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梟訳今鏡

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2023年2月の記事一覧

梟訳今鏡(11)すべらぎの中  巻二     春の調べ、八重の潮路

梟訳今鏡(11)すべらぎの中 巻二 春の調べ、八重の潮路

春の調べ

仁和寺の女院(待賢門院)の所生でいらっしゃる第一の皇子(崇徳)は帝位を去られて後、「新院」と申し上げました。
後に讃岐に地にいらっしゃいましたので、讃岐の天皇とも申し上げているそうですね。

御母君である女院は璋子様と申しまして、大納言公実様の第三女であらせられます。
この璋子様は鳥羽院がまだご在位中でいらっしゃった頃に、白河院の御娘君という体で入内なさいました。

さて、讃岐の天皇は

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梟訳今鏡(10)すべらぎの中 第二     鳥羽の御賀

梟訳今鏡(10)すべらぎの中 第二 鳥羽の御賀

鳥羽の御賀

さて、鳥羽天皇は院となって後も長く思いのままに世を治めていらっしゃいました。
その治世の内でも特に源雅定という者が左大将となられたあたりの頃にはいろいろあったんですよ。

当時この左大将の位をめぐってこの雅定様と実行様が争っていたんです。しかし当時御在位中だった讃岐の天皇(崇徳)は左大将任命のご決断を渋っていらっしゃいました。

そんな頃、まだ東宮であられた近衛天皇の真魚始めがあった

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梟訳今鏡(9)すべらぎの中 第二     白川の花の宴

梟訳今鏡(9)すべらぎの中 第二 白川の花の宴

白川の花の宴

鳥羽天皇は先帝(堀河)の第一皇子でいらっしゃいます。御母君は贈皇太后宮苡子様と申し上げまして、大納言実季様の娘君でいらっしゃいました。

さて、この天皇は康和5年1月16日にお産まれになりました。そして8月17日に東宮となられ、嘉承2年7月19日に帝位につかれました。
それから16年間ほど世を治められまして、ご自分の第一皇子(崇徳)に譲位なさいました。

祖父にあたる白河院のご存命

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