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【感想】ねずみ絵描き 田中美香さん画集「小さいねずみの小さな世界」

ねずみ絵描き 田中美香(Mika)さん の 初めての画集。
「小さいねずみの小さな世界」/ Mika Tanaka ART BOOK
購入しました!

田中美香さんといえば、「博物ふぇすてぃばる」等の生き物イベントで「山眠庵(やまねあん)」として、ニホンヤマネやねずみの作品、グッズを販売されていたり、小動物、齧歯目界隈では有名なお方です。

世間一般的には、動物モノでは猫作品・猫雑貨が最もメジャーですが、イベントやネットをこまめにチェックすれば、様々な動物・生き物に特化した作家さんが沢山いらっしゃるのです。
イラストやアート界では、人物画がメインの作家さんが数としては多いかと思います。
クライアント様から仕事を請け負うイラストレーターとしては、まずは人物画が描けないと、という話もあります。それも一面としては正しいのかも知れませんが、作家も受け手も多様化する中で、動物イラストというカテゴリーも確かに存在し、更に細分化も進んでいるように感じます。

動物全般を描く作家もいれば、特定の動物を中心に描いている作家さんも、数多く存在します。

…前置きが長くなりましたが。
田中美香さんは、「ねずみ」の作家さん。
ニホンヤマネや野ねずみ等、自然の中で暮らす齧歯目を主に描いていらっしゃいます。
毛並みやフォルムはリアルなねずみ達が、画面の中を生き生きと動き回っています。
いろんなポーズや表情が、なんとも言えず可愛らしいです。

釣りをしたり、冒険に出かけたり、夢いっぱいな絵も。擬人化されてはいるのですが、キャラクター的に、顔や骨格を極端にアレンジしてはいません。
いかにも、ねずみがしそうな仕草、もしかしたら、人間が見ていない所では、こんな事をしているのかも、と思わせるような、絶妙なデフォルメ具合のさじ加減です。
ねずみや動物がお好きな方に支持を得ているのが、納得できる作品たちです。

加えて、田中さんが建築パースのお仕事も手掛けられているためか、背景や小物の描写のクオリティも高いです。
メインのモチーフにプラスして、他の物もしっかりと描けていることで、絵全体の説得力が違ってきます。植物や風景にも現実味があることで、ファンタジー風な演出でも、動物の存在感が増していると思います。(見習いたいです。)

ねずみたちが、絵本やアニメーションのように、元気に動き出しそうです。
絵本でいうと「ピーターラビット」とか、アニメならば「ガンバの冒険」とか、動物たちが活躍する作品がお好きな方には、間違いなくお勧めの画集です。

街にいるねずみは害獣であるという点から、ねずみ全般を嫌う人も少なくないですが。
田中さんの絵を見れば、ねずみの魅力が伝わりそうな気もします。

いろいろ感想を述べましたが、ぜひ作品をご覧いただければと思います。

webショップで品切れの際にも、「再入荷希望」の登録をすれば、再販の情報が入るようです。

画集_小さいねずみの小さな世界 | 小さいねずみの小さな BASE SHOP


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