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ふくざつな想い

3日前に不注意から気に入っていた日傘をなくした。傘なくしたこと何回かあるけど今回はちょっとショックだった。

実はあまり使い勝手が良くない日傘だった。ピンク色の濃淡で織られていて、綺麗だけどちょっと分厚い。開く時、ギュッと力を入れないと開かないし、差しているときに突然バシャッ! とすぼまったりする。登場回数は、もう一本の黒い日傘よりも少なかった。でも...買ったときのシチュエーションが忘れられなくて、ちょっと思い入れがある日傘だった。

はやりの黒い日傘を使っていたけど、やっぱり日傘は明るい色がいいな、ほしいなと思ってデパートに買いに行った。2、3本のなかで迷っていて(これ綺麗ですきだけど、ピンクかぁ、ちょっと派手かな)なんて思っているところに、お店のお姉さん(わたしよりちょっと年上な感じ)が「これ素敵ですね。お若い方にはお似合いですよ」って言ったんだよね。...ん?...あなたはこの日傘に相応しいくらい若いですよってこと?若い人には似合うけどあなたはもう似合いませんよってこと?あなたはもう年とってるけど若く見られるためにいいかもしれませんよってこと?...ん?ん?一瞬のうちにいろんな思考が交錯した。そして、お姉さんのその言葉で購入を決めたのね。そういう微妙なお年頃だったの。だからその時の自分の複雑な想いと、さっき言ったみたいなちょっと使いにくいところも含めて思い入れが強い日傘だったのね。

もしかして持って行った人。わたしのこんな想いがこもっている日傘なんです。だいじに使ってください。

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