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奈良志賀直哉旧宅

JR奈良に着いて、昼食を駅ビルのヴィルドフランスでとったあと、奈良交通市内循環バスで志賀直哉旧宅へ。
奈良交通バスもPASMO使えて便利。だけど乗ったのは、最寄りの破石町の一つ手前の高畑町。ひとバス停くらい歩こう…このバス停間と同じくらい破石町からも歩いて志賀直哉旧宅へ。

志賀直哉旧宅は今は奈良学園セミナーハウス。志賀直哉が去ったのち、米軍に接収されたりもしていろいろだったのを、奈良学園が買い取って、志賀直哉のデザインに「復元」したらしい。写真OKが嬉しい(復元だからだろうけど)。
2Fに上るといきなり「暗夜行路」を書き上げた南向きの書斎。志賀直哉は、本来の北向き書斎は夏用、こっちは冬用と分けていたらしい。続いての部屋(2Fは2部屋)は、若草山、春日大社奥山を愛でる心地良い部屋、隣家の雨戸閉める音しか聞こえてこない午後…うたた寝もしたくなってくる感じ。この部屋、小林多喜二が泊まった部屋らしい…あと、この部屋の写真の仏像は、谷崎潤一郎から頂いたものなのだけど、谷崎がつけた?手などを志賀が外して「これでよい」と悦に浸っていたらしい。これだけ聞くと、自分などは志賀直哉寄りな感じだが、どうなのか? というより、志賀直哉と谷崎潤一郎ってそんなに近かったんだ…

これだけで結構お腹いっぱい気味なのだけど、もちろん1Fもいろいろで(笑)…茶室もあったが何故か直哉自身は茶会に参加しなかったという(何故?)。女中部屋や風呂場、そして厨房、食堂、ダイニングと直結した構成は、今流行り?の料理を厨房から食堂へ手渡しできる棚もあって、志賀直哉のデザイナーぶりを堪能。南側の食堂は、瓦と同じ素材を床に使ってこの家の象徴らしいいい感じ。奥の食堂はくつろぎスペース。大きなソファ、天井の大きな照明。その奥には子供の勉強部屋と、直哉の寝室と子供達の寝室。
食堂に置いてあった志賀直哉文集の中にあった「ジイドと水戸黄門」というそそるタイトルの小品によると、息子の直吉(その他に4人の娘)が、子供部屋でずっと本読んでた。夜で明かりを消された子供部屋から隣の直哉の寝室へ転がり込んでまだ読んでる…ジイドを読みながら直哉は聞く「何読んでるんだ」「水戸黄門」「助さん格さんのか?」「いや違う…」。ここがその現場らしい(笑)。
帰り?は庭を通って。この庭がねえ、またねえ、いいんだ…同じ木二つもないと思うくらい種々雑多な木々。奥には子供用プール?

ここからバスに乗ろうと思っていたのだが。また結局歩きに。ほぼ前の奈良巡りと同じ(笑)。かなり疲れてきたが、大丈夫か? 鹿、前は見てないような…でも今回はたくさん見た。近鉄奈良駅まで歩く。

旧宅入り口
2Fからの眺め
1F北向き書斎

(2024 04/20)

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