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スパイダルコ・ドラゴンフライⅡ

長く使っているナイフの話をしたいと思う。

私は釣りが趣味で、もうかれこれ20年以上釣りをしている。小学生の頃は近所の川でふな釣りをするくらいであったが、中学生になって造園屋でアルバイトをはじめると、造園屋の社員で釣りが好きな人から休みの日に釣りに誘われるようになった。その人は海釣りをする人であった。

海釣りをはじめた私はどっぷりとその面白さにはまり、はじめは堤防などでハゼやアジを釣る程度のものが、だんだんとターゲットが変わっていって、現在は磯でスズキやブリやヒラマサ、カンパチ、マグロなどのフィッシュイーター(魚を食べる魚)をルアーで狙って釣ることを楽しみとしている。

釣った魚は基本的にはキャッチアンドリリースをするが、えらや眼球周辺に釣り針が刺さってしまったり、釣りあげるまでに弱ってしまい蘇生が難しそうな魚は、なるべく苦痛がないよう手早く締めて、持って帰っていただくようにしている。

その際に役立つのがナイフであるが、ナイフは本当に色々な種類のものがあって、相当な種類のものを使った。

安いものでも使えないことはないのだが、すぐ錆びがまわって使えなくなってしまったり、ひどいものだと刃が割れてきてしまったりする。魚を締めるのはナイフにけっこうな力を加えるので、気を付けて扱わないとかんたんにガタがきてしまうというということがあった。10回程度しか使っていないのに柄がガタついてきてしまうようなものも中にはあった。それなので、試しては違うのを買って、ということを繰り返してきた。

ナイフというのはなんとなくお守り的な意味合いもあって、すこし良いものが欲しく、使い勝手の良さに加えて、ほどよく所有欲を満たしてくれるもの、というところで、表題にあるナイフにたどり着いた。

スパイダルコ・ドラゴンフライⅡ・直刃・H-1鋼モデルである。

スパイダルコ社のナイフの特徴はなんといっても刃に大きく空けられた穴であろう。(『ハンニバル』劇中でレクター博士が使っていたことで有名になった)この穴があるおかげで開閉がとてもスムーズに行うことができる。穴に親指の腹のところを押し当ててパカパカするイメージをしてもらったらいいと思う。釣りをしている場合はもう片方の手で釣り具を持っていたり、魚を抑えていることなども多く、この開閉機構はには本当に助けられている。

また、刃は「H-1鋼」という海での使用を前提に開発された非常に錆びにくい素材でできており、錆びにくさは今まで使ってきたたくさんのナイフの中でトップである。スパイダルコは海外の会社であるが、刃は日本の関市でつくっているらしく、最低限の手入れさえしていれば切れ味の良さも持続可能である。もともとの刃付けもしっかりしており、パッケージから出したままでも、そのまま使えるくらいの状態の刃がついている(海外産のナイフだとしっかり研がないとろくに使えないようなものもざらにある)

またこの「ドラゴンフライ」モデルは刃の先端が尖った形状をしているので、刺突力がしっかりある。これがあると魚の頭蓋の硬い部分をドスっと貫通させることができ「脳締め」と言われる魚の神経締めをスムーズに行うことができる。これが手早く行えるナイフは意外と少ないのである。魚を苦しめたいわけではないので、脳締めを含めた神経締めの作業は可能な限り手早く行うにこしたことはない。

形状もコンパクトながら、力を入れて握り込みやすいように設計されている。


写真をみていただくとわかると思うが、刃の根本あたりの左右に、ぎざぎざのついたへこみがあり、このへこみの写真右側に親指の腹、左側に人差し指の第二関節のあたりをあてて強く握り込むと、相当な力をかけてもグリップしてくれる。

こうしてしっかりグリップすれば、魚を締めるのが容易である。

刃は波刃などのモデルもあるが、研ぎやすさで直刃を使っている。造園屋でせん定鋏や剪定のこなどを研いできた経験から、刃物を研ぐのは得意である。砥石は造園屋で借りて研いでいる。

またグリップの色も派手な黄色で、夜や、早朝のほの暗い時間に視認性が高くて便利である。また、握りやすく、濡れてもグリップ力を保持してくれるゴム系である。泳いだりしてびしょびしょの状態で使うこともあるので、これはありがたい。

写真に載せたものは2代目である。初代は10年近く使ったが、海に落としてしまい、なくしてしまった。

2代目はそんなに使っておらず、まだ一度もまともに研ぎを入れていない。

今後も魚を締めるような場面には、きっとお世話になるだろう。

総合して良いナイフである。アウトドアをする人や魚釣りをする人には、自信をもっておすすめできる。
















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