今、アート界隈で何が起きているのか

 一部の人間たちの問題を「アート界隈」で括るのは不適切かもしれないが、大槻香奈という画家の権力や影響力、(文字通りの)フォロワーの多さを考慮してあえてこう表記する。あと、こういう外野が勝手に書く文章は増田にでもアップすればいいのだろうけれど、これは公共性にかかわる問題かつ緊急事態なので、YouTubeや文学フリマなどで得た僅かながらの知名度をちょっと利用させてもらうために自分のnoteで書くことにした。関係者全員にとってこのような記事は迷惑となるはずだが、アートの未来のために必要な告発だと確信している。

 今、アート界隈で極めてグロテスクな事件が起きている。今北産業の人のためにまとめると、「権力を持った有名画家が」「薄弱な根拠と思い込みで若手作家に"盗用"とレッテルを貼り」「少なくない人々がこれを支持している」のだ。ことの発端は以下のツイートだ。少し長いが、引用する。

 ここで大槻香奈は「全てが落ち着きましたら、また改めて書かせて頂きます」と述べているが、この後も問題が解決しないまま賛同意見のRTや一方的な言及等の実質的な「攻撃指令」を絶えず続けている。大槻香奈の主張は「制作技法、スタイル、パターン」が庄司理子に盗用されているというものだ。大槻香奈は自身の作品を提示することで作品の類似性を主張しようとしているようだが、庄司理子の作品と比較してどの部分が盗用であるのかを明らかにすることは見たところ一度もしていない。自分の作品だけを見せ、具体的な指摘を避け、ホラ盗用でしょ、と仄めかすことしかしていないし、ツイート検索や大槻香奈のファボ欄で見つけられるような支持者たちも同様に根拠を提示せず「盗用だ」と騒いでいる悲惨な状況だ。少しツイート検索するだけで、「"盗用"の具体的な根拠を知りたい」と感じている人々の存在が確認できる。僕も同感だ。参考に庄司理子の作品を貼っておく。

 傾向としてタッチは似ているかもしれないし影響も一切無いわけではないかもしれないが、「近いジャンル」程度の類似度だ。これが大槻香奈のオリジナリティであるとするのは明らかに無理があるだろう。自意識過剰であると言うほかない。「カゲプロのパクリ」を彷彿とさせる。(ここで2ツイート中の画像に含まれる共通のモチーフとして「月」があるけれど、「日本画」でグーグル画像検索をして5段目に出てくる画像に月をモチーフにした似たタッチの別人の作品が出てくる。こういう作風は普通にある。両氏の画材はアクリルがメインだが。)

 上記ツイートに対する庄司理子の返答は以下の通り。影響を受けた可能性はあるが"盗用"はしていないという至極真っ当な主張だ。

 大槻香奈が"盗用"の根拠として挙げているのは以下のものだ。

 一般的な国語教育を受けた人間ならゼロ秒でわかる通り、上記ツイートで述べられていることは"盗用"の根拠ではない。「私は集団ストーカーから攻撃を受けているが、警察は取り合ってくれない。警察が不審な対応をするから、やはり私は集団ストーカーから攻撃を受けている」みたいなことを言っている。ここで示さなければならないのは、集団ストーカーから攻撃を受けているという物的証拠であって、「警察が不審な対応をする」という主観ではない。ギャラリーと会話した結果、「私はそのように意思を受け取りました」と思い込みを増幅させ、弁明の余地を与えられていない特定個人を名指しで晒し上げるという行為には正当性の欠片もない。この時点で、今後どれほど作品間の類似性を指摘したところで大槻香奈の行為が正当化されることはなくなった。また、リテラシー云々と言っているが、ある美術史家の見解は以下の通りである。(そもそも、「真似」であるかすら疑わしい段階なのだけれど。)

 大槻香奈の最も悪質な点は、「自分は攻撃をする意図はない」と言いつつ、支持者に対する実質的な攻撃指令を発信し続けるという"政治"を続けていることだ。大槻香奈が「勇気を出して声をあげたヒーロー」として持て囃されている様子はあまりにも不気味だ。「落ち着いたら」と言いつつ批判的な言動を繰り返し、被害者ムーブを多数の美術関係者に披露し、自身を支持するツイートをRTし続けている。彼女の影響力・権力であれば、その真偽がどうあれ心ない中傷が相手に飛び、著しく名誉が毀損されることは小学生でも想像できるだろう。これが意図的な攻撃指令でないと考えることは難しい。少なくとも大学教員としてのまともな態度ではないし、謝罪のうえ一定の社会的制裁を受けるべきであるとすら感じる。今回大槻香奈にbetした人々についても、名前をしっかり覚えておいて今後かかわらないようにするのが得策だ。

 もう一度今北産業でまとめよう。「権力を持った有名画家が」「薄弱な根拠と思い込みで若手作家に"盗用"とレッテルを貼り」「少なくない人々がこれを支持している」のだ。このようなことは絶対に許してはならないし、二度と起こしてはならない。それは、罪のない作家が理不尽に萎縮し、アートの貧困を招くことに繋がるだろう。


[追記]

 "盗用"と"盗作"は違う、などという妄言で論点をずらそうとしている人間がちらほら発生していて、大槻香奈自身もそれを肯定的にRTしているけれど、そんな馬鹿げた主張は無視してよい。いきなり独自定義の概念を持ち出して「だからお前らはわかっていない」などという態度は、一部の自我のない人間にとっては有効な反撃に見えてしまうものである。人はなぜ……。

 以下のツイートが的確であると思う。

 それにしても大槻香奈がRTしているこのツイート、本当に「カゲプロのパクリ」だったのでちょっと笑ってしまった。

 「月、山、花、人物、リボン、右下の白い動物」なんてあまりにも抽象度を自由自在に操作し過ぎておいて、意味のある指摘になっていると本気で思っているのだろうか。このタイミングで「月、山、花、人物、リボン、右下の白い動物」をモチーフとした絵を集める企画を立ち上げたら盛り上がりそう。

[追記2]

 事実を羅列したものの方が客観ではなく個人叩きに見えてしまって明らかに理不尽な個人叩きに疑問を感じないの、たぶんEM菌とかマコモ風呂とかと同じで理性的な説得ではなく共感でしか動かない層がいるという話で、ここらへんに理解させるのってどうしたらいいのかなあと悩んでいる。

 人は「お気持ちツイート」を批判しているツイートの2時間後にお気持ちツイートをしてしまう。悲しい生き物だ。


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