9月24日18:24

父親は性格がとても悪い。そのくせに商才がない。口ももちろん悪く、人と衝突ばかりして孤立していた。あんなのに育てられたから自分はダメなんじゃないか。お金持ちでしたたかな親の元で生まれたかった、などと言いかけたところで、僕が自然と本を読むようになったのは父がいつも本を読んでたからであって、絵を描いたりするのも父がドールハウスやロッキングチェアを作ったりする背中を見てきたからだということに話しながら気づいて、
じゃあ、お金持ちで世渡りが上手だけど本を一切読まくて何も作ったりしない父親だったら、と姉に言いかけたところでiPhoneを机に置いた。そんなのは絶対嫌だと思うと涙が出てきて止まらなくなって、喋れなくなって、その泣き声を聞かれたくなくて遠くへiPhoneを置いた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?