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「観光のまなざし」 ジョン・アーリ、ヨーナス・ラースン

加太宏邦 訳  叢書・ウニベルシタス  法政大学出版局

読みかけの棚から
読みかけポイント:これも始めの方だけぱらぱらと…

まえがき
第一章 観光理論
第二章 大衆観光
第三章 経済
第四章 労働とまなざし
第五章 観光文化の変容
第六章 場と建造物とデザイン
第七章 見ることと写真
第八章 パフォーマンス
第九章 リスクと未来
訳者あとがき
参考文献
索引

1990年初版。この本は2011年の第3版。この版から共著者にヨーナス・ラースンが加わる。初版からの主な改変。
フーコーの「まなざし」理論(当事者が目を向ける「まなざし」は時代的・社会的制約をもつ、フーコーの場合は精神医学的)とともに、アーヴィング・ゴフマンの「ドラマツルギー」理論が前面に出てきていること。グローバリゼーション、流動化に焦点が移ってきていること。それに対抗するかのような旅行者個人の守旧化、個人化が起こっていること。
章も視覚だけでなく、他の五感や行動も取り入れた(ここでゴフマンが多く活用)章や、環境問題の章も加わった。

今日見たのは第2章。鉄道・大衆旅行の結果としての海浜レジャー村の誕生。古くからの旅行者(富裕層)の温泉と重なっていたために、差別化とのちに一体化が進んだところ。また、もともとの村の地主の区割りの違いが、高級化か低俗化かの違いを産んだ、など。
(2018  11/25)

 観光者は、一種の現代の巡礼で、自分の日常生活とは別の「時」と「場」に本物を求めているのである。観光者は他人の「生の生活」のなかにも独特の魅惑を感じ、これをどういうわけか自分自身の経験のなかでは見出せないような現実味を感じるのだ。現代社会というのは、したがって、よそ者がその営みを覗き込む権利を急速に制度化しているのだ。
(p15)

観光者のまなざし、そこには見られる側も当然いるわけで…

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