar 2020」20日目の記事となります。

初めましての方は初めまして…そうでない方はおはようございます…fumiと申します。
普段はRe:cursiveという団体やHydraという仲良しギルドで謎を解いたり作ったり、雑談したり茶番したり寝室に飛ばされたり不思議な日々を送っています。

さて、そんな私があんたがたの作問を初めてしたのはatgt2019でした。作問に入った理由はすごく単純で、「解けないから作問に入った方が楽しめるな」と感じたからです。当時は「わかんね〜〜〜〜」と言いながら作問し(0.2問くらい)、全く作れず悔しい思いをしたのでatgt2020gwのGMへ参加、リベンジの気持ちで行い、まあなんとか1問くらいは作ることができました。

そしてその後Hydraとかいう仲良しギルドに入ることになり、高難易度謎をわんさか見たり作ったりすることになりました。

…ということは、今なら問題を作っていた当時よりあんたがたについて理解を深めることができるのでは?????と思い、高々2回しかGMをしてない身ではあるのですがこうやって記事を投稿しようと決意しました。

というわけでこの記事では、改めてこのタイミングで自分の作った問題を振り返りながら自分でボコボコにダメ出ししつつ、「作問って難しいね」って話をしていきたいなって思っています。

一発書きなので文章はちゃめちゃになると思いますが!ごめんなさい!何故なら投稿する時間まであと6時間しかないんです!

○今回振り返る問題はこちら

atgt2020の2問目で出されたこの問題です。

画像1

なんか最近どこかでみたことあるなぁ…私自身は別にこの問題を再掲した記憶はないのですが…不思議なことがあるのですね。一瞬ここにインクこぼしてぬりつぶすか?と思ったりしましたが、遠い過去の話のように感じます。

○当時の問題ってどう解いていくんだっけ

当時の解説ページにあらかた書いたのでここではさらっとおさらいします。

この問題はそこそこ見かける”共通する漢字のパーツは同じアルファベットで書かれている”ことを察して16個の漢字を作り上げてくださいね、というやつでした。面倒なので以下ではこの形式の問題を”漢字ジグソーパズル”と呼ぶことにします。
漢字を作り上げた後は漢字の下に書かれているアルファベットが読み仮名に対応していることに気がつき、順に対応させていくと「さすけのいけのあかいはこ」という文章が出てきます。SASUKEの2ndステージの池をw3wで探すと「post」という単語が入る区画があるので現地が確定できる…という問題でした。

ただし、この問題はあんたがたの問題です。汎用漢字でいくらトライしたところで全て埋まる組み合わせはありませんでした。じゃあさらに第n水準と言った難しい字を探して…いや、結局全文字を埋める組み合わせはありません。

実はこの漢字ジグソーパズル、現存している漢字だけではなく、創作漢字コンテスト内で入賞している字を使わなければなりませんでした。コンテスト入賞作品と汎用漢字を組み合わせることで全ての漢字を埋め、現地を割り出すことができるね!…となるのです…うーん懐かしい…うーん…

○当時は何を思って作問したんだっけ

当時の記憶によると、作問した私のこだわりは4つです。
・「漢字ジグソーパズル」であることはまぁ察することができる
・初手くらいは深く考えず察しが着くくらいの難易度になっている
・創作漢字に気がつかなければずっと答えを導くことができないようにする
・創作漢字に気がついたらあとはすらすら埋まるレベルである

一つ目の課題はまぁ大丈夫でしょう、そんなヘンテコパズルではないし誰かしら見覚えのある形にはなっているはずです。

二つ目の課題から考えましょう。初手で何一つ埋まらず数時間にらめっこ…という展開は望んでいません。なまじっか解けるように「侍」「待」のように似たような漢字を混ぜ、ワンピースのONoffがあるだけの字を作ることで「多分この漢字が入るよね」「じゃあここにはこれが入るんじゃね?」「おお埋まってきた…あれ?」となることを期待していました。

三つ目の課題として、創作漢字を使わなければ答えが出ないようにする必要がありました。仮に創作漢字を使わず全てのマスが埋まってしまった場合、その答えを否定する材料がないからです。そのため、今回は第三水準までの漢字を対象に別解が出ないように調べ尽くしました。一応パーツ間に線が引かれているかどうかでパーツ同士がくっついているかいないかがわかるようになっており、少し制約を強めてはいます。めっちゃしんどかった割に調べ漏れがあった場合重篤なバグになるので生きた心地が全くしなかったです。2度と経験したくない。

四つ目、創作漢字に気づいたらあとはパズルで迷わせる必要はあまりない、ただのストレスになってしまうので、「絶対これ創作漢字の構成だろ」という分解のされ方をしている文字を混ぜたりしていました。縦4分割とか普通されないだろ…などです。

いろいろ考えながら作った甲斐があり、当日は無事正解現地までたどり着いていただけました。いただけたのですが…

○当時はどういう流れで解かれていったんだっけ

迎えたあんたがた当日、この問題は2問目に配置されました。まぁ気づけば多分1時間かからないし序盤勢いをつけるためには妥当な位置な気がします。

…ところが思いっきり予想は外れ、「創作漢字」というワードが一瞬出ただけで、ずっと第n水準の漢字で組み合わせられないかを考え続け4時間が経過してしまいました。ヒントによって創作漢字であることに気がつき、そこからはすぐ終わったので読みはよかった気はするのですがなんかこう変な気分になってしまいました。

…私が作りたかったのは本当にこういうふうに解いてくれる問題なのか?作った時に描いていた、見たかった景色は本当にこんな感じなのか?

○本当にその導線で良かったのでしょうか?

実はこの問題、デバッグをしていただいた際に大きな動線を二つ消しています。

一つは小さな導線として、全体的に用いられていた色は元々黒ではなく、創作漢字コンテストのページに多く用いられていた(恐らくテーマカラーである)緑色を使っていました。まぁ創作漢字に気づいた後は確信に変わるかなぁぐらいの気持ちで決めていました。
また、汎用漢字と創作漢字が一つのパズルに共存する関係上、「どれが汎用漢字でどれが創作漢字がわかるようにしておいた方がいいのでは?」という思いがありました。そのため、別に一つ大きな導線として、創作漢字である字にはコンテストページに発表された漢字同様、付箋のように右下が捲れているデザインになっていました。これだけで創作漢字であるとはわからない気はしますが、「何かあるな?」という思いは植え付けられるかなと考えていました。

ところがデバッグしていただいた方に、「これだと多分30分くらいで終わっちゃいますよ」と言われ、2日くらい迷った結果、「あんたがたに”挑戦”します、だし生半可に優しさを出すのは良くないかな」となり、思い切って両方削除してシンプルな見た目にしました。(念のためですが、別にデバッガーの方を悪く言ってるわけではないです、いただいたこの話は正しいなって思ってます)
とはいえ、チラッとTwitterの方で「えー創作漢字っていう導線はないよね」みたいな文章を見て、悲しい気持ちになったことを覚えてます。なぜなら、その意見は一言の反論すらできないほど正しいと感じてしまったからです。せっかく別の方に天才的なw3wを見つけていただいたのにうまく生かせずこんな感想を抱かせてしまうなんて…
私はどれくらい優しくなれば、または厳しくなれば良かったのか?

○あんたがたの導線ってなんだろう

さて、この作問が終わってから、今回の記事のタイトルにした「じゃあ、あんたがたの導線ってなんなんだ?」という疑問をずっと持ち続けることになりました。やっと本編だ…

あんたがたの問題には、ヤバヤバひらめき一発勝負(表現が正しいかは知らない)の問題があったりするので「そんなわかりやすい導線っているのか?挑戦だろ?」が自分の中でちょっとだけあります。
その一方、私は紛いなりに謎制作をしている、まして最近はヤバギルドに入ってしまった人なので、やっぱり解いていく人が何を思いながら解いていくのか、という導線は大切にしていきたいという想いが強くあります。
では当時の導線と思っていた事柄は今考えるとどうなんでしょう。まぁダメだったからあんなことになったんですが…

一番私が反省するべきなのは「ないことは導線に成り得る」ならば「ずっと既存の漢字で解が見つからないのであればそれは導線になる」、と考えていた点にあるのでは?と考えています。

「ないことは導線になりうる」というのはまぁあながち間違いではないでしょう。しかしそれは「解なしであることが明確にわかった場合」かつ「問題にバグはなく確実に解があることが分かっている場合」に限定されるのではないでしょうか…
今回のような場合、「既存の漢字で組み合わせが存在しない」のは非常に労力がかかります。まして第n水準のような漢字を用いるとすると、一気に選択肢となる漢字が増えてしまいます。ましてそれを16個用いるわけですから、爆発的に組み合わせの数が増えてしまいます。それを解き手に「全部チェックしてないことを確かめて」というのは少々無謀のように今なら思います。試したところで結論が「解がない」なので、まさしく解き手は試した「甲斐がない」と感じるポイントになってしまうでしょう。あの日の私、何やってんの?
いくら「挑戦」とはいえ、それはちょっとフェアじゃないんじゃない?と思ってしまうのです。

○別にこれでいいのでは、というのわかるなぁ…

と、ここまで書いてきてなんですけど、「いや別にこのままでいいだろ」と言われたら私は何一つ返す言葉はないです。色んな人が(たまに人であることを疑いたくなる事があるけど)いろんな作問をするからこそ、今日のあんたがたがあり、毎日楽しめるような企画になっているのでしょう。

論理的に解ける激ヤバパズルがあり、一人気付くか気づかないかの超ひらめき問題があり、数の暴力で推し進めて団結力が試されるような圧倒的絶望問題があり。それら全てが楽しめるのがあんたがたなのでしょう。きっと。

そんな中だからこそ、作問をする際に、「自分は何を持ちこみたいか」「何を解かせたいか」をしっかりと持っておけば良かったなぁ…と思っています。「創作漢字使いて〜〜」だけではなく、「こういうことすれば楽しくできると思うんだよね」って言えていればひょっとしたら違った結末をがあったのかな…と思います。謎製作では結構考えることなんですけどね。こうして土台が変わるとこうやって文章を書くまで意識しなかったですね。不思議。
そんなこと考えずにゆるふわで作ることができればいいんですけど、私はなんか考えてしまう性なので、うーん難しいなぁとか色々永遠に悩むことになるのでしょう。
だってこんな気持ちで作った問題が誰かにとっては記事に取り上げられるほど記憶に残ったりお礼参りされたりする訳じゃないですか。異例な気はしますが…ランプ壊してしまったりしているので…そこまでは知らんけど…

さて、次にあんたがたで解く事になる問題は、それはどんな思いで作られた問題になるのでしょう。そして仮にまた作問する機会をいただけたなら、私は何を作るのでしょう。その時は何を言われ、何を感じるのでしょう。
そんなことをふわふわと考えながら、年末のあんたがたを楽しみに待つことにします。

どこから目線からなのかすらよくわからん、こんな文章をここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?