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ファンシー浅沼「ミスiDプレエントリーにおける投票行動の一考察」について

ファンシー浅沼「ミスiDプレエントリーにおける投票行動の一考察」 

URL:https://note.mu/fancy_asanuma/n/n2d7e12f87bbd

魚拓:https://megalodon.jp/2019-0328-0152-08/https://note.mu:443/fancy_asanuma/n/n2d7e12f87bbd

 上記のnoteがあまりに独特な考察(?)を自信満々に披露しているのが見ていて辛すぎるのと、これがミスiD2020の特定の参加者への中傷に当たる極めて有害な記事であることから、取り急ぎ批判記事を書くことにしました。以下、文章とグラフの引用は上記noteからのものです。

 騒動の発端はミスiD2020プレエントリー参加者 カガリ 氏およびそのマネージャーである 秋本ゆう也 氏が、投票期間終了翌日にした次のようなツイートです。

 秋本氏によれば、プレエントリー参加者である ハムスターの息子に産まれて良かった(略称「ハ息子」)氏のお気に入り登録者数および得票数の推移が不自然であり、大量botによる不正の疑いがあるというのです。秋本氏は複数のアカウントからこのデータの解釈に疑問が多いことを指摘されて一旦はツイートを消しましたが、秋本氏のツイートに反応した ファンシー浅沼 氏がツイート消去後もこの“疑惑”を追及し続けました。

 エクセルの画面を撮って強気になっているのが微笑ましいですね。パソコンを使い始めて3ヶ月くらいでしょうか。

 その後、エクセル浅沼氏は冒頭で紹介したnoteを投稿しました。

このnoteではそのイベント「ミスiD2020プレエントリー」で行われたファンによる投票=チアについて、不正の疑惑が見受けられましたので、実際の数値などをもとにその疑惑について個人としての見解を述べたいと思います。
先に結論をいうと、疑惑は疑惑のままで不正をした事実をつきとめてはおりません。ただし、今後どのような調査を行えば真偽が判明するかについては提示したいと思います。
(中略)
現在は削除済みのためアカウント名は伏せますが、この方からデータを所有している方をご紹介いただき、2つのデータを借用させていただきました。
ひとつは「★お気に入りに登録」の数値、もうひとつは「CHEER!」の数値です。この2つのデータをもとに、それぞれ疑惑の解説を行います。

 データは秋本氏を仲介して入手したようです。データ所有者は今のところ伏せられていて判明していませんが、秋本氏よりDMで「グラフを作られた方は本職の方です」とご教示いただきました。その方がグラフを作っただけであることを願うばかりです。

縦軸がアーティストに対する「お気に入り」の数で、横軸が日付となります。日付の範囲はプレエントリーが始まった3/18から終了した3/24の翌日まで。データは1時間ごとに取得しているため、1アーティストにつき1日に24の数値をならべたものとなります。このグラフでは最終的に上位10名となったアーティストのみを抜粋して表示しています。
このグラフについて特徴的なことや違和感を感じることはありませんか?
私はこれを見て不自然で作為的なグラフだなと感じました。このへんの感覚は普段から数値などのデータを見ていたり、実際にCHEERZでアーティストの応援をしていないと実感しずらいものかもしれませんが、私は強烈な違和感を感じました。

 僕はコンピュータサイエンスで修士号を取りましたし、CHEERZは他の友人の応援のため2年前から使っていましたが、残念ながら何も実感できませんでした……。まだまだコンピュータサイエンス・力(ぢから)と応援・力(ぢから)が足りないようです。

 最終日の大きな変動を別にすれば、ハ息子氏(黄色)のお気に入り登録者数は(ロジスティック曲線やゴンペルツ曲線のような)典型的な成長曲線を描いているように見えます。自然界にはよくある形です。

黄色の曲線が低い位置から極端に上昇してTOPになり、そのままTOPを継続して完了する。まるでシンデレラストーリーのようなこの曲線の違和感について、どのようにするとこのシンデレラ曲線が作られるかをいくつかのSTEPにわけて解説したいと思います。

 この(「低い位置から極端に上昇してTOPに」)期間はTwitter上で僕を含めたフォロワー数の多いハ息子氏の友人たちがTwitterに張り付いて宣伝を行っていたため、これをリアルタイムで見ていた方は極端な上昇があってもおかしくないと感じることでしょう。ある程度ハ息子氏の人気が軌道に乗ってきてからは、あまり印象の良くない治安の悪い僕たちは宣伝を自粛しました。放っておいても(むしろ黙っていたほうが)この流れが続くと判断したからです。ハ息子氏は他の参加者よりも“騎士団”個人個人の拡散力が大きいという印象がありますが、これについては他の参加者の“騎士団”について把握しきれていないので断言はできません。

 これは最初の2日間のグラフです。

右肩上がりにお気に入りの数が増えていて当事者であれば非常に喜ばしい状況ですが、これが本当にファンの一人一人がお気に入りに登録した数だと思いますか?
ファンにそんな問いかけをすると、「そうに決まっている」「フォロワー数多いのになめんな」「数学的に評価しろ」とかなんとか言って、なかなか耳を傾けてもらえない現状があり何度か言い合いをしましたが、今思うとそういった方々はそれはそれでいいんじゃないかと思います。自分が見たいように、自分が好きなように現実を解釈すればよいと思います。

 「数学的に評価しろ」とかなんとか言ってたのは僕のことでしょうけど、データを数学的に評価しないでどうするというのでしょうか。統計学を少しでも学んだ方はよくご存知の通り、データはきちんと特定の指標に基づいて評価しなければ意味を持ちません。一般的に、仮説の立証コストはその立証の不備を指摘するコストよりも大きいものです。信頼性の高い評価を経ないのであれば、分析の不備もまたその程度の精度の評価で指摘できてしまいます。浅沼氏はそのことを理解しているのでしょうか。

 これは1日目(3月18日)のお気に入り登録者数の推移です。

曲線と書きましたが、すごく直線的。それがヒントでした。

補助線を入れていますが、お気に入りの数が毎時約26づつ増加します。
昼夜問はず、毎時です。
「ハ息子のファンは昼夜問わず、チアをしているんだ!」
はい、声を荒げるのはいいですが、本当に均等に稼働していましたか?
このグラフを実現するのは難しい。
「あなたは、1日目の05:00台にお気に入りに登録してね」仮にできたとしても、そんなことまでして実施することではないですよね。何もメリットがないうえに、そもそもこのグラフは定時でデータを収集してグラフにプロットしないと出てこない。

 ここが完全に意味不明です。ひとつ前の画像を見てください。いいですか、もう一回載せますよ。

 これ、黄色(ハ息子氏)のグラフが他の色のグラフより有意に「直線的」であるように見えますか? ちょっと全部のグラフに「補助線」(最小二乗法に基づく回帰直線のことか?)を入れてみてほしいんですけど、たぶんハ息子氏のグラフが他の参加者のそれより「直線的」なんて結果は出ません。これは「定時でデータを収集してグラフにプロットしないと出てこない」グラフしか出てこない驚くべき画像なのですが、浅沼氏は見事にスルーしています。

 これは2日目(3月19日)のお気に入り登録者数の推移です。

DAY1~DAY2を一緒にして見ていたらわからなかったですが、単日にすると見えてきたのが、今度は毎時約10づつ増加しています。
(中略)
これまでに確認した2つの考察
 DAY1は毎時26づつお気に入りが増える
 DAY2は毎時10づつお気に入りが増える
そして、このあいだに隠されていること
それは、日をまたぐとルールが変わる ということ
DAY1は26づつね、DAY2は10づつね、よろしく!
シンデレラストーリーなだけあって、24時に何かあるんですかね??

 徐々に増加率が下がっていくような曲線を分割し、それぞれの区間で増加率の平均を取れば、それらが異なるのは当たり前のことです。また、基本的な問題として、この2日間で“自然に”増えたお気に入り登録者も(“不正に”増えたお気に入り登録者と同じように)「直線的」に推移していてなおかつ日をまたぐと増えかたが変わる、あるいは(最初の2日間であるにもかかわらず)ほとんどいないと仮定しなければ、この考察はまったく意味をなしません。後者はハ息子氏の知名度とフォロワー数、そして当時のTwitterにおける話題性を考えると、あまりにも不自然な状況ですから、“自然に”増えたお気に入り登録者も「直線的」に推移していてなおかつ日をまたぐと増えかたが変わるということになります。すると、そもそもお気に入り登録者数の推移が「直線的」であって日をまたぐと増えかたが変わるということがまったく問題にならなくなります。

 これは日毎のお気に入り登録数のグラフです。

黄色のDAY1~DAY2の飛び抜け感と、そのあとの撃沈感に違和感ありすぎ。
こんなのジャニーズと飲酒が見つかって活動休止!みたいなスキャンダルがないと、ここまで撃沈しないですよね。うん(泣き

 お気に入り登録者数の推移が典型的な成長曲線に従っているのであれば、その日毎の増加グラフがこのような形になるのは当たり前です。「普段から数値などのデータを見ていたり」するような方であれば、それくらいのことはわかるでしょう。

というわけで、ハ息子をとりまくミスiD2020プレエントリーにおいて
なんだか人知では計り知れない黒い疑惑があるなーって見えてきました。

 浅沼氏にはいったい何が見えてきたのでしょうか……僕には何も見えてきていませんが…………。とにかく、浅沼氏はエクセルをガチャガチャやってグラフを作ってそれを目で見ていたら何か見えてきました、というのを「考察」とは呼ばないということを理解するべきだと思いますし、それ以前に「目で見ていたら」すらできていないという事実を重く受け止め、深く反省しましょう。

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