なぜ日本人は畳むのか?
たたみ折り染をする中で、日本の畳む・整頓する・収納する文化を考える1日。
オーストラリアに来て、どんどん好きになる日本。
いろんな国の人とシェアハウスをし、畑をし、今は毎日子どもたちの教育に関わってる。 その中で確信してきたのが、
間違いなく「綺麗に保つ」は日本の文化。
その証拠に、オーストラリアには
「日本人だから貸します」という家のオーナーもいる。
日本人に貸すと、家が蘇るらしい。
「来た時より綺麗にして帰る」いう(小学生の時キャンプで言われた)文化みたいなものは、未だ日本の外でも生きていることが分かる。
実際に私も今住んでいる古い家を毎週末掃除をして蘇らせている(勝手に)。ホコリと蜘蛛の巣が減って来た。
みんなも私も暮らしやすいように、働きやすいようにと思って行動した行いが良かったのか、食費も家賃もなしで特別に住まわせてもらえることになった。
好きでやってたのに、物価の高いオーストラリア暮らしを思うと、めちゃくちゃ有り難い。
他には、日本人となら、いざこざが起こりにくいので、という話も聞いた。(その話はまた今度。)
どの国の人も、同じ地球人。パーソナリティーはあれど、文化や環境は間違いなくその人を育てる。
【暮らしの知恵、折り畳むこと】
折り紙は、角と角をきちんと折る事でひとつの形を作り上げられる。「折り目正しい」という言葉は、礼儀作法をよくわきまえているという意味だとか。
丁寧に折って遊ぶ遊びが、日本人の遊び。
す、すごい。
ORIGAMI が世界で通用する言葉。
これは間違いなく日本の文化だ。
(これは折り紙じゃなくて着物⬆︎)
着物もまた、折り紙のように折り畳む事でたくさんの収納ができる。
壁に吊り下げれば、最上級の場所を取らない収納法。
しかも、
一枚の布で出来ているので、サイズを変えて作り直すことも出来る。ひ孫の代まで受け継げる(昔はひ孫どころじゃないかも)。そして古くなれば雑巾にしたり、カゴにして編んだり。長く大切に使う文化の象徴。
しかも!
紐で結ぶのでリンパにもよく、帯で姿勢も保たれて健康的、絵柄には遊び心もある。
なんて合理的で持続可能。
提灯も畳めるし移動もできる。これも合理的。
布団も、三面鏡も、扇子も、畳んでコンパクトにできるものばかり。
そして見た目も美しい柄でデザインされて、暮らし道具を、楽しんで使う事を忘れていない。
日本の小さな家で、物にストレスを感じずに綺麗に収納する知恵で溢れている。
住居を持つミニマリストでいえば、日本人が世界初だと思う。
【整えて感謝すること】
家を代々受け継ぎ、新しく建てるより長く保つことを大切にした日本人。
自然の土地を自分のものにするという精神があまりないので、狭い住環境でもヨシとし、その中で快適に暮らす術なのだとか。
年末の大掃除なんていうのも、海外にでて初めて日本の文化だと気付いた。
新年を気持ちよく迎えたい、一年間の感謝と、翌年のよろしくお願いしますという、家に対する素直な気持ち。
意識をしていなくても、「有り難いものには神様が宿っている」という自然崇拝と多神教の精神がそうさせていると思う。
「お天道様がみてるよ」「バチが当たる」なんていうのも、目には見えない何かを表してる言葉。
宗教は持たずとも、正月には神社に手を合わせ、そこに神様がいるようにお礼を言ったり、お願いごとを書く。おみくじの言葉をもらっては、ヨシと心に刻む。それも文化だし精神性。
「有り難いから綺麗にする」ことは、言い換えれば、「今までが幸せだったから、これからも続いて欲しい。今後ともよろしくお願いします。」いう祈りの気持ち。
畳む、整頓する、収納することは、それらの感謝と祈りの気持ちが、礼儀作法や暮らしの知恵と混ざり合い、出来上がった文化。
私はその文化のある日本に生まれて、少なくとも受け継いでいられて、誇らしく感じている。
来週、オーストラリアの10歳の子どもたちに「折り染」の授業をする。
私は、日本の伝統文化や精神性は、世界を救うと信じている
その授業で、これらの折り畳む文化や、その精神性を楽しみながら伝えたい。
(翻訳が難しい。伝わると信じて、徹夜してでも書きあげるぞ!)
日本に帰ったら、日本の伝統文化にフォーカスした暮らしや教育をするのが楽しみ!(今でもしてるけど、もっとする!)
旅が始まり、自分の時間を多く持つことで、自分が気持ちいいと感じることに素直になっている。
間違いなく、綺麗に整頓して暮らすことに気持ち良さを感じている。
でも、忙しいのはやっぱり好き。
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