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「ロシア・中欧・バルカン世界のことばと文化」

桑野隆・長與進 編  世界のことばと文化シリーズ  成文堂

序論と、ブルガリア・ロドピ山脈の羊飼いの移動生活と、ハンガリー文化の基層である民族消滅感などを読む。
(2011 04/24)

ルーマニア語の変遷の項を読んだ。ルーマニア語の中でスラブ語起源なのは10パーセント強くらいらしい。もともとはキリル文字使ってたのをラテン文字にした。あと、ルーマニア周辺でも、ア・ルーマニア語とかいろいろなラテン語に近い?言葉もある。話者は何万人単位くらい。

ロシアの現代アートシーンの項について。2000年代から始まったモスクワビエンナーレ始めとして、現代美術・アートはなかなか盛況だという。それらの中で、20世紀ロシアアートの引用をしている例も多く、引用元は大きく分けて3種、ロシア・アヴァンギャルド、社会主義リアリスム芸術、ロシアのポップアート(ソッツアートと呼ばれる)。この中でも、最後のものの中には、身体の半分はキリスト、半分がマクドナルドでできた「神」?なるものもあって、保守的?な観客が破壊したり、神に対する冒涜だとして訴えられたりもしている。アートシーンにも吹き荒れる?世界規模のグローバリゼーションと、ロシア独自の問題が併存しているのが注目される。
(2012 01/07)

第12章「ナショナリズムとユーゴスラヴィア理念の相克」を読んだ。政治的には各国語の差異が強調され、教育もその傾向が強まっているみたいだけれど、これからどうなるのか? ネット社会や相互国民の交流、EU参加がどう差異化の動きに絡むのか
(2012 08/11)

2・3・4章まとめ読み。ロシア文字の書き方には大きく2通りあって、それがピョートル大帝とかソ連政府(もともと社会主義革命前から準備は進んでいたみたいだけれど)という上からの改革で書字法が変わったため、それに対する反感や旧来の文字をわざと使う(視覚的に)ということもしていたらしい、という2章が一番面白かったかも。3章はベラルーシ、4章はチェコスロバキア語?の変遷。
(2012 08/12)

昨夜は「ロシア・中欧・バルカンのことばと文化」の残りの章を読み終え、少し前にチビチビ読んでいたウクライナの章と合わせ、これでこの本も読み終えたことになる。
ウクライナでは地名から古い歴史を推察する試み、フィンランドとロシアに分割されているカレリア(のロシア側)では民族語でありながら国民の申告では10%くらいのカレリア語は国語として機能するのか(フィン語とは親戚らしいけど、どのくらい近いのかよくわからなかった)?…

ラストは19世紀にロシア・ウクライナ・ベラルーシを歩いて民衆の言い回しを集めたダーリの辞書と、その後。ダーリの後、名前忘れたけれどある近代言語学者が改訂版を出す。ダーリの素朴?な原著をいじることなく、自分の付け足しや成果は「」で捕捉するなど細かい配慮をした。だが、その後、旧ソ連や現ロシアで出版されたダーリの辞書は何故か、改訂前の第2版と言われるもの。どうしてなのだろう?
(2013 03/26)

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