マナスル登山へ
8月26日、僕はベネチアのホテルで、空き時間にネットサーフィンをしていた。
特に僕は定期的に海外の高所登山に関する動画を観ることが多い。
すると、渡邊直子さんという日本人女性を発見した。彼女はなんと現役看護師で、これまで看護師としての給料の全てを注ぎ込み、世界にある8000m以上の14座のうち13座に登頂してきたという。
14座登頂と言えば、世界でも50人程度しか達成しておらず、日本では竹内洋岳さんだけが成しているものの、次の人はまだ半分程度しか登頂出来ていない程、難易度の高いスタンプラリーだ。
それをいつの間にか女性が制覇にリーチをかけていることを知って驚いた。
彼女はなんと昨年一気に6座を登頂して、あっという間に日本の登山史に名を刻んだのだ。
僕はと言うと、エベレストは登頂したものの、さらにマナスルやチャオユー、ローツェと言った比較的容易な山には登れても、K2を含めた難易度の高い8000m峰には到底登らないと思い込んでいた。
それが、小柄な彼女の活躍を見て、僕も一定程度までは目指せるなではないかと考えるようになった。
そして、エベレスト登頂時にガイドをしてもらった、アドベンチャーガイヅの近藤謙司さんに連絡をしてみた。
しかし、しばらく連絡がなかったものの、8月29日の朝、僕が移動してきたパリのホテルにいる時に連絡がきた。
近藤さんからは、「来年からいくつか挑戦してみる?」さらに、「今週からマナスル行ってくるからまたね!」と言った返事だった。
マナスルと言えば、上記の通り比較登りやすい山ではあるが、それはK2などと比べての話であり、世界8位で8163mの山だ。日本人の過去登頂者はおそらく多くて200人程度だろう。
そのため、近藤さんも毎年マナスルに行くわけではない。それが、たまたま今年行くと言うのだ。
僕は、参加者が何日にカトマンズ着かを聞いた。カトマンズはネパールの首都で、ヒマラヤ登山の拠点となる。そして、登山者が全員揃うのは9月3日だと言う。5日後か。
僕は、無理を承知で、近藤さんに今から1人分増やせませんか?最悪、何日までにカトマンズに着ければ良いですか?と聞いた。
まだパリにいて、装備品は日本にあり、かつ、前回の登山から4年が経っており追加装備が必要だし、ましてや登山用のトレーニングもしていない。それでも参加したかったからダメ元で聞いてみた。
すると、近藤さんからは「まじで?遅くても9月5日までには来る必要あるけど、本気で参加するなら、今から登山許可が取れるか聞いてみるよ?健康診断とか必要になるよ」と言われた。
そして、近藤さんの確認を待って2時間後、なんと今から参加可能だという!
僕はもちろん行きますと返事をした。
そこから、急いで日本への帰国便と、日本からカトマンズ行きのフライトを手配した。
帰国便は翌日の8月30日発で日本着は31日夜。日本からカトマンズ行きは9月4日の朝だ。
今、パリにいるのにたった5日後には装備品を揃えてカトマンズに着いている予定だが、2回の移動に2日要したとしても、中3日で準備が可能だ。
さらに僕は、急いでネットで買える追加装備品を買い漁った。手元の装備品を見れないため、何が足りていないかはっきりわからないが、4年前の登山を思い出して、必要そうなものを発注した。
また、山用の健康診断を受け、さらに保険を申し込む必要があるため、その手配を済ませた。
ここまで全て終わらせるのに、近藤さんから一通目の連絡を受けてから、5時間程度の話だ。
本当は8月31日にパリからアフリカのマリ共和国に飛び、1ヶ月半、アフリカに滞在して、10月中旬にヨーロッパに戻ってきて、10月12日以降から予約しているレストランに行くつもりだった。
しかし、アフリカ行きのフライトは全て捨ててしまった。予約したヨーロッパのレストランはマナスル登山後にカトマンズから直接向かえば良いだろう。なるべく楽しみは取りこぼさない。
僕のこのようなスケジュールの立て方について、急すぎると言う人がいるかもしれない。しかし、お話したとおり、物理的には全て可能だ。それにもかかわらず、急だと思うのは、メンタルの問題だ。心の準備が整っていないというやつだ。
そんなもの、整う必要もない。動き出せば自然と感情はついてくる。
プライベートでも、急に誘われると、急だからと断る人がいるが、全く理解できない。むしろ急な予定ほど、他の予定と被らないことが確認しやすいのだから、積極的に受けるべきだ。
僕は、さらに日本滞在期間が3日ながら、日中は装備品の準備やわずかでもトレーニングに努めるとして、夜は予定外の東京滞在なので他にもやりたいことがある。
そのため、9月1日にはガーシーさんの接見に行き、さらに友人と夕飯の約束をしたし、2日にはオフ会で20人超の人と集まる。3日はまだ予定がないが、これから何か計画しようと思っている。
楽しみを取りこぼししたくない。
最後に参考までに今回マナスル登山に要する費用概算だ
1、パリ→東京のフライト 11万
2、東京→カトマンズのフライト 6万
3、装備品の追加購入 30万円
4、マナスル登山費用 320万円
5、健康診断と保険費用 30万円
6、登山後のチップ 30万円
7、ネパールでのVISA、宿泊、飲食費 10万円
合計 ざっくり450万円程度になるだろう
さらに、昔のマスターカードのCMになぞらえれば、
8、登山へのワクワク プライレス
というわけだ。
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