月が降った街

眼鏡を外せ  景色を見るな

ぼやけた本物の世界を走れ

同じ度数を挟んで月が見下ろしてる

中身の詰まった月が膨らんでる

神様になったつもりのお前は

きっと運命に遊び遊ばれているだけ

一瞬の永遠にすべてを放て

千キロを跨いで日食と日食の間を駆けろ

飲めない酒を啜り尽くして

ずぞぞとたてた音がお前の生きる音

これからのことは金色の手記にすべて書いてある

世界を憎む金色の手記に

不安を敷き詰めた十五畳からはやく出ろ

秒速五回の本当を鳴らして拳を突き上げろ

垂れてきたのは糸と意図

立ち上がれ  掴め  自家製蜘蛛の糸

強く引っ張り地下室に月を引き摺り込め

窓のない地下室で太陽は名誉の死を遂げる

殺した釣り師の目を潰せ

悪魔に噛まれた痕が消えたら

甘いものでおびき寄せてまた致命傷を負うといい

その手に潰された喉仏は透き通った笛となり

聖夜に人々を狂わせるだろう

世界のすべてをゼロ文字の詩へと変えて

終末は週末にやってくる

医者にお前は星のカービィだと言われてすべてが終わる

そして人生は続く


続く、

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