ショートショート|私は未来で歴史を学んでいる者です
「改めまして、私は未来で歴史を学んでいる者です」と彼女はハキハキと言った。正直ちょっと鼻につく。初めての体験だが、未来を生きる人間に対して劣等感を覚えているのかもしれない。自分より学歴が上の人間に対して心の隅っこで小さくムカつくのに似ている。僕だけ? ……これをバネにして勉強を頑張らなくちゃな。大学の先生とかなれないもんだろうか。そう、妄想するのは合憲。
「良いんですか、僕なんかで?」と僕は諭した。「当たり前ですがこの時代にも歴史学者っていますよ。そういう方々と話す方が有意義