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新作「カプセル暮らし」で、今どきな暮らしを映し出すためにこだわったこと

2021年も残すところ3週間。これまでの色々なご縁と巡り合わせにより、今年は今までになくたくさんのカプセルトイを企画させていただきました。
改めて数えてみるとこの一年で新作7タイトル、旧作リピート1タイトルの合計8タイトルを世に送り出すことができたのですが、そんな一年の最後を飾る最新作がこちら、先日11月末頃にTAMA-KYUより発売となりました「カプセル暮らし」であります。

「カプセル暮らし」のメインビジュアル

時代を映したカプセルトイ

本作はカプセルに入って身を守りながら、安全安心な生活を送っている生き物たちのフィギュアです。ソーシャルディスタンスや外出自粛、巣篭もり生活など、昨年来様変わりした人々のライフスタイルに着想を得て、バブル方式(?)で快適に暮らす動物の姿をキャラクター化しました。
まさに時代を映したフィギュアといった位置づけです。

ラインナップの共通点に込めたこだわり

時代を映したカプセルトイとして「カプセル暮らし」の企画を詰めていく際に最もこだわったのがラインナップの選定です。みなさんは本作で採用されたこの6種にどんな共通点があるかおわかりになるでしょうか?

企画時のラフイメージ

カプセルトイの動物フィギュアではあまり見かけないヌーがいる辺りがヒントになるでしょうか。
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勘の鋭い方であれば早速お察しいただけたかもしれません。本作でラインナップされたゾウやヌー、カバやヒツジにオオカミ、そしてニンゲンは、いずれも集団で暮らすことの多い生き物たちとしてセレクトしています。

ラインナップ

従来私達は群れでの生活に慣れ親しんできましたが、2020年以降は長期間に渡り密を避ける暮らしが求められるようになりました。
そうした中で、作中での彼らはカプセルに守られて平穏な日々を送る一方、お互いに一定以上近づくことができずにいるわけです。
その表情にどことなく哀愁やもの寂しさを感じさせるのは、彼らが仲間と身を寄せ合うことを望んでいるからかもしれません。

カプセルを纏い距離を保つ生き物たち

このフィギュアの特徴は、カプセルをつけたまま飾れるだけでなく、カプセルを外して脱カプセル状態でも飾れる点にあります。

脚の付け根の隙間を調整してカプセルを着脱できる

カプセルを外して生き物たちを隣り合わせで並べると、同じ表情のフィギュアでもどことなくほっこりとした印象に見えてくる気がしないでもありません。(気のせいかもしれませんが)

“脱カプセル“で身を寄せ合う生き物たち

企画初期に想定していたネコは選外に

最初期の企画スケッチ

企画最初期は既存のカプセル容器とそこに空いている穴を活かしたいと考えて構想を練り始め、脚だけがカプセル外に突き出してカプセル内に動物本体を配置するプランが先行して生まれました。そのためコンセプトを深堀りする前段階では、動物のラインナップとしてとりあえずは定番のネコをイメージしていました。

その後ディテールを詰めるにあたって、生き物たちがカプセルに入っているという世界観や、カプセルの中で暮らすことの意味合いなどを深堀りし、その過程で外出自粛や巣篭もり生活などの「新しい生活様式」を営む私達の現状とカプセル内での暮らしが結びつきました。現代社会を反映させるという下地ができたことで、ラインナップのセレクトにおいても「密でいたいけど密でいられない」という現状を投影しやすいよう、群れでの生活を基本とする生き物たちに絞って選定する運びとなりました。

このような流れを経てコンセプトとバックグラウンドが固まり、単独行動のイメージが強いネコは候補から外れ、ヒツジからニンゲンに至るまでの全6種をラインナップすることが決まったのでした。
(もし本作が大人気となり続編を企画することがあれば、その際はペンギンやウサギなども候補に入れたいなと思っています。)

近い将来、今を振り返るひと品として

こうして本作は2021年11月末に無事リリースにこぎつけることができ、発売後1週間を待たずして早くも店頭からは完売のお知らせが相次いで届いているようです。

見た目のシュールな可愛さだけでなく、今どきな生き方を投影したコンセプトに親近感が湧きやすいことも好評な理由かもしれません。

長引いた自粛生活、また当面は不定期に訪れるかもしれない自粛生活ですが、数年後にはこれも1つの思い出として語り合える日々が訪れるでしょう。そんな時、ありし日々を彷彿とさせる「カプセル暮らし」が思い出話に花を咲かせてくれるかもしれません。昨今のライフスタイルをシンボライズしたメモリアルなひと品として「カプセル暮らし」をお手元にコレクションしてみてはいかがでしょうか。

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