見出し画像

マスクとしての「必要最低限」を追求した話

どうも、福澤です。みなさんマスクしてますか?(してますね)

全人類マスク着用が習慣化=マスク生産量も急増(したはず)

2020年夏、マスクをつけて出歩く光景がすっかりお馴染みとなりました。マスクの種類も様々に増え、色とりどりの布地が口元を覆っています。
カラフルな立体マスクから自作の布マスクまで、既にファッションの一部として生活に溶け込んでいる感もありますね。

4月頃のマスク不足がウソのように街なかに溢れかえるマスクを見ると、この数ヶ月でマスクを生産するために消費された布地(不織布やガーゼ)の総量は世界的にみて相当なものだろうな〜などと考えてたりもします。(そう、私の思考は常に世界規模なのです。)

世界中のあらゆる国・地域の人が季節関係なく一斉にマスクを着用しだしたというのは結構なことだと思います。日本では春先の休校要請で生乳が余るとか、夏休み短縮による夏期開校で生乳が不足するなんてことが話題になりました。何にしても全国的に右へ倣えで大衆が一斉に同じ行動をすると物の有り様は一変するわけですが、ことマスクに関しては世界的に一斉にだったので当然すごいインパクトがあっただろうと思います。どれくらいすごいインパクトだったのか、関連データは全然調べていないんですけどね。前年比何億%増とかですかね。どうでしょう。

SDGs的視点に立つとミニマルなマスクについて一考する価値がある(かも)

見方を変えるとこりゃきっとマスクの需要増に関連する環境負荷なんてものも相当増加したであろうと想像が及ぶわけで、SDGsな社会創造を考慮すると環境負荷や経済負担を極力抑えたマスクの存在を追求していくこともきっと必要になってくるんだろうと考え至ります。
つまり「必要最低限を極めたマスクとは」を追求したらどんなマスクになるのか。それがスタンダードになるかどうかという話ではなく、SDGs的な視点で新たにマスクを作る際のベンチマークとして「ミニマルを極めるとしたらこうなる」という具体例が存在すること自体に価値が見出いだせると判断し、この考えに適うマスクを作ってみようというのが今回のお話です(長い前振りになってしまった)。

マスクの種類にもいろいろあるわけですが、ここでは一般的な布マスクを例に取り上げます。ウイスルの侵入防止効果はないけれど、自身から生じる飛沫の拡散はある程度防ぐ主旨で、新しい生活様式下においてマナー的に着用することが習慣化しているマスクの代表例ですね。

参考_アベノマスク

で、この布マスクで最も国民に浸透している象徴的な存在といえば、政府から配布されたアベノマスクがまず思い浮かびます。元より「小さすぎ」等々の感想が多いこのマスクですが、これをベースにマスク本来の必要機能は残しつつ余分な要素を極力削ぎ落としていくとどうなるか。SDGsでエコノミーかつエコロジーを体現する究極のミニマルマスクを生み出せるのではないか、そう色めき立って開発に着手しました。

企画スケッチ

ひとまずスケッチブックにイメージを描き出して、おおよそのサイズ感から必要資材を逆算してユザワヤへ。
テキトウな自作マスク用のガーゼとゴム、ついでに百均でソーイングセットを買い込んであとは部屋にこもって試行錯誤です。
スケッチに描いた寸法で試作品をこしらえて自分の口元にあてたりしながら、もうちょっと幅は狭い方が⋯とか、高さはあと5mmないと縦横比的に見栄えが⋯とか。

必要最低限を極めたミニマルマスク「Economask」、誕生

こうして出来上がったのがこちら、「Economask/エコノマスク」です。

画像7

画像5

画像6

縦40mm・横幅50mmの極小設計!
飛沫拡散防止用途のマスクとして最低限必要な口と鼻の穴を覆い隠すことだけを重視した最小限の寸法で、政府が配布した布マスクと比較すると面積比は1/6まで低減。さらに寸法がギリギリであることから、口を頻繁に開閉すると布から口元がはみ出しやすくなるため、余計な会話自体を控えやすくなるサイドエフェクトも期待できます。

政府が無償配布したマスクの数量は約1億2000万枚とのことですから、もしこれを「エコノマスク」に切り替えていたとしたら、必要な原材料は1/6の約2000万枚分で済んでいたことになり、マスク1億枚相当分の布地が節約できたことになります。

当然重量も軽量化できるわけで、1億2000万枚を配布する際に生じる輸送のコストや環境負荷も同様に低減できるでしょう。まあ細かいことはわかりませんが、運ぶものが軽量化されれば燃料消費も少なくなって排ガスも少なくなるというロジック自体はまかり通りますよね。

ついでに無駄に頬を覆う面積が低減されているので、夏場はそれなりに快適です。冷静に考えると、感染症対策の観点から言えば「マスクで頬を覆う必要」はどこにもないわけですよね。口と鼻だけピンポイントで覆えていれば、それはそれで理に適うはずなんですがいかがでしょう。

もちろんこれは極端な例であることを認識しつつ、あとは用途に応じて仕様を調整するなどバランスを取っていけば良いのだろうと思います。「もうちょっと口元に余裕をもたせたいからあと数センチ大きくする」とか「子ども用ならもっと小さくても」とか。

画像8

ちなみにこちらは、もう少しゆとりをもたせた「Economask PLUS」。
縦55mm・横幅75mmで、口先を少し開閉するくらいなら口元がマスクからはみ出しにくくなります。小声で話す機会が多い人にオススメです。

画像7

参考までにエコノマスクのサイズ比較イメージをお見せいたします。右手前がスタンダードサイズの「Economask」。左手前がゆったりサイズの「Economask PLUS」。そして中央奥の巨大なマスクが皆さんお持ちの「Abenomask」です。

既成概念こそ疑いたい

いずれにしても「マスクって普通これくらいのサイズだよね」という既成概念がベースになって、本当は必ずしもそのサイズである必要がないのに「一般的にはこうだから」という理由で思考停止してしまうこと自体がつまらないことだと思うわけです。今回はマスクを例に取りましたが、何事においても同じじゃないですかね。

そんなわけで私は引き続き目の前の当たり前に疑問をもって振り切った場合の事例を形にしてみたいと思っています。興味のある方のみご期待ください!

以上、マスクとしての「必要最低限」を追求した話でした。

追伸
ところで今回の制作を通じて気づいたのですが、一般的な自作布マスクの作り方を色々調べてみたら、そこで紹介されている平均的なサイズは正にアベノマスクのそれで、アベノマスクは特別小さいわけではなくむしろ必要十分なサイズでした。
サイズが一律なので着用する人の顔の大きさによって相対的にマスクが小さく見えたり大きく見えたりしたってことでしょうね。
顔の大きさだって人それぞれなので全員がジャストフィットするわけないですし、大は小を兼ねるからと大きめサイズのマスクにしていたら子どもや小顔な女性が着けるとブカブカ過ぎるとか言われてたの〜なんて思いました。これが一番の発見です。





いいなと思ったら応援しよう!