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「騒音の文明史 ノイズ都市論」 原克

東洋書林

読みかけの棚から
読みかけポイント:第1章、第2章を少しだけ

はじめに
第1章 都市の周縁の音世界
第2章 寺の鐘と教会の鐘の政治学
第3章 太鼓と木魚の社会秩序
第4章 拍子木と自由の概念
第5章 精神という神話とモダンタイムズ
第6章 プライバシーの音響学
第7章 騒音と静寂の権力論
第8章 都市の交響楽
第9章 サイレンと国家イデオロギー
第10章 ラジオと時代の尖端性
おわりに

主要参考文献
詳細目次

この本は日本の主に明治期以降に絞っているという。「騒音の文明史」というタイトルだけど、特に前半は「騒音」というより、「サウンドスケープ(音景観)」といった方がいいかも。
ちらっと今日見たところでは、井伏鱒二の「荻窪風土記」に出てくる古老の話で、昔は品川からの汽車(汽船だったか?)の汽笛が(荻窪で)聞こえた、それが今(荻窪風土記の時点の)はそれは聞こえなくなったけど、代わりに府中の大國魂神社の祭礼の音がかすかに聞こえる、という話。
それから、明治天皇等が亡くなったときの喪に服すための「鳴物禁止令」(明治天皇の時は人々の予想より短く5日間で、それが終わってもしばらく潜めていたという)。
(2021 02/21)

昨日上記書いた後、第2章のオープニングをチラ読み。戊辰戦争での上野の大砲の音は芝くらいまで聞こえ、代わりにこの戦争で炎上した鐘の音は聞こえなくなった(芥川の作品で、その前夜の鐘の音と猫を救いにきた娘を描いた作品がある)。
鐘の音は中世までは宗教的な意味合いが大きかったが、江戸期近世になると時間を知らせる機能の方が大きくなった。そして上野の鐘は復活するが、徐々に違う音に変えられていく。というところまで。
(2021 02/22)

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