憲法草案〜第6章 司法〜違憲立法審査権と裁判の公開

現行憲法の違憲立法審査権と裁判の公開

第八十一条
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
第八十二条
裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
第八十二条2
裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

第八十一条は、違憲立法審査権を定めており、最高裁判所(終審裁判所)が行った判断は最終決定としています。
第八十二条は、裁判公開の原則です。
2項で、非公開にすることは出来るが、非公開に出来ない事例を定めています。

自民党(2012年)草案の違憲立法審査権と裁判の公開

第八十一条(法令審査権と最高裁判所)
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する最終的な上訴審裁判所である。
第八十二条(裁判の公開)
裁判の口頭弁論及び公判手続並びに判決は、公開の法廷で行う。
第八十二条2
裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、口頭弁論及び公判手続は、公開しないで行うことができる。ただし、政治犯罪、出版に関する犯罪又は第三章で保障する国民の権利が問題となっている事件の口頭弁論及び公判手続は、常に公開しなければならない。

特に変わりません。

独自草案の違憲立法審査権と裁判の公開

第九十一条
裁判所は公判において適宜、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否かを決定する権限を有する憲法裁判所に送付することができる。
第九十二条
裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行う。
第九十二条2
裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行うことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつている事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

第九十一条では、「公判において適宜」別途設置する「憲法裁判所に送付する」としました。
これは、公判中に法律に不適切な点が発見された場合などを想定しています。
(「送付」という言葉が適切か分かりません。ご教示下さい。)
憲法裁判所は次章で記述します。
第九十二条は、特に変わりません。

これで、第6章司法は終わりです。

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